見出し画像

六月雑記 つめつめきりきり

爪を切り忘れた。

外へ出る前に切ろうと思っていたけれど、ブルーベリージャムとさつまいもジャム半々のトーストを食べたり、観葉植物に水をあげたり、鞄にノートと一枚羽織るものを入れたり、財布に千円札を二枚補充したりしている内に、忘れてしまった。

切り忘れた、と自覚した途端に爪は少し重くなる。

スマホにカツカツと当たるのが気になる。縦にうっすら黒い線が入っているけれどこれは何かの前兆かと調べたらホクロらしい。ささくれ未満のささくれも気になる。

喫茶店で先輩のネタ作り手伝い。自分の爪が伸びているときは人の爪が気になる。先輩の爪を見る。ちゃんと切られている。

家に帰り爪を切る。

当たり前のように親指から切っているけれど、みんな小指から切っていたらどうしよう。

ジェスチャーゲームのお題が【特に何もない一日】で、テレビを観ながら爪を切る動きをしたら「親指から切るんかい」というおかしさで散ってしまう。それさえ気をつければ大丈夫。

次に爪切りを買い換えるのはいつだろう。

暮らしクエストのレベルは爪切りに表れる。上位互換の武器を手に入れるのと良い爪切りを買う感覚は似ている。だからといって良い爪切りを買えば誰でもレベルアップというわけではない。人から貰ったポケモンのレベルが高すぎて自分の実力に見合っていないと言うことを聞いてくれないのと同じ。

ひとつの文章にふたつのゲームの喩えが入っているよ。わかりづらいね。スーパーの雑多スイーツ売り場にある二種類のケーキが入っているやつみたいだと考えるとお得だね。

爪を磨く。

百均で買ったスティックタイプの爪磨きで、本体に書かれた STEP 1・STEP 2・STEP 3 に従って磨いていく。爪を磨くときは音楽やラジオを聴かずに爪を磨くことだけに集中する。『爪を磨くという時間の純度を上げて楽しんでいる私』を意識して雑念が入る。



画像1



爪切りの爪が伸びたら、別の爪切りで切ってあげなきゃいけないよ。


支援していただけると嬉しいです。 きらきらの物を触って手にきらきらが付いたときくらい嬉しいです。