ぬきたし　プレイ後感想

2018年にQruppo社様より発売された話題作、「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳（わたし）はどうすりゃいいですか？」を本日完走いたしました。その感想を書いていきたいと思います。ジャンルとしては、ビッチなんかに絶対に負けたりしないスタイリッシュ逃亡＆バトルADVらしいです。　

主人公・橘淳之介とその妹である麻紗音が4月に引っ越してきた、青藍島。その島は、その名の通り深い藍色をした海とビーチがよく映える一見すると自然豊かな穏やかな島です。しかし、その島は「ドスケベ条例」というまじでヤベー条例と自然をウリにした観光産業によって成り立っていました。ドスケベ条例というのは、体調が悪い時や行為を行う相手が”性人”に達していない場合という一部例外を除き、基本的に誘われたら事に応じなければならないという、それこそ中二男子が二秒で考え付いたような条例です。

島を治める県知事、仁浦は各所に金をばらまくことと、同調圧力を意識した学校教育を行うことで、この条例を維持していました。そのため島の大部分の人々はこの条例に違和感を持っておらず、むしろ島を活気づけてくれた仁浦知事を英雄視しています。しかし、どんな場所でもマイノリティの人たちは存在するものです。この作品におけるマイノリティの人々とは、様々な理由で性行為を行いたくない、あるいはできない人たちです。

例えば、主人公である淳之介は、幼少のころ自分のイチモツが同年代の子供たちと比べてはるかに大きいという理由でいじめられたことや、昔世話を焼いてくれた女性が裏風俗に勤めていたという理由で迫害され死に追いやられていたというトラウマを抱えています。このせいで青藍島の人々、ドスケベ条例の存在自体に強い憎しみを抱いています。

妹である麻紗音は同性愛者であるという秘密を抱えています。しかしセックスをしないものは悪であるとみなされてしまう島では、同性愛など御法度です。そのため学校でいじめられてきたというつらい過去を持ちます。

淳之介はこのような同じ境遇の人々を束ね、NLNS（No love、No sex）という反交尾勢力を立ち上げます。学校では性行為の授業なども平気で行われているため、皆で力を合わせないことには安全に下校することもままなりません。そのため、主な目的は全員が安全に帰宅することになります。

しかしそれでは根本的な解決には至りません。いつものように逃走劇を繰り広げていたとある日に、事態は動き出します。偶然にも怪しげな基地に逃げ込んでしまったのです。そこで老人から、「ある少女を探し出せ、さすればドスケベ条例は必ずや崩壊するであろう」と語りかけられます。本当にそんな人物が存在するか怪しむ淳之介。ですが、とっかかりを得られたのは事実です。淳之介たちNLNSはドスケベ条例崩壊という悲願のため、少女の捜索に乗り出します。

ここまでは共通の流れで、どのようにしてドスケベ条例をつぶすか、あるいは向き合っていくかはプレイヤーがどのルートを選択するかによって大きく変わります。この点がとても楽しかったです。各ヒロインの特徴、長所に焦点が大きく当てられ、淳之介たちが奮闘する様は非常に読みごたえがあります。

なんていうか、単純に戦闘シーンがめちゃくちゃ燃えるんですよね。持ち物検査に引っかからないために戦闘用アイテムをアダルトグッズに模してるところとかマジで面白いです。（アダルトグッズ以外の持ち込みは学校では禁止されています。）そういう、今の私たちの常識では考えられないような境遇で淳之介たちが大真面目に戦っている、足掻いているさまがマジで良かったです。

あと、この作品は性的志向を題材に取り扱っているので、敵との言葉の掛け合いがとても考えさせられます。ドスケベ条例は曲がりなりにも多額のお金を生み出しているので、それを運営する企業、その下請けとなる学生団体も存在します。早い話が、淳之介たちがドスケベ条例をつぶすことに成功すると、学生団体の中で企業からお金をもらっている子たちは生活に支障をきたしてしまうわけです。淳之介たちは自分たちが正義だと信じて戦っている（そう考えでもしないとレジスタンス活動など続けられないから当然ではあります）一方、ドスケベ条例のおかげで職にあずかれている人々にとっては淳之介たちは立派な悪役です。そういった立場の違いや性行為に関するとらえ方の違いもあり、敵との問答には強く心を打つものもありました。そういった艱難辛苦の果てに、グランドルートではまさに大団円という結末が待っています。この作品は共通各個別グランドまで常にエンジンフルスロットルですが、是非購入したからにはグランドルートまで見てもらいたいものです。

ごちゃごちゃと書いてきましたが、かなりクセの強い作品であることには間違いないです。とりあえず、公式さんがボツシナリオをYouTubeに挙げてくださってるので、それを見ればこの作品の空気感は確かめられると思います。とりあえずワイは今日ぬきたし2買ってきたのでそれやります。最後まで読んでいただきありがとうございました。