「大正ロマン昭和モダン展」記念講演会まとめ①

~藍色茜色のおそろいベレー帽 May 17 [Sun], 2015, 23:04~

平成27年5月10日、新潟県立歴史博物館「大正ロマン昭和モダン展」の記念講演会で、弥生美術館学芸員の内田静枝先生のお話を聴いてきました。
せっかくの貴重なお話でしたので、ここでご紹介させていただきます。

※関係者の皆様、もしも問題がありましたらご連絡下さいませ。早急に対処いたします。

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講演会の題目は、展覧会の内容にあわせ「大正~昭和初期の少女雑誌の世界――淳一、かつぢ、村岡花子など」というもの。
配布されたレジュメに沿ってお話しいただきましたので、ここでもその形式をとりましょう。

まずイントロダクションとして、内田先生が弥生美術館の学芸員になり、なぜ昭和初期の少女雑誌に魅かれたのか。
1998年に仕事として参加した『少女の友』・内山主筆を語る会において、当時の読者であったおばあちゃま方(※1)が生き生きと当時のことをおしゃべりしていて、数十年経過した今なおそれほどのパワーを持つ少女雑誌に興味を持ったそうです。
翌年99年には弥生美術館で『少女の友』展を開催。『少女の友』の復刊署名運動も展開し、なんと紙の量が10cmほどにもなる名簿を集めましたが、版元である実業之日本社では残念ながら門前払いだったとのこと。
しかしながら、10年後の2009年には創刊100周年記念号として無事に発刊し、大反響を受けることとなります。
NHKで10分の特集番組が放送され、弥生美術館では再び『少女の友』展を開催。併せて100年目の友ちゃん会(※2)も開かれました。

ここでは実際にそれぞれの会の写真をスライドで見ることができました。
内田先生がおっしゃるように、当時の読者であったおばあちゃま方は本当に楽しそうで、どの写真でもみなさんはじけるような笑顔でした。
「少女の友の歌」を歌う写真なんてもう、一生懸命に「あの頃」へ向かって歌いかけている様子が伝わってきて、わたしまで胸がいっぱいになりました。

読者のおばあちゃま方が集う会の熱量についてはさまざまな資料で伝えられていますが、実際にお写真を拝見できてようやく実感できたところがありました。
みなさま、良い意味でほんとうに普通のおばあちゃんなのだもの。
でも、わたしたちの先輩。同じ文化をいとしく思える、少女の大先輩たちです。

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予定以上に詳細に書き記してしまいました…。続きはまた後日にさせていただきますね。引き続き気長にお待ちいただけたら幸いです。


※1 内田先生が「おばあちゃま方」と可愛らしく呼んでおられたのです。わたしもまねっこして使っていきたい言葉。

※2 『少女の友』の読者投稿欄は「友ちゃんクラブ」という名前でした。そこによく掲載される、いわば常連さんたちが実際に集う会が「友ちゃん会」。読者の少女たちによって自主的に企画運営されていました。詳しくは、内田先生の御本や100周年記念号をお読みくださいね。藍色茜色でもいいよ。

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