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夜さんぽ2


夜の散歩は静かでいい。

ただ、この季節は寒い。ガクブルだ。

真冬の夜を舐めていた私は、マフラーもせず薄着で遠くまでいき、帰りに凍え死にそうになった日があった。

だから、それからは「防寒」なしでは、夜さんぽに出られなくなった。昔から厚着が嫌いで、身軽でいたい欲が強い。真冬の高校時代、1時間かけてチャリ通してたある日、マフラーも手袋も忘れ、身体が限界を感じたのかチャリごと倒れて救急車で運ばれたこともあった。寒さには勝てない。

そんなこんなで冬は苦手だ。服を何枚も着ないといけないし、モゴモゴして歩きにくいし、乾燥肌で指がパックリしたり、深呼吸すると鼻がツンとしたり、足の色がゾンビになったり、あげればキリがない。

それでも夜さんぽに出かける。目立つ色の厚めの靴下、上着のフードも被り、ネックウォーマーで目の下まで覆う。側から見たら不審者だ。見えているのは目元だけ。

いつも調子に乗って帰りのことなど考えず
遠くまでいって後悔する。ぽんこつだ。

道路脇に咲いているお花たち
真冬の澄んだ空気
シーーンと静まり返った世界
夜ごはんのにおい
かすかに見える白い息
街灯と月の区別がなくなる夜景
住宅街から聞こえるおじさんのくしゃみ
自販機のあったか〜い
誰もいない線路
工事中のピカピカイルミネーション

そんな夜さんぽがすき。

あかんこ

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