未来ラジオと人工鳩 プレイ後感想

Laplacian様より2018年に発売された「未来ラジオと人工鳩」を全ルート&おまけシナリオまでクリアしたので感想を書いていこうと思います。

まず自分はこのゲームの世界観に惹かれて購入を決めました。この世界では「人工鳩」と呼ばれる、見た目は普通の鳩なのですが中身は通信インフラを全て担っているという超性能の鳩が空を支配していました。ところが、2045年に人口鳩が電波喰いと呼ばれる、他の機械の電波を食らってしまう謎の現象を起こし始め、その影響で大きな飛行機の墜落事故が起き、主人公は両親を亡くしてしまいます。電波喰いの影響でスマホや電話などで気軽に他者とつながることができなくなった世界。

そんな現状を憂い、主人公はやっとの思いでラジオを完成させます。電気屋さんの子供である友人からもらったパーツをもとに組み立てられたこのラジオだけは、なぜか鳩が電波を食わないのです。しかし、ある日主人公はこのラジオから3週間後に自分が死ぬという放送が流れてくるのを耳にします。自分が死ぬという未来を変えるために主人公は奔走する…というストーリーです。

この、近い未来にありえそうな、妙にリアリティのある設定に惹かれました。電波喰いにより科学技術の進歩が止まってしまっているという設定なので、作品に登場してくるものが現代のものであっても、さほど違和感なく受け止められました。

ゲームを進めていくうちにラジオ放送が人工鳩を倒すことにつながっているということが分かった後は、ラジオを量産しより多くの人に聞いてもらうために奔走することになるのですが、ここの展開が読んでいて最高に楽しかったです。主人公の年齢は大学生なのですが、妹や友達、学校の教授たちとあれこれ話し合いながらラジオを生産し、放送していく流れはさながら高校の部活を思い出しました。とあるヒロインの個別ルートでは部屋に泊まり込みながら二人で放送することもあり、状況が目に浮かぶようでした。

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(こういう雰囲気良いですよね。青春って感じ)

そしてこのゲーム本当にテンポがいいんですよね。Laplacian様の作品はどぎつい下ネタが有名ですが、それもテンポの良さに一役買ってたりします。どのキャラも相手のことを思いやって行動しているので理解しにくい行動とかもなく、会話の掛け合いの面白さを素直に楽しめます。自分が一番好きなヒロインは自分の可愛さを自覚していて、他人に褒められても卑下したりはせず、自分をきちんと肯定している子なのですが見ていて本当に気持ちがいいです。こんないい子をうみだしてくれて本当にありがとうと言いたいです。

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(髪の毛一部分だけ縛ってるのがえっちすぎませんか?)

気になった点もあります。ストーリー進行上仕方のないことではあるのですが、選ぶヒロインによっては伏線や世界観の説明が十分にされないまま物語が終わってしまいます。また共通ルートが終わってから各ヒロインの個別ルートという流れになるのですが、この個別ルートがちょっと物足りない気がしました。もっとキャラ同士の掛け合いが見てみたかったです…

とはいえCGはクリア後にもずっと眺めていたくなるほど素晴らしいものでしたし、サントラCDが付属しているのもありがたかったです。OPは何度見てもウルっと来てしまいます。

下ネタに寛容的で、SFチックな世界観が好きな人には誰でもお勧めできる作品です。グッズも買いたいのにどこを探しても見つからないのだけが心残りです。

Laplacian様は(一度発売延期しましたが)今年の6/26に「白昼夢の青写真」という新作を発売します。予約特典なんかも逃したら手に入らないかもなので、気になる人は是非。


このゲームジャケットが美しすぎる…

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