35歳の素人が職業ライターになるまでの3年間で身に着けたこと(3):トイレットペーパーの文章について皆で考えてみる-その2-

さて、あらためてましてm(__)m。皆さんの本気の解答が素敵すぎて、ヤバイヤバイ、ヤバイよー!と、小さじ一杯の脳みそを駆使しているtunoでございます。

過去分はマガジンにしましたのでご参考までに。
https://note.mu/akaituno/m/m7d3cd32530bc

前回は、「トイレに一度に多量の紙を流しますと、トイレの故障の原因になりますので使用量には注意してください。」の文章的な構造について僭越ながら語ってしまいました。今回はさらに僭越ながら、もう一歩踏み込んでみます。

解答募集編のコメント欄で書きましたが、今回は「製品の注意書き」であることも考慮しなくてはいけません。

どういうことでしょうか?まずはトイレットペーパー屋さんの気持ちになってください。
その上で問題文をみてみましょう。

「トイレに一度に多量の紙を流しますと、トイレの故障の原因になりますので使用量には注意してください。」

この文章は最終的に「使用量には注意してください」と言っています。
でも、メーカーとしては売れるためには「どんどん使って欲しい」ですよね。
売り上げを阻止するための「注意書」は矛盾します。

ということは、この文章では、本当に言いたいことが伝わってないのです。

本当に言いたいことはなんでしょうか?そもそも「注意書」の目的とは?
はい、消費者からのクレームに対抗するためですよね♪

対抗したいクレームは、
「紙を流したらトイレ詰まったんだけど、お前のせいだ。品質が悪すぎるんじゃないの?トイレの修理代を弁償しろ!」
です。

そんなクレームを電話で受けたオペレーターは想定問答集を見ます。
そして答えます。
「トイレに多量の紙を一度に流さないでください。」と明記してありますと。

ボクが考える最大の問題点は、消費者に対して「やって欲しくないこと」を、ドーンと言い切ってないことです。そして、それをやると「トイレが故障することがあります」と、その行為に対するリスクをストレートに説明できていない。

なので、ボクの案は、「トイレに多量の紙を一度に流さないでください。トイレが故障することがあります。」にしました。

「?」な方もいると思います。文章的にはもっとコンパクトにもできるからです。でも、目的を果たしてこその文章です。文章はコミュニケーションのツールでしかありません。

そして、注意書というものは悲しい運命にあります。普段は気にもかけてくれませんが、トラブルが発生したときにだけ活躍するのです。なので、注意書の役割を考えて時には念をいれて「くどく」文章を構成する必要があります。

さて、次回は、せっかく皆さんから解答をいただいたので、ケーススタディー的な感じで解説を試みますね。あれだけ良い解答なので、その方がわかりやすいと思います!(気合い入れないと・・・やばいな)。

ではでは。

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