シソンヌを観た後

なんとなくYouTubeでシソンヌの「別れ」というコントをみた。これが本当にすごかった。「それを観る前と観た後では、見える世界が違う」という映画や本に、年に何個か出会うのだが、まさしくそれであった。

妹を亡くした兄(じろう)とその従兄弟(長谷川)が葬式でスピーチをするという設定。笑いと哀しみという対極にありそうなものが、2人の演技によって表裏一体のものとなり、自由に行き来している感じだった。これまで、「設定が秀逸なコント」や「ワード・フレーズが面白いコント」を色々観たことがあったが、シソンヌのコトンは「演技」や「空気感」で観る者の感情に語りかけてくるようだった。

兄(じろう)は、バカみたいなテンションじゃないと何も話せなかったんだろうかと思うと、コント上では「ボケ」であるはずの振る舞いが、すごく切なく、やるせないものに見えた。チャップリンや寅さんがおどけたときと似たような気持ちになった。従兄弟(長谷川)は前半よくあるコントのようにツッコんでいたが、後半はツッコむことをやめる。その展開もすごくよかった。

コントって色々あるんだなぁ。面白い!!

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