G線上の魔王 プレイ後感想

あかべえそふと2様より2008年に発売された、G線上の魔王というゲームをクリアしたので感想を書いていこうと思います。1人のヒロインを除く全てのルートは一応クリアしました。

このゲーム、ストーリーをものすごく簡略化すると「魔王」という犯罪者を宇佐美ハルというメインヒロインの女の子が追いかけていて、その過程でハルの周囲の各ヒロインや主人公が事件に巻き込まれていく…という構図になってます。ハルというヒロインのルートに入らないと、事件の真相に迫らなかったりそもそも次の章に進めなかったりするんですよね。自分はこのことを知らなかったため、ヒロインを1人残したままハルを攻略してしまったんですよね。メインヒロインだけあってとてもシナリオに力が入っていて…あれを見たら改めて他のヒロインを攻略する気にはなかなかなれませんでした。

とはいえ、他のヒロインの話がつまらないなんてことはなく、めちゃくちゃ面白いです。例えば、下の写真はヒロインの女の子が一見おしゃれしている微笑ましい写真に見えます。ですがこのヒロインの家族は家の立ち退きを迫られていて、家庭内はやや荒れています。連日のようにヤの者や明らかにカタギじゃなさそうな人達が家に押し寄せ、プレッシャーをかけていきます。

彼女は、普段は自分のしたいことも我慢して家の手伝いをするようなタイプでした。しかし心理的な重圧に耐えきれず、普段しないような格好をしている…という写真なのです。いつもは黙っていても家の手作いをしている彼女が、連日のように遊びに出かけて行きます。しかもその様子があんまり楽しそうじゃなさそうなんですよね…純真だった女の子が少しずつ壊れていく様子がとても丁寧に描写されていて、怖かったです…

この家の立ち退きという事件の背景には、このゲームの黒幕である「魔王」が大きく関係しています。ヒロインの心が不安定になってしまったのも「魔王」の巧みな策略によるものです。この「魔王」とハルの心理戦がこの作品の醍醐味でもあります。このようにヒロインの心に陰りが見える時に「悪魔が宿る」という表現が使われているのですが、「魔」がかかっていてとてもうまいと感じました。

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細かいところで言うとメインヒロインの役を演じたかわしまりのさんの演技がとても素晴らしかったです。「すばひび」をプレイした時にも感じたのですが、この方は掴みどころのないキャラクターを演じるのが本当に上手いですよね。シリアスとギャグのスイッチを瞬時に切り替えると言うか…調べてみたらとてもベテランの方らしくて、流石だと感じました。

このゲーム、おすすめのノベルゲームで調べてみたらまず名前が上がるくらいには名作として知られているらしいです。その名に恥じず、とても刺激的な作品でした。タイトルもこれしかない!といった感じでとても秀逸です。

とくに5章〜最終章の展開は凄まじいですね。音楽の使い方が神がかってました。強いて言えば、ちょっと人によっては重苦しい展開が続くなぁと感じるかもしれません。シリアスな展開に抵抗が無い方であれば、是非プレイして欲しいです。

やっぱり、どのジャンルにおいても名作は触れ得ですね…

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