どきどきすること。

娘の夜泣き後、ひさしぶりに期待が募り眠れないので書く。

いつものコーヒーでも絵本でも子育てでもないはなし。
多分noteに綴るのは、最初で最後。

2010年のことだったと思う。

あるDJ(でいいのかなぁ)が自身のHPで、最近のおすすめアーティストを時々紹介していた。
そこであるフランスのバンドの曲を気に入って、それから「このアーティストのおすすめは外れないな」と思って気にしてチェックするように。
その後そこで紹介され、私が出会った一人のアーティストが今日おはなししたい人。

すぐに「あーあの。」と気づく。
若い時からテレビで歌っていたから。
「へぇー」となる。
それでMVからある動画にたどり着いて、震える。
「なにこの人、普通じゃない。」
「天才って、いるんだな」
と素人の私ですら思う。

2011年、震災が起こる。
幸い直接被害のないところに住み、仕事の中での範囲ではあるけれど支援にあたることもできていた。
けれど、当時の私はそれ以前の溜まりに溜まった歪みや疲れがこの震災をきっかけに一気にふきだしてしまって、色々なことがままならなくなった。
一人暮らしをやめ、おそらく私を心配してくれ提案してくれた今の旦那さんと暮らすようになった。

旦那さんは新居にiPadを持ち込んだ。
それまで私はノートパソコンしか持っていなかったので手軽になったのと、心身疲れていたのが相まって
やたらその人の動画を見漁るようになった。

とにかく、すごい。
アスリートのように全身で、誰も思いつかないようなパフォーマンスを、誰かが思いついたとしても表現できない領域で、みせてくれる。
特に、手。
「神は細部に宿る」を私はここで使います。

どうしても生でみてみたい。

その翌年には彼の出るイベントに行き、はじめて行ってもいないツアーのDVDを買った。
私は10代のころライブハウス育ちで、
「イベント」とか「コンサート」というのは無縁だったので、最初とても落ち着かなかったのを覚えている。
そしてDVDなんて、生でないライブを見たってと思っていたのに、その垣根を飛び越える力をその人は持っていた。
何度となく、一番いい席で見られるならDVDでもみたい。

今思えば、あの頃行っておいてよかった。
今の彼を見るに、
「渋谷のライブハウスでライブ、その後ハイタッチ会」や「川崎の商業施設でレコ発記念のフリーライブ」なんてもう二度とお目にかかれないかもしれない。
私の生活も我が子の誕生で様変わりしてしまった。
ベストだったと思う。

新曲を出す度に、じわりじわりと人気が出ていく。
会場が大きくなる。
ぽつりぽつりと深夜の音楽番組からゴールデンタイムの番組に。
この頃には私もすっかり元通りに元気になっていて、ツアーが発表になる度に会場に出向き、結婚もした。

2016年、金曜夜生放送でおなじみの音楽番組に初出演。
一気に潮の流れを引き寄せるパフォーマンス。
緊張してこちらまで固唾を飲んで見守った。

2017年、バラエティー番組の特番に出演。
友人、家族からも「みたよ、最近よく出てるね」と連絡がくるように。
そのままその年の紅白に、初出演。

2017年秋、はじめてツアーチケットが外れた。
人気出てしまったなぁと思うと同時に妊娠がわかる。
そういうもんかと。

2018年、出産直前に行われた武道館2DAYS。
2日目は、ライブビューイングで映画館で観れるように。これでしばらくライブ納めだと思って、ライブビューイングなんて人生で行くことすら想像していなかったけれど、行った。

その頃に出た曲の歌詞にまさかの娘の名前が入っていた。これは本当に偶然なので、いつか大きくなった娘に疑われたり責められたら釈明したい。

そして産後3週間で、どうしても見たかった全席着席指定の独演に出向く。これはいつか責められたら謝りたい。

noteをはじめた年末、紅白は2年連続出場となった。

文章もそうだけれど、音楽ももちろん人気やCDの売れ行き、会場の規模で優劣はつかない。

ただ、「ずっと歌い、踊り続けたい」と思い続ける彼と、
「ずっと歌い、踊る姿を見続けていたい」ファンとしては、同じように願う人が増えることはとてもうれしいこと。

年あけて2019年。
2/24に国の式典で天皇陛下が作詞、皇后陛下が作曲された曲を彼が歌うことが発表される。
そう、これを書いているうちに日付が変わったので今日。
彼が歌うことになった経緯はあきらかにされていないけれど、おそらく彼のルーツにあると思う。
彼もおそらく自身のルーツを感じながら、歌うのではないかと思う。

彼は息をするように歌い踊るので、そんな日々をずっと送っているので、いつも通りにと思うけれど。

「けれど」と、この文章で何回言ったかわからない。
緊張しているときの私の口癖。

あぁ、ドキドキする。

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