日本語辞典[枕]

最近、寝る前に考え事をしてしまい、とっても寝つきが悪いのです。
7月に入り、蒸し暑いしクーラーは寒いしで、体温調節が難しいからかなあと思いながら、布団をかけたり蹴飛ばしたり、顔にかけてみたり抱きしめてみたり、色々寝るポーズを探して。そんな中先日見つけた寝やすいポーズが、「枕をつかわず寝る」というもの。首や肩のあたりの緊張がほぐれて、いつの間にかスッと眠れるようになった。

悩んでいる自覚はあったので、なるほど〜私は今、枕を高くして眠れない時期なのか〜私も繊細な、いっぱしの大人になったなあ〜エヘエヘ。…あれ?でも待てよ?枕を使わない方がちゃんと眠れるのなら、なぜ人はわざわざ枕を使うのだ?元気になったら枕を使い、ちょっと疲れてきたら枕を外す…。え、じゃあなんで枕ってあるのだ??でも必要だから今の時代まで使われてきたのだろうし…。

枕は、疲れを取るためのものなのか。
使う余裕があるから使う、健康人の嗜好品なのか。

枕の定義が気になった。枕ってなんだ。
そこで、まず「枕を高くして寝る」を調べてみた。

中国の戦国時代、秦と同盟を結ばせるために、遊説家の張儀が魏王を説得するために言ったことば。出典に「楚韓の患い無くんば、則ち大王枕を高くして臥し、国必ず憂い無からん(楚と韓の両国から攻撃される心配が無ければ、大王は枕を高くして眠ることができ、国には憂患が無くなるでしょう)」とあるのに基づく。戦国時代は、不意の敵の襲来に備えて地面に耳をつけたり、遠くの音が聞こえるようにえびらを枕として寝たりしていた。
戦いが終わると、敵の襲来もなく安心して枕を高くして寝ることができたことから。「枕を高くして臥す」「枕を高くして眠る」ともいう。
【出典】 『戦国策』 『史記』

ふむふむふむ!!!周囲にアンテナを張りながら寝なければならない時は、枕を使わずに寝ていたのか!となると、先人たちは本当は、枕を使ってぐっすり眠りたかったことになる。枕はいいものなんだ。

え〜じゃあ枕を使わない方が眠れる私は…?

高い枕で寝た時の姿勢は、首や肩の筋肉が引っ張られる格好になって筋肉が一晩中緊張しっぱなしのような状態になってしまいがちです。そんな状態で寝ていたら、首や肩がこるのも当たり前です。そのため、睡眠時は枕なしの状態で寝た方が、無理な姿勢にならずに首や肩への負担も少なく寝ることができます。今まで枕を使って寝ていた人が枕なしで寝るのは、慣れるまで心地が悪いかもしれません。しかし、枕なしにしただけで首や肩の痛みが軽くなったという声はとても多いのです。ただし、枕なしが良いとされるのは基本的には仰向けに寝た場合で、寝返りなどで横向きの状態になった時に枕がないと、肩の分だけ頭が下に傾くことになって首に負担がかかってしまいます。そのため、仰向けに寝た状態で頭の真横に低い枕を置き、横向きになった時だけその枕で頭を支えてあげるようにすると良いでしょう。

!!!なるほど!!仰向けで寝るということは、首や肩の筋肉が引っ張られているということな訳か!そして、横向きで寝る時は、逆に枕がないと頭が不自然な位置に来てしまう。な〜る〜ほ〜ど〜。

まとめ
枕の意義とは、睡眠時に体の形を無理なく保つため、首の下にできる隙間を埋める役割がある。ただ、その高さが適切なものでないと、逆に首の筋肉を引っ張って疲労させてしまうので、自分にあった高さの枕を使うことが重要。

わたしが枕が高いと眠れないのは、筋肉的な問題。故事にある、「枕を高くして寝れない」とは全く別の原因でした。なるほどね〜。


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