17.Star(星)

希望・湧き上がる愛情・インスピレーション

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大アルカナには「星」「月」「太陽」と三つの天体が存在します。ナンバーが光の強さ順であるため、元々カードゲームであった所以であるともいわれますが、現在の解釈では「月(The Moon)」のみがなぜかネガティブな側面を持つ天体となっています。夜を表す星と月は双方とも水と強い関連付けがなされ、両方とも女神が描かれ小アルカナの「杯」とも繋がりが見出されます。

女神は両の手に水瓶を持ち、その両方から水を無限に流し、その水が生命を育んでいるかのように見える構図です。この場合の水は「無条件に無限に沸き起こる愛情」を表し、それを惜しみなく外の世界へ差し出している象徴であるようです。

「星」のカードはラッキーカードとしても知られ、基本的には良いことの前兆として現れます。暗闇の中に見いだされるわずかな光が、まさしく苦難の現状から救い出してくれる導きの光として解釈されるようです。また、それがアイデアを模索し苦悶する創作活動家には良いインスピレーションとして表現されます。

突然沸き起こる希望、ひらめき、恐れの克服が主な意味として解釈されます。

この「突然沸き起こる」がミソで、結局のところ一時的な感情の波に過ぎないという一面があり、そこから更に良い方向に向かっていけるかどうかは自分次第であるということでもあります。特に後ろ盾がなくとも自信が湧き上がってきたり、行動力がついたりする瞬間のアレですね。その瞬間を無駄にしないように気を付けていなければ、おそらくまた元の暗闇に落ちるということでもあります。

真反対の意味を持つものとしては「悪魔(Devil)」であり、互いに希望と絶望、期待と悲観、純粋と不純の対立を表しています。両方が場に現れた時は、そのどちらが後に来るかが重要になるでしょう。

また、同じ天体の「月(The Moon)」との相性も良くなく、安心できる日常から暗闇に引き摺り込むような邪魔立てが入る予感を与えます。

星のカードは引けば良いというものではなく、その時に得たものをどれだけ長期的に活かせるかが重要なのではないかと感じます。


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