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神宿る石・なにを伝えたいのだろう
雨の朝
川底が見え始めた鮎川には恵みの雨
流れに沿ってツバメが飛び交う
川水は少し増流している
いつものとおり鮎川に沿った遊歩道をのぼる
見慣れた流れの中に奇妙な石
少しぼやけたように見え拡大してみる
![](https://assets.st-note.com/img/1682918199582-dlp9k2pG0N.jpg?width=800)
口を開けて何かを訴えているのか
なにを伝えたいのか
今まで気づかなかった石だ
両目もある、鼻もある
![](https://assets.st-note.com/img/1682918572600-82m7QbBWHu.jpg?width=800)
ただの石ではない
神の宿る石だ
雨は止むことなく降りつづける
石は流れに身をまかせるだけだ
翌日の晴れた日、気になって石を見に行った
岩をもう一度撮ってみる
![](https://assets.st-note.com/img/1682919078494-QTUMqG4W0A.jpg?width=800)
口もとがしまっている
目がやさしい
昨日と石の表情が変わっている
昨日の雨に打たれながら何を伝えたかったのだろう
こんなことがあるのだろうか
奇妙なことだ
以前、東京の秋川や多摩川の河川敷で川石を集めている人がいた
石の中で仏様に似た石や人の顏に似た石を探しているといっていた
石や岩には人間の力では見出すことのできない魂の表情があり
石や岩は想像できない神の生命力が宿り、粛々と生き続けていると…
その時は、何をいっているのだ、この人は少しおかしい、と思っていたが
今は、そうではないような気がする
鮎川の川の石を見ながら
自然がなせる不可思議な現象だが、今その現象に洗脳されているようなモヤモヤとした気分になっている
雨に濡れたときと濡れていないときの現れの違いかもしれないが
川にも川石にも神が宿っているのだろう。
鮎川の南、埼玉県との境を流れる川は神流川(かんながわ)と呼ばれている
神流川の上流は日航ジャンボ機が墜落した御巣鷹山がある
奇妙な巡りあわせだが、上流を辿れば兄弟のような川だ
そのような縁(えにし)のある二つの川は、下流では利根川に合流する
川の石は原点ともいわれるそれぞれの川にもまれながら流れ下る
神の力は人間の生命力では推しはかることのできない未知の世界だ
鮎川に直面しながらブツブツ唱えながら
鮎川の神宿る石にいつの間にか手を合わしていた
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