のんと堤幸彦監督の相性が抜群だった!
柚木麻子の人気小説を堤幸彦監督が昭和を舞台にアレンジして映画化したコメディ作品です。堤監督のトークショー付きで観ました。
物語は
プーアール社の新人賞で作家デビューしながら、人気大御所作家東十条宗典に酷評された加代子は本を出版出来なくなり、東十条に恨みを持っていた。
そんな彼女は年末になると作家たちが利用したことで知られる山ノ上ホテルで宿泊し、作品を執筆しようとしていた。
そこへ大学の演劇サークルの先輩で編集者の遠藤が現れ、彼女にシャンパンの差し入れをする。
なんと彼は同じホテルに缶詰めになっている東十条に差し入れを持って来たという。
それを聞いた加代子はメイドになりすまし、東十条の部屋へ行き原稿を滅茶苦茶にして復讐しようとするが…
堤監督流原作者の巻き込み方
堤監督はこの作品でウディ・アレン的なものと「アメリ」的なものをやりたかったとか。
原作は現代の物語なのを大胆に昭和を舞台にアレンジした理由はデジタルで原稿を書かない時代の物語にしたかったそうです。
あと女性が大暴れする映画で、かつてとんねるずとやってきたコント的な演出を映画で全開にしたかったとも。
そういったアレンジを可能にするため、原作者を味方にしたと。
そのやり方とは原作者も出演させてしまうこと。
今回の文学賞の授賞式のシーンでは審査員役で原作者の柚木さんを出演させたとか。
のんさんを起用した理由は!
今回、のんさんをヒロインに抜擢した理由は「あまちゃん」と「さかなのこ」が好きだったから。また彼女はバンドでギターをやっていて、フェンダーのテレキャスターを2本持っているという共通点があり意気投合したそうです。
田中圭さんは「包帯クラブ」以来らしく、「包帯クラブ」のときにはメインキャストで他のキャストのオーディションの相手役までやってくれたとか。オーディションで飽きた堤監督は渡部篤郎でやって!とか田中圭さんに無茶振りして楽しんでいたそうです。
のんはコメディエンヌではない!
堤監督は「トリック」のときは仲間由紀恵さん本人に会ったとき、世間のイメージと違うコメディエンヌの魅力を感じたそうですが、のんさんはコメディエンヌではなかったとか。
とはいえこの作品では彼女の無茶苦茶な行動力が笑いを誘います。
堤監督作品でこんなにすんなり入り込めたのはのんさんあってこそな感じでした。
馬鹿馬鹿しいことをのんさんが大真面目に必死でやるのがこの映画を応援したくなる原動力になっていました。