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話を聞くことから

ー次女)中学あがるまで、パパと離婚するまで、ママは学歴重視主義で、いい大学に行かないとダメって人だと思ってた。日大いいじゃんと言うと思わなかった。

ーイヤ。日藝は日大じゃない。独立国家、治外法権あるの、あそこは。日大であって日大じやないんだよ。特別なの。唯一無二。偏差値とは価値観が違うの。

ーそうなんだ。ホームページも日大のはダッサイんだけど、日藝のは別にあって、オサレなんだよね。

ーママも日藝とか、桑沢デザイン研究所とか、デジハリとか行きたかったなあ。偏差値に洗脳されてたから、思いつかなかったけど、絶対そっちに行ったほうが面白かったろうなって思うよ。

ーうん、ママにフランス語なんにも繋がってない。大学で何勉強してたの?

ーウ、ウン涙。いや、お恥ずかしい。親にも申し訳ない。

ー卒業生に、沢山映画監督がいた。でも、映画監督がみんな大学で映画専攻してるわけでもなかった。

ーそうだね。今やりたいと思う映像とか報道、表現って色んな道から入ることが出来るんじゃないかな。

ーママは、いい大学に行っていい会社に入いらないとダメって思ってるって、小学生の頃は思ってた。だから、ママのこともキライだった。だって私のこと、塾に入れたじゃない💢

ーいやあ、そればバランスだよね。パパがさ、ああいう人だったから、ママがしっかりしなくちゃって、イキリタッテただけでさ。ママは高学歴の低収入人生だし笑、メインストリートから外れて生きてそこで会った人や見聞きしたことに感謝してるし、別に学歴が幸せを意味するとはこれっぽっちも信じてないよ笑

それに、こう言ってはなんだけど、小学生の頃、かなり、いや、ちょっとお勉強に不安があるみたいだったからさ汗。

ー💢そんなことないよ💢成績は中の下くらいだったし💢

ーいや、お言葉を返すようですが、地元公立小学校で中の下はちとばかり、あの、心配が…ママ的には…

ー💢まあね💢全然勉強なんてしなかったしね💢

ーいいんだよ、それで。うん。小学生は友達がいて毎日暗くなるまで遊んだら。塾なんて行かなくてよかったかもね。うん。

ーでも、映画とって、生活できるのかなあ。日藝とか行ったら就職出来なくなるのかな。

ー捕らぬ狸の皮算用過ぎるよ。次の次の次の扉を開けた時の心配を、1枚目の扉の前に立ったところでしてるみたいだよ。

ーだって、パパを見てるから。イヤなんだ。そういう世界で食えなくて、辞めるの。

ウーン私で言動の悪影響だな。彼をそう否定したことで、子供らが夢に飛び込むのを躊躇させてる

ーそんなことないよ。やりたいことが見つからない人生より、一生かけて好きなことを追い続ける人生の方がカッコイイじゃない?最初から映画監督なんていないよ。みんな下積み、使いっ走りみたいなところから、きっと関わって行くんだよ。食えなくても、バイトして、やり続けるんだよ。いいじゃない、生きていければさ。

ーうち、お金あるの?大学受験料いっぱいかかっても大丈夫なの?


ーある。通帳みるか?入学してから卒業するまでの学費はもうあるって言ってるじゃない?

ーうん。でもシングル家庭ってみんな大変だっていうからなんでうちだけこんな違うのかなってグスン

ーいやあ。急に受験生になるわけじゃないやろ。生まれてから18年もあったんだから、その過程で手を打ってきただけのこと。ママもパパも、二人が生まれた時から教育に金がかかることは分かってたし、そこに惜しむつもりはなかったから、作戦たてて実行してきただけ。ローマは一日にしてならずや!

ーママ、またドヤッてるよ笑

子供というのは、というか他者は、話してみないと、思いもかけないことを心配していたり、そこにシコッテたのかということがあるもので、イチイチ面倒くさがらずに、聞いて、話してみないと分からないもんだと、改めて思う。わかったつもりになって、勝手にカテゴライズする人は、どんなにキレイなオブラート包んできても、ニオイで分かるもので、ああ私をそう思いたいんだな、確かにそういう面もあるけど、全部じゃないからねと、見えない釘を刺したくなる。



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