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名建築で昼食を -アンスティチュ・フランセ東京-

とても楽しみにしていたドラマ(?)『名建築で昼食を』一回目の「アンスティチュ・フランセ東京」をTverで視聴しました。実は放送日に地上波で見る事ができないのではないかと悲しみに暮れていましたが、ほんのわずかな可能性をTverにかけていました。Tverありがとう。1週間も堪能できるなんて悲しみのどん底からモエレ山(※1)くらいまでにモチベーションが回復しました。

※1モエレ山とは札幌市東区にある唯一の山で高さは52メートル。人工の山。

『名建築で昼食を』で扱われる建築のラインアップを見て8割は知っている建物でしたが、今回の「アンスティチュ・フランセ東京」は恥ずかしい事に全く知りませんでした。モダニズム建築苦手意識が建築をもっと楽しむことを憚っていました。

(言い訳:モダニズムや近代建築は情報が多すぎて、そこに興味を持つと深い沼から這い上がれないようなイメージといいますか・・・書籍が多すぎるといいますか・・・)

1952年に日本のモダニズムの第一人者、坂倉準三氏が建築したフランス語学校。坂倉準三氏といえば、ル・コルビジェに師事していた話までは知っていました。しかし、もともと日本で建築の勉強をしていたわけではなく、東京帝国大学の文学部美学美術史学科美術史を学んでいたということに驚きました。美術史に興味を持つ人は本当に稀だと思っていましたので、そこを建築の入口にしたのだと思うと勝手に親しみを感じてしまいました。

私は坂倉準三氏は第二次世界大戦後、戦中くらいに活躍していたと思い込んでいましたが、大正から戦前まで活躍していたということも、調べて今理解しました。(これでも元建築大生(^^;))坂倉氏を軽く調べるだけで、モダンボーイだったのではないかと思うとまたまた妄想が楽しくなります。

東京日仏学院(アンスティチュ・フランセ東京)はフランスを意識して青・白・赤のトリコロールカラーでカラーコーディネートされています。

青いきのこを模した柱は印象的に使われていてのびやかで気持ちのいい空間の演出になっているように見えました。

ル・コルビジェが提唱した「近代建築の五原則(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由なファサード)」を踏襲したデザインです。特に水平連続窓の美しさはすっきりしていて線で描きたくなります。そして、思わず描いてみました。ところどころテキトーですが・・・。はじめて二点透視図法で描いてみました。線にして気持ちのいい図面(声に出して読みたい日本語的なニュアンスで)


この美しい独特なフォルムの螺旋階段。番組では、二重螺旋階段はフランスのシャンポール城とこのアンスティチュ・フランセ東京しかないと説明されていましたが、会津の旧正宗寺・円通三匝堂(通称:さざえ堂)はカウントされていないのでしょうかね?木造だからかしら?スロープだからかしら?ちょっとモヤっとしましたが、美しい階段の映像にうっとりしました。嗚呼上って、降りて、見上げて、触りたい。この階段を直に見てしまったら、階段フェチの人生が始まりそうで怖い。(現段階ではフェチではなく、好き♥くらい)

なぜ、二重螺旋構造にしたのかという理由は、職員が使う裏の階段と生徒が使う表の階段をわけたかったからだそうです。動線的な問題と構造への挑戦だったのかなと妄想しています。



原案は甲斐みのりさんの「歩いて、食べる東京のおいしい名建築さんぽ」

本屋さんで何度か目にしたことがありましたが、正直に言いますと「女子ウケ」しそうな本のタイトルが非女子系の私には敷居が高くて手に取れないでいました。

「乙女建築」というネーミングも受け入れ難かったですが、田口トモロヲさん演じる植草千明さんの醸し出す雰囲気で何となく許せてしましました。「かわいいおじさん」が「乙女」という萌えですかね(笑う)

30分と短い内容でしたが、建築的に内容は濃くて十分に楽しむことができました。






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