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大苫航路 中編

 とりあえず前回の続きから。苫小牧港に着岸後、程なくして下船開始。初めての北海道への期待に胸を膨らませながら下船。しかし、降りてみると案外普通?みたいな感想。正直船の方が何倍も寒かったし港を待っているカラスというのも本土とはあまり変わらない感じ。まあこれからだ。

 行き先は苫小牧研究林と迷ったがウトナイ湖にいくことにした。理由は単純で、オジロワシが見られるから。苫小牧研究林でしか見られないものにクマゲラやエゾライチョウがあるが、幼い頃からの憧れであったワシ類のためにウトナイ湖にすると決めた。後は熊鈴を持ってなかったので森に行くのは少々怖いというのもあった(北海道である以上どこでも危険はあるが)。

 ということでタクシーでウトナイ湖のビジターセンターへ。短い時間の中で最低限の成果は出したかったのでとりあえずここを拠点にすることに。タクシーを降りてすぐ、本州でも聞き馴染みのある「ギャーギャー」という声が。ミヤマカケスだ。木の中で動いているのをみることができたが、撮影する間もなく森の奥へ飛んでいってしまった。しかし、この場所のポテンシャルを感じることができた。

 ネイチャーセンターにはいると、早速マガンの群れが目の前を飛んでいった。これが試される大地か…圧倒されつつ、ネイチャーセンター横の水場で鳥を待つ。早速ハシブトガラが飛んできてくれた。図鑑で見てみると大して変わらないように見えるけど、実際は割とちゃんと違うなという印象。コガラにはない頭の光沢が美しいな〜。そしてマヒワも出てきた。前日初認されたようでラッキーだった。去年は全然いなかったが今年はどうだろうか。

マガン
コブハクチョウ。ここの個体群は霞ヶ浦へ渡りをすることで有名かな。
ハシブトガラ
マヒワ雄成鳥

 この後はシマエナガやエゾアカゲラ、シロハラゴジュウカラあたりを探しに林へ行ったが、特に成果なし。エゾシカは見ることができた。かっこよかったな〜。その後、ガンを見にいってきた。基本的にマガンとオオヒシクイだが、ヒシクイも少数見ることができた。それにしてもガンが鳴きながらV字飛行してる様は最高。残していきたい風景の一つ。

マガン
オオヒシクイ

 ここからセンターに戻る途中にエゾアカゲラとエゾコゲラも見ることができた。

エゾアカゲラ
エゾコゲラ

 後はセンターでオジロワシとシマエナガを待つのみ。とりあえず閉館までは待つことにした。センター前ではノビタキがフライングキャッチをしていた。
 待つこと小一時間ほど。センターの閉館時間も迫っていた頃、センターの方が対岸の木にとまるオジロワシを発見してくださった。1.5キロはあろうかという距離だが、はじめて見るワシは格別だ。想像していた以上に嘴のインパクトが強い。スコープで夢中で観察していた。最高だった。

オジロワシ。成鳥だろうか。

 ということで初北海道の鳥見を終えた。シマエナガなど見れなかった種類も多かったが、初北海道、そして船の待ち時間にしては上等な成果だったのではないだろうか。そして船に乗り込み、ラグビーの日本対アルゼンチンを見た後に明日に備えて就寝した。続く。

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