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見せないもの、見せたいもの

今夜はちょっと真面目に。いや、いつも真面目ですけど。さらに真面目に。笑。

うろ覚えで出典を記すことができないのだけど、20年近く前に子育てを始めた頃、宮崎駿さんが

僕の作った映像作品は小さいお子さんには見せないでください。それは動画は柔らかい脳に直接作用して余りにも刺激が強すぎるからです。お子さんには絵本や紙芝居、二次元の素材を使って物語の世界を見せて聞かせてあげてください。

というようなことをおっしゃっているのを見たか聞いたか読んだかして、強く衝撃を受け、天下の宮崎駿監督、制作者本人がそういうんだから間違いないだろう、確かに子供にテレビ見せると目をまん丸くして、画面に吸い込まれるんじゃないかってくらい見入ってるもんな。テレビに子守をさせると楽なんだけど、子どもの脳を犯しているとしたら取り返しがつかない。

と子育てにモーゼ級に天啓を受けたのを覚えている。(あ、因みに宗教は邦楽ロック、宗派はRADWIMPSの信徒です笑)

スマホ脳という本が流行ったみたいだけど、小さいころから子供にスマホを与えることのリスクは計り知れず、ビルゲイツの例を出さなくてもサンノゼ、シリコンバレー中枢でIT関連で働く人に限って自分の子供にはスマホをある年齢に達するまでは買い与えないそうだ。

あの小さな箱に、どれだけ人間の脳みそが支配されてしまうかを、サブリミナルどこの騒ぎじゃなくて合法的に洗脳されていしまうかを、作っている側の人間はよく知っているから。

ドヤるわけじゃないけど、子どもには毎月四冊配本される絵本を読み聞かせながら寝かせ、毎週末は選びたい放題だよ!とイミフに上から図書館にせっせと連れていき、図書カードは一人一枚笑、子供には紙芝居の入るデカいバックもくれる佳き時代で、限度額まで本を借りる日々。

懇願されて渋々買ったゲーム機も、家でやれるなら目が届くだろうしと、任天堂wiiで、ソフトもマリオくらいしか持ってなかった涙 

ポケモン好きな長女にとっても、バトルと言えばポケモンカードゲームで最強デッキを作る日々笑 DS買ってくれ~とか、switch買ってくれ~とひっくり返ったカブトムシみたいに、おもちゃ屋さんでセガマレタことはなかったけど笑

先の宮崎先生のありがたいお言葉を錦の御旗に、トトロやナウシカで有名なあの宮崎駿先生が、やめておきなさいと言ったのだから、ママだってそうしないわけにはいかないよ。大きくなって、自分のお金と判断で買えるようになってもまだ欲しかったら、自分のお金で買ってね。時間は有限だからね、ゲームに時間取られるってことは、ほかに何かをする時間を失くすってことだからね、何を失くすのかよく考えてみてね。

と、スマホが欲しい~みんな持ってる~なんでウチだけ~とせがまれるときには先生のお名前を出して説明していた。ママが言ってるんじゃないのというとかなり説得力があった(んじゃないかな笑)

少し前には炭次郎の市松模様のマスクをつけた小さい男の子もよく見かけた。孫、子供、祖父母の三世代が一緒に楽しめる作品という評価もあった。でも、あれだけ人が死んだり、血が流れたり、暴力や残酷なシーンを心に何の防御もない幼い瞳でみてよいものなのだろうかと疑問があるけど、あれだけブームになったんだから、そんなこと言う方が圧倒的に少数で変なのよね、きっと。

とかなんとかいって、トトロとか、絶対幼児に向けて作っていますよねと思わないでもないのだけど笑 私の記憶が混線しているのかもしれないのだけど、何を見せるかと同じくらい、何を見せないかという価値判断もまた大人に必要なのではないかと思う。

多分、あまりに強烈な映像の世界には想像力の入り込む余地がなくて、一つのシーンからは一つのメッセージしか受け取ることができない。その危険性を宮崎監督はおっしゃっていたんじゃないかと思う。

文字でできた本の世界は違う。行間にその人のアバターを住まわせることができるし、文字起こしして、頭の中で自分で画像を構築する作業をして初めて、自分の中で物語が動き始める。同じ物語を読んでも、だれに感情移入するかによって、幾通りも読み取ることができる。

拝啓、宮崎先生、あの時のあの言葉そういうことであってますか?




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