ファイナルソードは最高のゲームでした
ファイナルソードDEをクリアしました。個人的にドハマりして最高でした。
エンディングには「レビューして頂けると幸いです。」とありましたので、記事を書くことにしました。
ファイナルソードの魅力とは
・ストーリーや設定がクラシカルなので、新しく理解する必要がない
・グラフィックや演出がシンプルで、別のことを考えながら遊べる
・攻略に必要な技術を、自分で試行錯誤する楽しみがある
・基本操作で覚えることが少なく、すぐに始められる
・バラエティ番組を見るがごとく、誰でもつっこめる
どのくらいハマッたか
プレイ時間は55時間以上です。最近Switchで長時間プレイしているゲームはリングフィットアドベンチャー、UNDERTALEが75時間以上(UNDERTALEは定期的にサンズと遊ぶので、常に最近遊んだゲームになっています)です。2月の休みは、ほぼファイナルソードDEしか遊んでいません。
ちなみに、Switchで最も長時間プレイしたゲームはBotWで、200時間以上。
はじめたきっかけ
BotWを年末年始の休みで久しぶりにやりたいと思ったんですが、いざやってみたら完全に操作を忘れてしまっていました。BotWは私のプレイしたゲームの中で、人にすすめたいゲーム、素晴らしいと思うゲームの第一位なのですが、いかんせん再プレイする気力が自分には起きませんでした。
なんというか「年をとって肉の脂身が重くなってきたなあ」みたいな感覚でゲームに対して「カロリーの重さ」が気になるようになってきました。最近そのせいかレトロゲームをプレイしたくなる、とはいえ近年のプレイヤーに親切なシステムやテンポに慣れてしまっていて、昔やったゲームもカロリーが重いなと感じるようになってしましました。
LIMBO、INSIDE、APE OUT、PLANET ALPHA、ゴブリンソードなど、Switchで最近購入したゲームはどれも軽くプレイできるもの。ストーリーを理解する必要もないストーリーを理解する必要もない。操作方法は簡単。でも説明は少ないのでクリアするためには、いろいろと考えて試行錯誤する必要あり。グラフィックも味があってシンプル。どのゲームも脳みそが処理する要素が少なく、ぼーっと脳みその整理をしながら、すぐにプレイしてすぐにやめることができることが、私にとって都合がよかったのです。
BotWの代わりとなって、最近購入しているゲームのように、手軽なゲームといえば…そう、ファイナルソードです。そしてちょうど年が明けて、2021年になってすぐ、ファイナルソードDEとして再販されました。
1月中は動画を作っていたのですが、1月末頃に動画を納品して無事公開されましたので、そのまま流れるようにファイナルソードDEをはじめました。
意識高い系ファイナルソード日記(ネタバレ有り)
ファイナルソードの魅力は初見殺しにありますので、上記を読んだ上で、「自分は絶対プレイしたくないし、しないだろうな」と思った人や、すでにファイナルソードをプレイ済で共感を求める方のみ以下をお読みください。
タイトル画面です。まず名前を入力します。
名前を入力したあと、名前決定欄から決定ボタンに移動しなくてはいけないということに若干手こずりました。大手ゲームと比較したら、なんて不便なと思うし、自分でもしゲーム作ったらと考えたら、こういう細かいところを作るのも大変だと思います。不満を抱くなんてもったいない。ゲーム黎明期にしか感じられなかった、「この開発規模でゲームが出せるようになった」という手作りの味わい深さすら感じる。
ストーリーはめちゃくちゃ王道…というか「RPGツクールではじめて作ろうと思うゲーム」のテンプレというか、「RPGゲームとは大体こういう感じ」と説明みたいというか、とにかく使い古しの設定、むしろそれがいい。なぜなら、このときの私はストーリーを全く欲していなかったからです。
母の病気を治すために、薬や妖精を探してモンスターを倒す。モンスターの討伐のため国王を訪ねる…。聞いたことのある内容しか出てきません。
ストーリーを新しく理解する必要がないから脳がつかれない、ということはほかのことを考えて上の空でもプレイできるほど簡単ということで、しかもテンポがyoutuberの動画並に早くて、セリフをスキップするためにボタンを押す必要すらないので、ストレスがありません。
