15.Devil(悪魔)

本能的欲望・無知故の過ち・絶望・誘惑

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「死(Death)」に次ぐ、タロットにおけるマイナスイメージの代表格のアルカナのひとつが「悪魔」のカードです。並びはともかく、この絵面が出た瞬間苦笑いしてしまう人が多いのも仕方がないですね…。良い予感を感じさせてくれるシンボルは何も見当たりません。中央に堂々と鎮座する悪魔は力を象徴する右手を掲げ、二人の獣化しつつある男女を鎖で繋いで支配しているようです。

元々、タロットの原型であるカードには「悪魔」や、同じく不吉なメッセージを持つ「塔(Tower)」は存在しなかったとされています。なぜ途中からこれらのカードが出現したのかは諸説あり、今も議論されるところであるようです。(貴族が使う手描きのタロットが作られる以前に、それの元となるカードデッキが存在していたため、そこから不吉なカードをあらかじめ抜き取っていたなど)

ともかく、イメージの原型としてはキリスト教的サタンの印象がわかりやすいでしょう。

彼らは神を信仰する形而上学を否定し、具体的なものしか信用しない物質主義者であり、(すなわち、化学信仰者でもあると考えられます)神秘主義を徹底的に否定します。そして人間から夢を見る希望を奪い、現実の闇に束縛する存在です。

よって、無知(視野狭窄)、ある身を滅ぼすような思想への誘惑、動物的本能への帰化、暴徒化などがイメージとして繋がってきます。

動物のように本能に任せ、ワガママに自由奔放に振る舞う時、まるで自由になったような気分を味わえるかもしれませんが、結局のところそれは悪魔の持つ鎖で繋がれて、けだものとして飼育されている犬に成り下がったに過ぎないのです。

いつから自分は人間性、理性を捨ててしまったのだろう?と考えるきっかけが必要な時、このカードは現れるようです。また、リバースも読み解くのであれば、その支配力は弱まりつつあるか、今強化されつつあるかのどちらかでしょう。今のうちに自分を支配しつつある鎖を解くチャンスでもあります。

自分自身の理性を保つためにはやはりそれなりの根拠、理由が必要なもので、それが精神的強さとなります。自暴自棄になってしまってからでは、失ったものは戻りません。そこから絶望し、クスリや非行に走って転落人生が始まることだってあり得ます。

また、「塔(Towor)」が同時に出現した際は、大抵の場合最悪の結果が予想されるでしょう。あなたが行った行為の全ては、はねっかえりとして全て精算する羽目になると言うことです。それに対して責任を持ち切ることができれば、あなたは立派な人間として成長したということです。

そして、恋愛占いで理想の恋人のところにこのカードが割と現れやすい傾向がなぜか強く、その場合相手との関係を続けることはあまりお勧めしていません。(出会いも大抵は初対面からの一目惚れであり、良い結果になった報告も聞きません)何か、物質的欲求のためにその人を利用しようとしている人が言い寄っている現実を表していると思われます。

ユング心理学においては、これらは「シャドウの顕現」としてみなされ、個人が向き合わねばならない、自分自身が秘めた闇の衝動であるとされています。欲望に溺れてしまう失敗を犯す、それもまた自分であるが、それを選択しないという強さを得るには、強くある理由を見つけなければならないでしょう。

このへんはペルソナ3以降を遊んだ人たちの方がおそらく詳しいと思われますので、興味があったらファンの人にたずねるなり、自分で遊ばれてはいかがでしょうか?


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