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また生物部がやらかした!A-Levelを学ぶ編¦糖類2(生体分子#3)

A-Levelは、世界で最も一般的な高校~大学1年レベルの知識を問う国際資格で、海外大学の入学要件としても広く用いられています(詳しくはこちら)。
このマガジンでは、A-Level Biology(生物学)の内容を、ポイントを押さえながら分かりやすく日本語で説明しています。
英語でA-Levelを学ぶお供、社会人の学び直しなど、いろいろな用途で使うことができます。
途中からでも、最初からでも、ぜひ読んでくださいね!目次はこちら
もちろん、日本の高校生物・生物基礎の内容にも対応させています!

はい、こんにちは!
昨日は単糖類と二糖類のお話をしましたね。
脳が疲れたら、ブドウ糖タブレットを口に放り込んで集中集中!
脳が一番エネルギー効率の悪い臓器だという事ですが、、あんまりお腹がすかない体質の私は…どういうこと??

今日も糖類のお話、第2回目です!


還元糖、そして非還元糖。

すべての糖は、還元糖と非還元糖に分類することができます。
還元糖には、すべての単糖類マルトースラクトースなど一部の二糖類が含まれます。

マルトース
ラクトース


一方で、非還元糖にはスクローストレハロースがあります。

スクロース
トレハロース



ベネジクトテストをしてみよう!

糖の有無を確かめたい時は、ベネジクトテストを行います。
このテストでは、ベネジクト液という試薬を使います。
ベネジクト液は常温では青色ですが、加熱によって還元糖と反応すると、溶液中に酸化銅(Ⅰ)の粒子が発生し、赤褐色となります。
この粒子は水に溶けず、しばらく置いておくと沈殿します。

ベネジクトテストによる色の変化2:還元糖の濃度が濃いほど、色が赤褐色に近くなる。


★方法
試験管に注いだサンプル溶液に、青色のベネジクト液を加え、沸騰させた水槽に入れて温めます。
※試験管に沸騰石を入れ、ガスバーナーで試験管の底をあぶる方法もあります。

試験管内の液体が青色から赤褐色に変われば、検査結果は陽性、糖の存在が確認されたことになります。

ベネジクトテストによる色の変化1:この場合はバーナーで直接温めている。



液体中の還元糖の量を測るには?

・溶液をろ過して沈殿物の量を測る。
・沈殿物を取り除いて残った液体の吸光度を分光光度計※で測定する。

※分光光度計とは、光源から出た光を波長ごとに分け、それらを試料に当てて吸光率を測定する装置で、物質の濃度(溶液に、ある物質がどれだけ入っているか)を測るために用いられます。



非還元糖を確認したいときだってある。

1. 非還元糖を単糖類に分解
サンプル溶液(ベネジクト液は加えていない)に希塩酸を加え、沸騰させた水槽で注意深く加熱します。

2. 中和
炭酸水素ナトリウム(重そう)を加えます。

3. ベネジクトテストの実施
還元糖の時と同じように、ベネジクトテストを行います。



さ、今日は以上です!
ベネジクト反応の水色ってきれいだと思いませんか?
昔、火山の噴火口の水色ってきれいだなあと思っていましたが、あれとよく似ているなあと思っていました。
火口湖は生物が住めない環境で有機物が少ないことと、硫黄によって色がついて水色になっているということを知って、ちょっと幻滅したことあるんですけどね。
自然界における「きれい」とは、どういった状態でしょうか、、。
火口湖の色は鮮やかで、惹かれるところがあるんですけど、ね、、。

次回はこれらの単糖類がつながってできる多糖類のお話です。
皆さん、お疲れさまでした!^^




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