シンウルトラマン追記『人間が好きだから』
他の人の感想を見ても、なんとも腑に落ちないシンウルトラマンの『人間が好きだから』問題。
オレもクドいが、ウルトラマンが人間が好きだから命をかけて助けるというのは何度考えても納得が行かない。好きじゃなかったら助けないのか。
あの時シンジが子供を助けたのは当該の子供が好きという前提では無いし、例え悪人でも目の前で命の危機に晒されていたら身体が動くのも、好きという感情の選択結果ではない本能だろう。
意思があり生命を持つ存在が、他を尊ぶ行為が知性そのものであり、生物が進化する上で目指す到達点が”知性の獲得”であるなら、『他を尊重して共存する事』が進化目的であると個人的に思いたい。命をかけて他を尊重する行為に共鳴するのが、同じく進化を望む存在で、そこは好きという感情より上位の精神の血脈があると思う。
戦争や暴力や怪獣災害で、誰かの命の危機に瀕する状況に自分毎ではなくても怒りを覚えるのは本能で進化の敵が「知性を放棄させる暴力」だと分かっているからではないのだろうか。強過ぎる力、支配する力も暴力で、高い能力で生み出した兵器も知性ではない。だから変電所や核廃棄物施設を襲う禍威獣の知性があるのか無いのか気になった。
ウルトラマンが自分より力が弱く言葉も通じない人類を救おうとするのは、命をかけてまで他人を助けようとしたシンジの行為に、ウルトラマンの命が共鳴したと思いたいし、その熱量を感じたい。なんか「人間が好きだから」で命をかけるのというのは見てて納得がいかないのだ。てか、好きと言われた事を簡単に受け入れ過ぎじゃないのか。それと命は=にならないと思うがなあ…。まあ個人の感想ですが。