先輩とか兄貴とか親分とか
なんでもない日常だと思っていた日々、人に話して分かったのは、他人からすれば小説の様な話しだと思うと言われ書いてみた。
「しがらみ」
辞書では、
引き止め、まとわりつくもの、からみつくもの、邪魔をする。
考えてみると、かれこれ20年程は、しがらみに絡みつかれた生活を送っている。
夜一人で、家に居る時や、寝ようとしている時に、急に昔の事を思い出したり、嫌な思い出が急に蘇る。
それは、しがらみに縛られた生活のせいなのだと思う。
思い出した事は、2018年か19年の話しで、その日は幼馴染の兄弟みたいな友人と、一緒に先輩に呼び出された。
その先輩は、Nさんと言いある人の小説に登場する人で、暴力的ですぐ怒るおっかない人だ、その時は、刑務所から出て間もない時だった。
自分は、その人が苦手で、できれば行きたくなかったのだが、断る事が出来ずに、仕方なくついて行く事になった。
待ち合わせは、別の先輩がやっている居酒屋で、昼間はシャッターが閉まっているので、シャッターを空けて入った、夏真っ只中にも関わらず冷房も付いていなくて、店内は、灼熱の暑さだった。
この瞬間にも僕は、帰りたいと考えたのだが、誰も気にもしてない様な素振りをしていた。
自分の兄貴分でも親分でもなく、一先輩に対して、ここまで気を使うと言う事が、そもそものストレスであるが、友人の兄貴分、叔父さんにあたる先輩である以上は気を使う。
呼ばれた話しの内容は、敵対している組織同士で、この地域の顔だった親分が、対立組織側で復帰をしたから、やって手柄をあげるため、張込みをしろと言う主旨の話しだった。
そもそも、自分がその場所に行ったのが間違いだった。
まず1、連絡事項で、車の特攻禁止、拐うのは禁止と聞いていた。
2、このターゲットになっている人には、自分も友人も、一つの組織だった頃は、上部組織の人であり、とてもそんな事をする気になれなかった。
まぁ、自分は、最悪野良りくらりと交わせるが、友人は直の兄貴分、叔父貴にあたる人だからそうもいかない。
苦渋の決断で、友人は、本部当番の時に面識もあり、「警備にもついた事もあり、世話にもなっていた人だから表立っては出来ません」とハッキリ断りを入れたのだが、先輩の機嫌を損ねて、少しの間、色々嫌な事を言われていた。
この人から手が出なかっただけでも、ラッキーだったのかもしれないが、本人はこの期間とても辛そうだった。
自分は、ここでは上手く逃げられたのだが、後に、結局自分の上の人間に別の組織のターゲットを張込みさせられる事になった。
友人の様にはっきりとNOと言えない弱さもあるが、どこか良いカッコをしたい自分もいた。
今の自分にある苦しさや、スッキリしない気持ちを考えていてこの出来事を思いだした。
この話はフィクションだけど、しがらみの中生きるってのは、早く抜け出さないと抜け出せなくなるんだなって思います。
フィクションになるんだけど、人のシャブと拳銃を持って一言も話さずに刑務所に行った友達の話しや、自分の兄貴分を逃すために発砲して囮になった人の、面白い話しがあるから、また機会があれば書こうと思います。
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