幼児向けお話 なかまたち 第二十話 「母の夜なべ」

夜にドック君のお母さんは明日の幼稚園の準備をしていました。
すると手袋がありません。お母さんはドック君に手袋は何処かと尋ねました。
ドック君は知らないと答えました。お母さんは探しなさいと言いました。
ドック君がいくら探しても見つかりません。
そのうち怒りながらお母さんも探し出しました。
しかし、手袋は見つかりません。明日は幼稚園で雪合戦。手袋がないと困ります。
買いに行こうにも、もうお店は閉まっています。
ドック君は「手袋がないと明日の雪合戦ができないよぉ~」と悲しい声で言いました。
お母さんは怒りながら「知りません。あなたが無くしたのでしょう」と言いました。
ドック君は泣き出してそのまま眠ってしまいました。
お母さんは仕方がないので手袋を編み出しました。
夜遅くにドック君は目を覚ましました。茶の間に電気がついているので覗いてみると
お母さんが手袋を作っていました。後ろからお父さんがやってきて言いました。
「お母さんはいつも子供達の為に頑張っているんだよ」
ドック君は手袋を無くして本当に悪いと思いました。
朝、お母さんが新しい手袋をくれました。
お母さんは「もうなくさないでね」と言いました。
ドック君は「ありがとう。お母さん大好きと言いました」
ドック君が楽しく雪合戦している頃、お母さんは買い物に出かけました。
買い物かごの中に、無くしたドック君の手袋を見つけました。
お母さんはドック君から手袋を預かったことを思い出しました。
お母さんはその日、子供達の為にケーキを買って帰りました。
ドック君が「どうして今日はケーキがあるの?」と聞くと
お母さんは「大好きって言ってくれたお礼よ」と言いました。
その日の晩、お母さんは無くした手袋の糸をほどいて証拠隠滅を図りました。

#すぐに怒らない 。間違えだったら恥かしい。七たび探して人を疑え

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