不器用な画家 第11話「クラブイベント」


今回のクラブイベントには10人くらいの作家の絵や写真が展示されていた

小学生の頃、図工で描いた絵が廊下に張り出された以来である、自分の作品と誰かの作品が並んで展示してある風景を見たのは

だが、もちろん全然違う、ひとりひとりの作品から出てくる主張が違う、そういう印象を受けた、こういうことなのかと、思った

そして、クラブイベントが始まった

ゾロゾロと人が入ってくる、薄暗い空間にレーザーみたいな光がピャッピャ飛び交ってる、うるせえくらいのボリュームで音楽を流すDJ、酒を飲む人、踊る人、踊る人を見る人、話をしてる人、ボーッとしてる人、展示してある作品たちを見る人

うおおお、これがクラブイベントなのか…

僕は思った…



この空間、めっちゃ苦手なやつだ!!!!



なんてことだ!僕は、この空間の中、どこにいればいいのだ!どうしてればいいのだ!踊る?いやいや、恥ずかしい!そういうのできないタイプの人間だ!てか、そもそも人がワチャワチャしてる空間が苦手なのだ!どうするよ!自分の手のやり場すら、どこに置いていいやら、腕を組むか?ポケットにしまうか?パニックだ!そして、アウェイだ!!!!!!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!

正直、めちゃんこ帰りたかった

そんな時に

自分の絵を見てくれてる人を遠目で見つけて「うぉおおおおおおおお!!!!」ってなった

う、う、嬉しい…

めちゃんこ気持ちよかった

自分の絵を見てる人を見つけると、すごく気持ちよく、別に話しかける訳でもなく(そんな勇気もない)、それを見つけ遠目で見て楽しめた、楽しんでいた


でも、やっぱり、ここに自分の居場所はないと思った、この空間が苦手すぎて、孤独すら感じた

何回も外に出て、iPodを回し、裏で酒を飲んでいたりした

そしてクラブイベントも終わり

そのイベントのオーガナイザーから
「またお願いします!」と言われた

僕は「こちらこそ!お願いします」と言った


もし本当に次があるなら、絵だけ持っていき、クラブイベントには参加しないでいようと思った

自分のインターネット以外での表現できる場所を見れたこと、知れたことが、それは、すごくためになった

そして、自分が、クラブイベントみたいな空間がとても苦手だということが、改めて、わかった

活動が、はじまったと思いきや、これからどう動いていけばいいのか、不安でしかなかった


つづく!!!!

第11話「クラブイベント」




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