過去に作ったもの紹介
たまには過去の制作物を紹介したりするのもいいかなと思ったので、します。
どれもBoothから入手できます。
ここです: https://akazo-booth.booth.pm/
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『よ』 2016年
音楽です。夏の夜に野外を歩きながら録った音にエレクトリックピアノを乗せてみました。とくに深いことは考えず、なんとなくの感覚で演奏してます。イージーリスニングな感じで、なんとなくで聞くのが適している気がします。
Boothを通じてデータをあれしたほうが音質面で良いはずですが、YouTubeでも聞けます。CD版の再生産予定はありません。
『坂道な気分』 2017年
坂道の写真と散文の本です。この本は無線綴じの冊子なんですが、ちょっと変な綴じ方向にしています。
これの上側が冊子の「小口」、下側が「のど」になっていて、
開いていくと、こんな風に見開き半分に写真、もう半分に散文が現れる形です。
坂道の写真を撮るのって微妙に難しくて、望遠レンズで圧縮効果を出してみたりしても、実際にそこに居るときのような「奥行き感」が得られにくく……。
その「奥行き感」を、無線綴じ冊子を開いて読むときの「紙の歪み」により簡易的にでも演出できないかと考えて、こういう製本を試みたのでした。
あと紙のバージョンには、「普通の風景写真」を封入しました。写真は被りなしの全種ランダムで、買ってくださった方によって写真が異なるんですが、そもそも予告も説明もほとんど無しの付録でした。伝わりにくいことばっかりやる。
こちらも再生産の予定はありません。作ったもののなかで、再生産から最も遠いです。「紙の本であること」がコンセプトの上で重要だった点、今だったらもっと違う書き方をしているという点、当時も悩んで決めたことだけどタイトルは「な」より「の」のほうがやっぱり良かったと思っている点などなどが理由です。
当初は作らないつもりだった電子版をのちに用意したことで、自分の気持ちをわざと再生産から遠ざけました。紙バージョンを持っている方はレアです。
『けしゴムはんこの作り方』 2018年
消しゴムはんこの作り方について説明した冊子です。これはコンビニのコピー機で印刷した、いわゆる「コピー本」です。「コピー本を作ろう」が、このとき自分に与えたミッションでした。
初めて消しゴムはんこを彫ったのは高3の1学期。受験勉強に疲れを感じており、何か「合法的」に遊ぶ方法はないかと考え、それで「集中力向上を名目にしつつ、教科書や赤本(入試の過去問題集)などに出てきた図案を彫る」ようにしたのが最初でした。一応は受験勉強に関係しているので他者からも内なる自分からもお咎めは少なめで遊べました。
以来ずっと彫り続けているなんてことはなく、たまに気が向いたときだけ彫ってます。それなりには楽しいけど「最高に楽しい遊び」ではないので。
冊子は、こういったパーソナルなエピソードを盛り込まず作りました。盛り込まなさすぎて全然はんこ作りの魅力とかが感じられない仕上がりになっちゃってるんですが、そういう不備に気付いたのは、だいぶ後になってからです。この冊子を作った頃の僕はかなり疲れていて……地震に大雨に台風に、大変でしたね。状況的に、あらゆる面で「突貫」での制作でした。わりと最近になってから誤字に気付いて直したりもしました。
コピー本を作ろうとしたのは「刷ろうと思ったら気軽にいつでも刷れるもの」を作りたかったからなんですが、それはそれとして増刷は簡単だけどラクではないので基本的には再生産していません。
著・消極 『終影』 2019年
消極さんのツイートを集めた本です。「全人類にささげる新しき時代に残したい旧き言葉たちの影」という副題があり、本ではカバーを外したところにその副題が書かれています。
僕自身、消極さんのこういう本があったら嬉しいな、座右に置きたいなと考えていたので、消極さんに「こういう本はどうですか」と話を持ちかけて、制作させていただきました。僕が選んだツイート、消極さんご自身が選んだツイートの両方で構成されています。
消極さんのツイートなので、僕が書いたものでは当然ありませんが、これまでに僕が作った自主制作物のなかで最も自信を持って「いい本です」と言えるものであるのと同時に、僕独自のカラーを最も出せたものであるとも思っています。
この本を2019年5月というタイミングに発行できたのは本当にラッキーで僥倖でした。激動の時代を迎えていますが、そんな時代に残したい言葉ばかりです。
「物理版」と「電子版」の両方があります。物理版は文庫サイズで200ページです。
こういう感じで、200ページあります。
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この記事で紹介した4つの自主制作物のうち、僕だけの制作物である『よ』『坂道な気分』『けしゴムはんこの作り方』については、Boothから無料でダウンロードができるようにしています。
いずれも最初の頒布イベントの際には価格をつけて販売しました。それを買ってくださった方たちの存在や、あるいは頂いた感想などのおかげで「こういう活動をやっていてOKなんだ」と感じることができ、今日に至っています。
過去に作ったものの無料公開ができるというのは、それらを「過去」のものとし、固執することなく「これから」を考えることが出来ているからです。「これから」もがんばります、ありがとうございます。
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