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東京SG『もうひとつの江戸絵画 大津絵』展に行く。 2020.11.8

過去2回ほど滋賀県の大津絵美術館に立ち寄ってはみたが、2回とも休館の憂き目にあったので、まとめて見るのは今回初になる。

絵の中の鬼や座頭のゆるさ爆発、水中のタコのようにゆるい。

貧しい暮らしをしている村で皆がお金を出してまで伊勢講に行った代表者のお土産がコレだと『何で?』と疑問に思う所だ。仏画、風刺画いずれも売れたらしいが、宿場町のジョークが通じたのだろうか?『コレかよ!』と言われやしないかとても心配。

しかし後世になってから、そのゆる可愛さが明治蒐集家のハートをプリキュアっとキャッチ。こぞって蒐集を始めたらしい。今の80年代のファンシー土産みたいな扱いになるのだろうか? ファンシー土産も作られ売れた数に対して家には残っていない事が多い。

以前に 大津の三井寺に行った時も、円山応挙が逗留した際に描いたという『放屁合戦』(おならで戦う、おならで首が吹っ飛んだり)とかいうバカバカしさ満点の絵を描いていたから、ツンと澄ました京都の洛中の雰囲気とは違い、琵琶湖の周辺の街は湖ゆえの波の無さの【ゆるい磁場】があるのかも知れない。

表装がいつ付いたのかは分からないが、しゃっちょこだった掛け軸とは違い其々にゆるカワイイ。 


明治における蒐集家の方々は御存じ!柳先生と愉快な仲間達なのだが、美食&芸術家でお馴染みの魯山人先生も(柳先生とは微妙な関係らしい)大津絵を集めていたらしい。紙絵ではなく板張りの看板などとテイストが違う物を集めている。大津絵は絵的な価値が微妙なので、蒐集家が亡き後は(及び戦災、災害による被害)作品が散逸しやすく、今までよく綺麗な状態で残ったものだと思う。後評価の文化を趣味で未来に届ける蒐集家様には優しくせねばなるまいよ。 

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 しかしとて、大津絵の鬼シリーズ【行水、三味線、念仏】の行水の絵で雨雲に腰蓑を引っ掛けるという常人には思いつかないセンスが当然として継承されているのビックラチューよ。雨雲というより妖怪。何?コイツは風呂が終わるまで待って腰蓑ビショビショにして渡すのかい?それは嫌だなあ。

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