演出が超シンプルです。ダメージの衝撃波もレベルアップの文字もデカいしボスが倒れる余韻、レベルアップ、ストーリームービーがほぼ同時並行して流れていきます。ゲームや映像の質はどんどんリッチになっていきましたが質の高いものは脳みそが学習したがるのでつかれます。当然このときの私は質の高い演出も求めていません。演出はわかればよし、ということで最低限の要素が最低限の時間で理解できるので効率が良いです。
敵の強さがハンパないです。「もうちょっとで勝てそう」とかではなく、「こりゃ絶対勝てない」とわからせてきます。技術を磨くかレベルを上げるか「何かが足りない」という判断にすぐなります。悪あがきの必要がない。
突然の死がやってきます。死は突然、メメント・モリって感じですね。穴に落ちたときの死の叫び声が激しく、「ウワアアア!!」という声とポーズは忘れられません。死の記憶を忘れさせない、教訓的です。
油断大敵。自動車学校の教材ビデオのように「そうは思わなかった」という自分の油断を責めにかかってきます。
油断大敵その2。そうなるかもしれないとわかっていたなら、細心の注意を払うべきなのです。
油断大敵その3。悪いのは常識ではなく、常識を疑わなかった自分なのです。事故は防げたのだと日常の己すら省みようという気にさせてくれます。
超強いボス敵ですが、超強いので出会ってしまっても逃げるチャンスをくれます。回復してなかったのに、セーブしてなかったのに、と泣いたあの日の悲しみにグッバイ。誰も悲しまなくていい世界です。
しかし回復の用意をしても、ちょっとレベルをあげても倒せないくらいに、超強いボス敵がいます。ファイナルソードで敵に勝つには、基本的に戦略と技術が必要になります。このパターンできたらこうと考えて、戦略を可能にするためには技術を磨く訓練が必要になります。現実の人生も楽できる近道があるのではなく、近道をするために戦略と技術が必要だと、諦めと勇気を与えてくれます。
見慣れない文化だからといって差別すると、わかることもわからなくなってしまいます。わからないことだらけなのが世の中というものです。何が無礼になるかわからない。無知は罪。何事もまず知ることが大事ですね。
王様の正体はなんと”邪悪なデーモン”…。コテコテで何の驚きもありませんが、なんと正体を明かしたデーモンさんは走って逃げる!しかもタックルで主人公をブッ飛ばし、兵士は微動だにしません。平野を駆け抜けるデーモンさんの目撃情報もあります。なんと斬新!
「あぶよ」とローカライズされたっぽい魔法陣…ですが特に言語設定を変更しても「あぶよ」のまま。これが東洋の神秘?
「じっとしていてください、そちらに行きます。」と主人公、しかし姫様は自力で転送魔法を使い、主人公ごと脱出します。わからない。ギャグなのか狙ってないのか、わからない。わからないけれど、とにかくツッコミどころ満載なのです。だいたい何の伏線もなく、唐突であったり、意味不明であることが多い。バラエティ番組や深夜番組を見るノリで酒の肴に適当に素人が気軽にツッコミを入れられる要素が多いので、とてもyoutuber向きですし、友達にプレイを見せても盛り上がります。
(ツイッター上でも「陣内がエンタの神様でやってるネタ。やってほしい」という声が多く、実際に陣内智則さんがyoutubeで実況動画を公開しておりとても面白かったです。)
超シュール。SEの選定も天然というか天才的というか、一般販売されている素材を使用しているのですが、組み合わせ方のセンスの癖が強く趣がある。滅んだ村で牧歌的な鳥の声がしたり、毒を吐く植物が猫の鳴き声だったりと猟奇的なデザインやシチュエーションでもどこか間が抜けていて怖くない。
数は暴力。ザコ敵の戦略は基本的に数です。誰かが攻撃してひるんだら別の誰かが攻撃する。起き上がるところを攻撃する。現実的に有効な戦法。実にリアルですね。当然やられた方は「ハメだ!」と怒りがわくのですが、解決するしかなく、対策は単純で囲まれないことです。敵に囲まれてはいけないし、危なそうな状況にならないよう立ち回れというのも生々しい教訓です。
密は避けましょう。最悪死にます。
最悪な場面になったらタイミングを見計らって逃げるしかありません。絶望的な状況こそ冷静さが必要になります。
