不器用な画家 第03話「パンダちゃん」

僕は、B君に謝ることにした、勢いとはいえB君の彼女とセクースをしたのだから、僕はB君を呼び出して、そして謝った、マジで殴られるくらいは考えていたけど、そんなこともなく、あっけなく許してくれた、あっけなかった、ヘラヘラしてた、あっけがなかったのだ

その後、B君は普通に今まで通りに接してくれた、何事も無かったみたいに、それが怖かったし、それがやるせなかった

そんな時、派遣でバイトしてた僕に、親が就職をしろと親戚のコネを使って就職先を紹介された、だけども、コネは嫌だったし、そもそもやりたくもないとこで正社員として働くのも嫌だった、だが、僕はそれに反抗もできず、履歴書を書き面接に行ったのだ

久しぶりにスーツを着た、面接は緊張する

履歴書を出して、いくつか質問された後に「あれ?平成しか書いてないよ?」と言われた

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僕は履歴書の経歴のところを、先に平成だけ書いといてあとから年数を調べて書けばいいやと思っていて、そのまま年数を書くのを忘れていて、平成、平成、平成って、平成しか書いてなかったのだ

僕はパニクって、頭の中は真っ白になり、そこからは覚えてない

そして、コネを使って落ちた

親戚に謝りに行かされた、糞恥ずかしかった、本当に嫌だった、なにしてんだ自分と思った

すげえ嫌だった、すげえ

僕は考えた、屑な自分のことを、仕事のことを、将来のことを、別れた彼女のことを、いなくなったセフレのことを、B君のことを、地球のことを、宇宙のことを、万物のことを、考えて、考えて、考え込んで

病んでしまったorz

うまい具合に重なって重なって重なった自分の屑さ、それが僕をチクチクと、いや、ドスドスと突き刺して、更にえぐられた

初めてここまで落ちた気持ちになって、どうしていいのかわからんくなった

なんとなくテンプレ的に手首を切ってみたところ「いてえええ!血が出た!!」ってなって痛かったからやめた、僕は痛いのが苦手だし、血が出るのも面倒臭いし、やめた

次に、風邪薬を100錠くらい飲んでみたところ、なぜかリサイクルショップにいて、ぶっ倒れてゲロ吐いた、しばらくは気持ち悪くて、ゼリーしか食べれなかった、僕は気持ち悪いのが苦手だし、肉が食べたいって思ったし、やめた

なんだそれ

僕は何がしたかったのだろうか、誰かにかまってもらいたかったのだろう、SNSでも手首を切ってみたとか、ODしてみたとか、死ぬ死ぬみたいなことを言いまくっていたら、たくさん友達が消えてった、もともと、おちゃらけた元気なキャラだった僕が崩壊したのだ、ひいたのだろう

初めて精神科に行ったのがこの時だった、タイミング良く?悪くか?派遣も切られてニートになって、自分の生きてる世界が歪んでいくのを感じていた、マジでどうでもよくなってた

そんな中で、ひとり、すごく心配してくれる女の子がいた、その女の子をパンダちゃんと名付ける、パンダちゃんは高校の同級生で、高校の時は、ほぼ話さなかったけど、僕が病む前くらいから仲良くなり遊ぶようになっていた、手首を切った時にはマキロンを買ってきたり、ODした時には、もうやめてと泣いてくれた、ただ、ただ良い娘だった、今、思うと本当に本当に良い娘だった

欝モードでダラダラしてた僕を、パンダちゃんはドライブに連れてってくれたりした

ある日にパンダちゃんは「元気になったらプレゼントをあげるね」と言った

僕は「何何何?」と聞いたけど

パンダちゃんは笑いながら「元気になったらね」と言って教えてくれなかった

僕は元気というのがハッキリわかんなかったけど、なんとなく元気になりたいと思った


第03話「パンダちゃん」



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