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20220626 somnia

 夢を見た。

 子供の頃に住んでいた町に雰囲気の似た、住宅街を歩いていた。ブロック塀で区切られた町並みを行く。
 なんでこんなところにいるんだろうと思ったけれど、新しい家に越したんだったと思い至った。
 自然素材や無垢材で統一された明るい内装の家が新しい家だ。
 オーク系統の床材、階段材で全体的にナチュラルな装いで、玄関ホールからLDKに入るとズドンと奥に長い空間が伸びている。まだ引っ越したばかりなので何も無い。
 LDKの一番奥に、二手に分かれたストリップ階段が左右に伸びている。向かって右側の階段の先が両親の部屋、左側の階段の先が私と兄の部屋になっている。
 階段の手すりは最近流行りの白いアイアンの細い丸手すりで、触れるとひんやりと冷たかった。
 ふと、自分の手元を見ると何やら紙を握りしめていた。開くと、クイズが書かれてあるようだった。真っ赤な背景の、なんだか胡散臭い雰囲気のチラシである。
 そういえば、私はこれを中学時代の友人・ユミに渡さなければいけないのだった。それを思い出して、少し面倒な気持ちになる。
 ユミとはもう長いこと連絡を取っていない。
 この家の近くに住んでいたと思うが、行かなければいけないのだろうか。
 ユミには離婚歴がある。今住んでる家に掲げてある表札も、旧姓だったはずだ。そこに誰と住んでいるのかは知らないが、できれば関わりたくないなと思った。

 目が覚めた。

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