幼児向けお話 なかまたち 第五十八話 「友達」

ドック君が公園で一人でしょげていました。
そこにラビット君とキャット君がやって来ました。
ドック君に理由を聞くと、ウルフ君と言い争いになったと言いました。
キャット君は「あんな意地悪な奴は、ほっとけばいいんだよ。無視しちゃえよ」
「僕の魔法でこらしめてやろうか?」「カエルに変えちゃう?」と言いました。
ラビット君は「誰も初めから悪い人はいないよ。話しあえばわかり合えるから」
「ゆっくりとちゃんと話してみたら?誤解してるだけかも」と言いました。
キャット君は「わかりあうことなんてないよ、みんなでやっけようよ」と言いました。
ラビット君は「みんな同じ人間、同じ仲間だろ。争っちゃいけないよ」と言いました。

*君ならどうする? 難しいよ。

ドック君は自分の為に、真剣に考えてくれて、色々と言ってくれる友達が
いることに嬉しくなりました。
「ありがとう!みんな」とドック君は言いました。
ドック君は少し元気になり、どうすればいいか考え出しました。
「どうしたらいいかわからないよぉ~」とドック君が言いました。
そこにラビット爺さんがやって来ました。
「話は全て聞いた」そして目を閉じてゆっくりと話し出しました。
「この世の中には無理して結論を出す必要のないこともある」
「無理するからくたびれる。成り行きまかせでいいんじゃないか」
「ただ人を憎んだり、見下したり、さげすんだりしてはいけない」
「そう思う心は必ず相手に伝わる。自然体が一番」と言いました。
「わかったよ。ラビット爺さんありがとう。もう考えないよ!」
「色々と考えるのは飽きた」とドック君は言いました。

#ドック君は秋田犬ではありません

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