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名建築で昼食を - 国際文化会館-

第6話は六本木にある国際文化会館。敷地は緑豊かで、そこが六本木であることを忘れてしまいそうなでした。地方に暮らしている私にとって六本木は高層ビルが乱立するイメージでしたので、こんな場所があるのならば、六本木に行ってみたいと思いました。

国際文化会館とは

国際文化会館は、日本と世界の人々の間の文化交流と知的協力を通じて国際相互理解の増進をはかることを目的に、1952年にロックフェラー財団、吉田茂首相をはじめとする内外の諸団体や個人からの支援により設立された非営利の民間団体です。

日本庭園のある3000坪の敷地は江戸時代から幕末にかけて多度津藩(現・香川県丸亀市)藩主京極壱岐守の江戸屋敷であったもので、明治初期に井上馨の所有となりました。その後、久邇宮邸、赤星鉄馬邸、岩崎小弥太邸と変遷し、戦後は国有地となりました。

庭園

庭園は1930年(昭和5年)に岩崎小弥太が京都の造園家7代目小川治兵衛に作庭を依頼しました。この庭園は近代庭園の傑作と言われているようです。2005年(平成17年)10月に港区の名勝に指定されました。

建物

1955年(昭和30年)に日本建築界の巨匠、前川國男、坂倉準三、吉村順三の三氏の共同設計により現在の旧館部分が完成しました。1976年(昭和51年)には前川國男氏の設計により旧館の改修と新館の増築が竣工しました。庭園を生かした設計をしたデザインになっています。

戦後を代表するモダニズム建築といわれています。

この建物の受賞歴

1955年 日本建築学会(作品)賞受賞
2003年 DOCOMOMO JAPAN選定
     日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選定
2006年 国の登録有形文化財に登録
2007年 日本建築学会賞(業績)(保存に対する評価)
2007年 グッドデザイン賞(建築・環境デザイン部門)

解体の危機

この建物も2度ほど解体の話が進んでいたそうです。
1回目は1974年のオイルショックの時、資金不足になって建物の解体中止されました。
2回目は2002年。多くの人から保存要望書により、2005年に耐震構造を含む大規模な改修を実施されました。

建築家たちの関係

坂倉準三(1901年5月29日 - 1969年9月1日)
ル・コルビュジエの弟子

前川國男(1905年5月14日 - 1986年6月26日)
ル・コルビュジエ、アントニン・レーモンドの弟子

吉村順三(1908年9月7日- 1997年4月11日)
アントニン・レーモンドの弟子

前川國男が間に立つ関係でした。

ル・コルビュジエ(1887年10月6日 - 1965年8月27日)
主にフランスで活躍したモダニズム建築の巨匠、近代建築の三大巨匠の一人

フランク・ロイド・ライト(1867年6月8日-1959年4月9日)
主にアメリカで活躍した近代建築の三大巨匠の一人

アントニン・レーモンド(1888年5月10日-1976年10月25日)
フランク・ロイド・ライトの弟子。帝国ホテル建設の時に来日。

番組の感想

直接的ではない部分もありますが、近代建築の三大巨匠の二人の弟子たちが、この建物に関係しているということは大きな意味合いがあります。三人の日本の建築家だけではない、技術、感性がこの建物を構成していると思うと「文化交流・知的交流」の場所づくりにふさわしい人選だったのではないかと思います。最初の解体危機にあった1974年にこの建物の大きな意味による解体の反対はあったでしょうが、今ほど保存運動が盛んでなかったので、資金があれば1974年に解体されていたのではないかと思うと感慨深いものがあります。

一般の方が入れないこの屋上からは東京タワーと六本木ヒルズを同時に眺める事ができる数少ないスポットらしい。入れないというをうずうずしてしまいます。番組スタッフが羨ましいです。


番組の予告動画

アイキャッチのひとりごと

イラストを描いた感想は、気持ちのいい規則性のある反復と開放感。少しずつillustratorの使い方がわかってきたような気がします。最初著作権の問題を考えてアイキャッチをトレースで描き始めましたが、じっくりと見る勉強になって楽しいです。技術が伴わないので、描くの遅くて精度が低いですが・・・。私自身が楽しいので、良しとしています。


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