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令和とゴールデン街

紀伊國屋に本を探しに行って
Amazonで絶対あったと思うけど
探すって行為に意味があると思うから
体を移動させるって行為に
意味があると思うから
わざわざ行った

昔は図書館でも
まず渡りをつけて何冊か本を探して
自分が知りたいと思うことが書いてないか探して読んだんだけどな
ピンポイントでそれを確かめる事ができるなんて思ったこともないし
見当違いや、似て非なる明日使えない無駄知識を
詰め込むばかりで
そうやって知識と知識の円が重なるところを見つけて
確かめていったんだけどなあ

まあ安心してください
昭和ですけどね苦笑

Googleさんに打ち込むだけでビンゴって
驚異的で
ある意味自殺行為で
点と点ばっかり見つけてるけど
奇跡的に繋がっちゃって
点と点を線にすら繋げる必要すらなくて
スラーの点描画みたいに
点で世界を埋め尽くそうとしてんのかと思ってしまう

ああでもそうかも
ドットだもんね
スマホの画面って

なんてブツブツ脳内つぶやきながら
靖国通りを歩いて
花園神社境内に入る

新宿に来たら
紀伊國屋書店と
花園神社と
ゴールデン街は参拝スポットだ

もう夜に扉を開けることはないだろうけど
深夜プラス1
一歩
原子心母
なべさん
しの
20年前から変わらずそこに佇む店名に
よかった未だ現役だ
私もまだ生きてるぜって
同志にウインクするみたいにして
言葉は交わさずにテロテロ歩く

一番最初に友人に連れられてきたのは
福力一座さん 今はもうない
火事を出しちゃったから
八百屋お七みたいにあのエリアが全焼したかもしれないんだから
ご商売ができないのは無理からぬ話だけど
でもとってもいいお店だった
まだあったら、あそこだけは今でも行ってみたい
お酒とお客さんとマスターと音楽と交わされる会話が
ホント一期一会だった

あの店スタートだったから
ゴールデン街に好印象があるんだと思う

原子心母の看板をみて
風雪に耐えて随分と貫禄が出ちゃったなあ
私が行った頃はホルスタインの乳も
パンパンに漲ってたのになと思ったけど

なんのことはない
あの時は酔っ払ってて
二軒目三軒目
鳥目の千鳥足だったからだ

うらぶれた怪しげなディープスポットも
ブレードランナーのインチキ近未来都市というより
ポップな令和の外国人観光客向け
インスタ映えする界隈にリボーンして

カウンターだけの小さな店が
ごちゃごちゃヒシメイテはいるけど
往時の
知り合いに連れて行ってもらわないと
一見サンじゃちょっとねという
敷居の高さはもうなくて
ぼったくりババアも鬼籍に入ったのかなとちょっと寂しいけれど

インディーズがメジャーに売れていくのを
ライブハウスで見送るマスターのような複雑さ苦笑

自分だけが知っているヒミツ基地でいてほしいような

けれども
こうやって新旧が入れ替わっていくからこそ
街の新陳代謝が失われずに

不純異性交遊のメッカだけど笑
ある意味健全

廃墟に朽ちていくよりも






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