何でもないようなことを

帰宅すると買い物荷物をドカッとおろして
台所に立ちながら
大抵ブツブツ愚痴り始める赤毛ママ

ショックだあああ
バクチクの櫻井さんがステージ上で倒れて
亡くなったんやて
脳幹出血って
くも膜下出血より助からないやつやわ涙

怒）Siriがママの声に反応したじゃん
勝手に教えてくるよ
黙っててよ

え
何に反応したの
複数の因子
それとも脳幹出血？
あん！？そもそも論
なんでママが黙んなきゃいけないんだよ
おかしいだろ
シリを切ってよ
ママの話を聞けばいいんだよ

危うくママが黙るところだった
ママは黙らないからね
猿轡噛まされたって
喋ってやるー
だってやっと今日一日仕事を終えて
自分の好き勝手なこと喋れるってのにさ

飛んで火にいる夏の虫で
怒りモードの母親の話に相槌を打っているうちに
飛び火して
そういえば！就活どうしたの！とか
言い出すのがオチと分かっている
賢いわが娘らは
決して参戦してこず傍観者を決め込んでいる

全くも―
どいつもこいつもー
はひふへほでいいって
いつも言ってるじゃん
はあ、とか
ふうん、とか
へえ。とか
ほお。とか
それでいいのよコミニケーションなんてさ
その程度の愛情を提供してほしいわけよ！！！

とヒトリゴチッテルと
献立も混線してきて右脳と左脳がバラバラのものを食べたいと言い出すのか
気づいたらクリームシチューとマグロ丼が出来上がっていて
単品では悪くないのに
組み合わせると絶妙にまずくて
みんなで伝説の最マズメニューだねって笑ってしまった

そんな夜もあったねと思い出しながら

次女が珍しく高熱を出して
スワ我が家もついに通過儀礼がやってくるのかと構えたけど
ただの風邪でしょうと言われて
病院では8度を超えていた身体も
明日のイベント出店の準備で
遅く私が帰宅するるころには
七度にまで下がって

貰ってきた解熱剤飲んだほうがいい?って言うけど
熱ないのに下げたら体温なくなるワイ
飲まんでええと
結局プチっと一錠喉の炎症を抑えるお薬を飲んで
コンコンと小さく咳き込むのが聞こえなくなったと思うと
スウと寝息にかわって

その後は朝の5時
プウとオナラの音がして
身体が目覚めたことを目覚ましのように告げるとコンコンとまた小さな咳音がして

ああ
寝てる間に咳しなかったから
今日は良くなるだろうななんて思いながら
急いで朝ごはんの支度をして
今日は年に２度の商店会の歩行者天国まつりに施設で出店するため
朝の街へガニ股でチャリで急ぎ漕ぎだす

その日を実況中継
書き記してるうちに
夜を跨いでしまった文化の日に

勿論題名は
高橋ジョージさんの名曲ロードの一節より