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戦闘服、その憧れ。

ライブの戦闘服はいつからかロリータ服である。
いつ頃から気になっていたのか、そのきっかけはもう覚えていない。
だけど昔からヒラヒラふりふり、ピンクもレースも好きで、でも自分とは遠い世界の服だと思い込んでた。

Twitterで見掛けた人だったか漫画だったか、とにかく着てみよう!なんて背中を押してもらった気がする。
最初はいきなり3万もするロリータ服を購入する勇気がなくて(単純に資金不足もあり)、アメ村の古着屋に向かって数時間後。
予算は軽く超えて2着、お買い上げした。


初めて袖を通した時のときめきはまだこの胸にある。
わぁわぁ、こんな!フワッとして!意外とごついんだなーなんて思ったっけ。
それからライブで着るようになるにはまだもう少し時間がかかるんだけど、状態の良いものをフリマアプリなんかで買い漁った。

あの高揚感は何だったんだろう。
初めて着用したのは推しバンドの地元でのライブ。
ふわふわ広がるスカートの裾が、心にまでくすぐったかった。
ちゃんとした正統な着こなしでは無かったけど。

女の子の可愛いだけを詰め込んだ服。
可愛くなりたかった。自信を持ちたかった。
そんな自分でいたかった。
私は私であって、今からだってなりたい自分になれる。
母親としての服装なんて私をどこかに置き去りにするものでしかなかったから、『私自身』をもう一度手に入れるための、『私』が着るための、自分を取り戻すための戦闘服だったんだな。
ハレの日の特別な自分。楽しい予定の前の眠れない夜みたいなわくわくとどきどきを詰め込んで。
またライブで着る時が来ますように。願ってやまない。








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