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20230118 somnia

 夢を見た。

 学校のようだった。でも、全く知らない場所。ショッピングモールのようにも見える。
 私には仲の良い女友達が2人(現実には知らない人)いて、3人でつるんでいることが多かった。その日は私たち3人に加えて、入学したての新入生たちと合同で授業だった。
 新入生たちを引き連れつつ、友達2人とエスカレーターで二層下に下っていく。
 フロア案内を見た。すぐ右手に、体育館のような広い空間が広がっていた。
 バレーボールのコートだ。ネットをかける柱も立っていて、ネットが緩まった状態だった。
「バレー部の子おるでしょ。先生来る前にネット張って」
 新入生にそう指示する。
 新入生は「え、私たちが準備するの?」とざわめいていたけど、渋々動いてくれた。
 その後先生が来た。すでに準備の完了しているコートを見て満足そうだった。
「今日はバレーボールをします。適当に半分に分かれて、全員コートに立って。経験者はサポートしてあげて」
 私は中学時代バレーボール部だったので、少しワクワクしながら後方右側のポジションに立つ。生徒が多いので、コートはすでに溢れていたが、サーブボールを取ることは困難だろうなぁと予想する。
 その予想は的中した。相手チームからのサービスを、女の子の新入生たちは一切取れなかった。
 あるいは、3回ボールに触って相手コートに返すことを知らないため、その場で何度もボールを触ったり、バウンドさせて人にパスを回す子もいた。
 ゆるい授業だ。そんなことだけで点数はいれない。
 一通り試合めいたものが終わって、先生のもとに集まる。女子生徒の1人が手を挙げた。
「先生。3回で相手のコートにボールを返すとのことですが、とてもじゃないですけど遠いです。無理です」
 バレーのルールを知ってる時点で、先生は嬉しそうに笑った。「練習あるのみだ」と言っていた。

 場面は変わって。
 大勢の人々の中に、私はいた。
 彼ら彼女らとミステリーツアーをしていた。詳しい場所はわからないが、日本ではない熱帯地方にいた。
 深い崖に覆われた、大きな川辺にきていた。カラッと晴れているが、川は轟々と音を立てて流れている。
「雨が降ると川のかさが増します。この川は『それ以上に』かさを増して洪水になることが多いです。その理由を探りましょう」
 観光用のトンネルがあり、断崖絶壁の中腹ほどの高さを歩くことができた。とはいえ、通行できる幅はかなり狭く、人が1人歩けてやっとの道だった。
 妙な崖だった。
 誰が作ったのか、四角い箱型に人の顔を模したような岩の彫刻がずらりと崖一体を埋めていた。その彫刻も妙で、四角い人の顔が二段重ねで一つの作品になっているようだった。上の四角い顔は何やら真っ白な岩でできており、下の四角い顔は黒く濡れて苔がむしている。対岸の崖も同様だ。
 なかなか奇妙だ。
 この謎を解明するために、ツアーの主催者から手渡されたのは、500mlの水の入ったペットボトル。
 彫刻を触った。上の白い顔は表面がボコボコと空隙が多く、下の黒い顔はぬめっと湿っていた。
 ピンと来た。答えを知っていたようだった。
 私はペットボトルの蓋を開けて、そっと白い顔にかける。
 すると、白い顔は瞬時に水を吸い取った。
 その瞬間、黒い顔の口元が、開いた。何やら仕掛けになっているようで、人形劇の人形の口のように、パカッと口部分が開いたのだ。
 そして口から出てきたのは、私が今かけた水。
 通路を水が横断し、川に向かって崖を滑り落ちていく。
 私は、ペットボトルの中の水を、その辺りの白い顔全体に振りかけた。
 予想通り、全ての白い顔が水を吸い、ペアの黒い顔の口が開いて水が流れていく。
「この白い顔は珪藻土のようなものみたいだ。中身はどんな構造だろう。でもそれだけで川のかさが倍増するんだろうか」
 黒い顔の口は、手で触っただけでは開くことができなかった。

 目が覚めた。

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