ボス敵を倒すと、直後にザコ敵としてボス敵が大量発生するのが終盤です。「一度見たからできるはず。それが大量であっても」どこかで聞いたことがないでしょうか。そう、仕事を全力で受注してはいけないのです。労働者を使い捨てようとするタイプの方法には注意しなくてはいけません。そして、物事を大量に解決するには速さが必要です。速さを出すには正確さを持続させること、技術と集中力、コンディションを整えるしかありません。タスクの大量発生は、能率化と効率化で対応するべきだと教えてくれます。
人に何かを説明するときは、ちゃんとしなくてはなりません。ノリや雰囲気で誤魔化しても、具体的なことは伝わりません。それは神聖な樹であっても同じこと。主語を持たざるもの、口にするべからず。コミュニケーションの大事さを改めて知ることができます。
汲み取る力はビジネスの世界で重宝されます。社内外関係なく、信頼関係を築くために、何が起きているかを把握し、相手のしてほしいことを理解する必要があります。伝える力も大事ですが、伝える力がない人や状況からも、ときには汲み取らねばならないでしょう。私はこのとき、何が起きているか全くわかりませんでした。
主人公が古代遺跡にワープすると始まるストーリームービー。城になんらかの異変が起き、魔法士とやらが空に向かって何かを食い止めようとしているが、空には何もない。古代遺跡から城に戻っても何もおきていない。理由がわからないことが多いと思って、私はこのとき流してしまいました。この話には隠し要素があり続きがあります。ヒントを見逃すなという教訓です。
古代遺跡をクリアしたあたりで自身が劇的に成長してしまいました。
これは古代遺跡前。
敵があまりに強くレベル上げ。
複数の敵と戦う訓練をしているうちに立ち回りを覚えました。
強敵とされるワイバーンというボス敵ですが、終盤に珍しいザコ敵の邪魔が入らないボスなのでむしろ余裕で倒せました。立派なファイナルソーダーに成り果てたと宣言してもよいでしょうか。自分の成長に感動できます。
ここでようやく気づいたんですが、「カメラ移動が遅すぎて難しい」という悩みはオプションで解決できました。ほかにも「道具は10個に達するまでしか店で購入できないが、敵や宝箱での入手なら最大20個まで持てる」だとか「同じ敵でも入手できる経験値が減ったときは鎧を脱いだり装備を変えたりすると前と同じ経験値が獲得できる」だとか、説明がないけれど発見するととても便利な知識があったりします。オプションは流石に見ればよかったという話ですが。レトロゲーム時代の裏技を発見するような楽しみもあったりします。
BotWの再プレイに「カロリーの重さ」を感じてしまった私ですが、実は「モンスターハンタークロス」から「モンスターワールド」の乗り換えについても同じ思いをして断念してしまっていました。グラフィックも申し分ないしやりこみ要素も盛りだくさんなのですが、このときの私では胃もたれしてしまいました。逆に「モンスターワールド」を楽しんでいる人からしたら味が薄く感じたりするかもしれません。強敵とされるワイバーンや、ラスボスのブラックドラゴンとの戦いは「モンハン」と通じるものがあります。「モンハン」のミラボレアス戦などは、強すぎる…と感じた私ですが、ファイナルソードのボスはどうしたって倒したい、やりとげたいという気持ちになりました。考えること、やりこむことの種類が少ないからです。しかし、その分近道がなくひたすら体に覚えさせるしかありませんが、その方が性分に合っていたのです。人はフレンチが食べたいときもあればイタリアンの気分のときもあるし、ジャンクフードより家庭料理がいいときもあれば店よりカップメンが食べたいときもあります。私はファイナルソードがやりたいときに、ファイナルソードをやりこんだ。ファイナルソードは最高のゲームでしたと言える状況でファイナルソードを存分に楽しんだのです。
おかげさまで隠し要素もクリア、レベルもアイテムもカンスト、魔法も全種集めて全クリしました。実はマルチエンディングだったり、クリア後のキャラ選択増加などまだ遊べる要素があるので気が向いたら2周目もぜひプレイしたいという気持ちです。ファイナルソードに限らず、「食べたいときに、食べたいものを」の精神で「いまやったら最高のゲーム」を選んでプレイすると、きっと最高のゲームに出会えるのだと思います。
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