幼児向けお話 なかまたち 第五十九話 「大切な宝物」

今日はドック君のお家にラビット君とキャット君が遊びにきました。
ドック君は二人に宝物のスーパーボールのコレクションを見せました。
箱に綺麗に仕切られていて入っていました。
二人とも見てびっくりしました。「綺麗だね」と二人は声を合わせて言いました。
夕方に二人は帰っていきました。
夜、宝物のスーパーボールを見ると一個ありません。
無くなっているのはお父さんから借りている一番のお気に入りでした。
「どしようぉ~」ドック君は半べそ状態。
そこにお父さんが帰ってきました。「ただいま」
「ドック君、久しぶりに宝物を見せて」とお父さんは言いました。
「無理!」ドック君は言いました。
不思議に思ったお父さんはゆっくりとドック君と話をしました。
そして二人でスーパーボールを探しました。しかし見つかりません。
その頃、キャット君はお家で綺麗なスーパーボールをながめていました。
それは、ドック君の大事なスーパーボールでした。
次の日、三人は公園で遊びました。その時、ドック君はスーパーボールの
話を二人にしました。ラビット君は心配そうにドック君の話を聞いていました。
キャット君はどうしよう思いながらドック君の話を聞いていました。
キャット君は家に帰ってからスーパーボールをながめていました。
「どうしよう」と悩みだしました。
そして、ここにスーパーボールがあるから悩むんだと思い、
スーパーボールを近くの川に捨てました。
「あーすっきり!これで悩まなくていいやぁ」と考えて家に帰りました。
その日の晩、キャット君はスーパーボールがどうなったか気になって
眠られませんでした。次の日の朝、キャット君に相談しに行きました。
ラビット君はキャット君に魔法でスーパーボールを川から拾い出し
ドックに返すように言いました。
「あっ!その手があったか!」とキャット君は喜び、魔法の呪文を唱えました。
するとあら不思議。スーパーボールはもとの宝箱の中に戻りました。
「いちばん大事なことを忘れないでね」とラビット君が最後に言いました。
「うん!わかっている」とキャット君が言いました。
元気のないドック君がふと宝箱をみるとスーパーボールが戻っているのを見つけ
大喜び。宝箱をもって公園に行きました。
「二人ともいたいた!スーパーボールがあったよ」とドック君が言いました。
「ごめんドック君」とキャット君がゆっくり話し出しました。
キャット君の話しが終わると、
ドック君は「正直に言ってくれてありがとう」
「でも許してあげない」と言いました。
キャット君は「どうすれば許してくれる」と聞きました。
ドック君は笑いながら「どぶくさいスーパーボールを洗ったら許してあげる」と
言いました。キャット君はスーパーボールを綺麗に洗いました。
そしてドック君はキャット君を許してあげました。

#いくら欲しくても人のものはとらない 。とると大切な宝物を失う

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