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お土産の遺伝子

父がよくお土産を買ってきてくれる人だった
別に旅行に行ったとか出張とか
特別な理由はなくて
アップル・パイとか
外国の色鉛筆とか
アイスクリームとか

非日常というと大袈裟な
日常よりちょっとキラキラした
包を解くときにワクワクするようなもの

人は経験から多く学ぶのか
私も小さな贈り物を
理由もなくするのが好きで
画集や絵本、
缶入りのお菓子
焙煎したてのコーヒーや
香る紅茶葉
その人を思うときに
一緒に思い浮かんだものを
誕生日とかクリスマスとか関係なく手渡す笑

ここ大事なんだけど笑
特別に設えた日に特別なものを贈るのはダメ
仰々しすぎるし
既にそれが消費に組み込まれてる恐れがあるし
見返りを期待している可能性も高いし苦笑
無心から遠くなっているから

玄関のドアの新聞受けに
手折られたツツジの花がクタッと二輪
刺さっていたことがあるんだけど
娘らに聞いても
私はやっていませんって
否認するんだけど
うーん七人の小人さんが遊びに来てくれたのかしら笑
そういう発作的に思いつたみたいな
些細でお金なんかかかってなくて
でも人に向けられた何かが

尊いと

そう思う


次女も原宿に行けばキャラメルポップコーンを買って帰ってきて
いいのにお金あったの?
自分の好きなものを買えばよかったのにと
ああ、ありがとうと
タダ言って食べればよかったのに
小言みたいなこと言っちゃって後悔したけど

どこに出かけても
たい焼きだとか
スイートポテトとか
必ず小さなお土産を抱えて帰ってくる

長女はあんまり出掛けないんだけど
それでも出掛けると必ずお土産を買ってきてくれて
そのセレクトが
どこに行っても私の好きなものを買ってくるから
アロマティーとか
ドライフルーツとか
エエエどこに行ったんだろうなと
旅先の足跡一つ残らない笑

それもお土産はその人を思う気持ちの表れという
赤毛説を強力に支持するものだと
ペチャパイだけど鼻は高々

今日みたいに暑くなるなら
ムンバイやバンコク
シェムリアップの空の下に
今アタシはいるんだって
脳に言い聞かせることにしてる笑

麦わら帽子やタンクトップ
麻のシャツに竹のバングル
赤いペディキュア
小さな断片を身に纏って
あのときの自分を重ねて

持ち場はココ
水曜日の仕事に向かう







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