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そこにいないから つまりwherever you are

旅先で写真を一枚撮って
何故それを人に送るのか

決まってる

それはこの景色をあなたに見せたいから
そしてこの場所にあなたがいないから

代わりに目玉だけ貸して

今日一日一緒に景色を見よう

げー気持ち悪い?
目玉だってーって

そんな風に言うなや

ものの例えやんか

目玉の親父やないんやから
目玉一個貸されたって
お茶碗に入れて一緒に移動すればええんか?
いやそれは親父が風呂に入るときか?

普段は鬼太郎の肩にナウシカのテトみたいに肩に乗せとるんやったっけ?

そりゃ困るわ実際

けどね
祈りの景色に心打たれたとき
燃えるような夕焼けを見たとき
東の空が夕方に桃色に染まるのを不思議な気持ちで眺めるとき
夜空に冬の星座が輝くのを見つけたとき

そこにいない誰かに
この心の震えを消えないうちに伝えたいと
思うことはないんかな

そこに愛があるのなら

私がオー・ヘンリーなら小説を書いたろうし
私がバンプなら歌を作ったろうけれど

カクのはマスと恥くらい
歌うにも
書くにも
ちと足りない

言葉でなんか伝えられない
言葉で伝えられないから
ボクは歌うんだって

キャー素敵とドキンちゃんみたいに
目玉ハートになったまま
阿佐ヶ谷光荘で元夫と暮らし始めたけれど

次第に私は
それじゃあ足りないと
言葉を説明を求めるようになって
彼は歌わなくなってしまった

一緒に暮らすことはもうない
私達はそういうポジとネガだったから

けれど七回忌というか
時を経て新たな地平に自分が立てば
やっぱりまたまた彼らに歌う青い鳥に
惹かれて止まない自分に気づく

アッホやねん笑笑
やっぱり好きなんだなあ

てゆうか自分もそっち側なのに
無理してこっち河岸に踏みとどまったけど

彼岸を見て
ああこのままじゃ死んじゃうって
慌てて渡ってみたら
何のことはない
結構向こう岸に渡るのも簡単で
拍子抜けしてるんかな笑

ここにいないあなたを思って
今夜も書く


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