鉄板

その人にとって
テッパンというか
話してると高頻度でそこに収斂する話が
きっとあると思う

恋バナ、上司の悪口、バックパックの旅、世界革命etc.
内容は千差万別人によるだろうけど

元夫は話にドライブがかかって楽しくなってくると
大体イカ天でデビューしたバンドの話になって
録画したテレビ出演した時のVHSのビデオテープをゴソゴソだして
その時に披露したゲンコツが口の中に入るという
一発ギャグをその場でもやり始めてドヤるという笑

それから飲み過ぎ始めると
ラーメンで締めないと気が済まなくなって
もう絶対に入らないのに
無理やりラーメンを食べるって言って聞かなくなって
結局ゲロ吐いているのが
またかよって

メンドクサカッタ笑

今書くとどっちもどうでもよくて笑えるな

でもその当時は
そのネタそのものじゃなくて
繰り返される擦れ違いや意見が合わないことに
苛立っていて
分かり易いところで腹を立てていたんだと思う

またかよって

私は結構長期記憶が良いので
人の話をよく覚えていたりするので
またその話になったなということは
話し始めた初期の段階から気づいて
またかとちょっとうんざりすることが
実はあった

けれども
自分も死にそうになって
生きてるだけで儲けもん！！！と思ってからは
人が生きてすることに対して
ホンのすこおし謙虚になったんだと思う

話を聞く私の態度が表情が
打つ相槌が、
手指や肩の動きやしぐさが
きっと変わったんだと思う

本当にこの人は自分の話を今聞いている
そう思った時
人は

何十何百何千回と話してるテッパンのネタだって
実はまだ話していない伏線や、
その周りの状況や
その話の繋がる先のことがあって

それが語られることで

その話の全体像が意味合いが
一気に変わって見えることだってある。

ああ、そういう話だったんだね

ああ、知らなかった

ああ、あの時に秒で燕返しで質問しなくてよかった

ああ、ただの一問一答になっちゃったね
あの場で聞いてたら

ってことが多くて

話って殆どが
聞くんじゃなくて
自分の言いたいことばっかり主張して
ラリーに終始すると
会話の覇権争いみたくなってくるけど苦笑

質問したい
答えを聞きたい
確認したい
気持ちに猿轡をかませて笑
グッと堪えて聞き続けて
その人が語るに任せていると

その時ではないけれど
それは半年後の時もあるし
一年後のこともあるし
もしかしたら今際のキワかもしれないけど

そういうことだったのかと
シックリ胃の腑に落ちて収まりの良い
言葉で語られるのを

幾度となく目前じゃなくて
耳の前にすると

同じ話しか
聞き出せなかったのは
私の聞く態度の狭さで
その広がりに気づけなくって
残念なことをしたなあと思うけれど

それはその時々の自分のすることだから
まあ仕方ないねと
回収はしない苦笑