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孤独な人々 ~パーソナリティ障害とその対応法~

はじめに

 パーソナリティ障害とは、親や周囲の環境に著しい偏りがあり、そのために生じる性格的偏見、また、それを理解してもらえない淋しさから来る苦しみのことである。インターネットというものが発達した現代、親も様々なことを学び、生育環境の偏りはますます少なくなったと言ってよい。しかしそれでも、価値観が偏って育てられた人という者はいる。毒親自体を変えることはできないし、インターネットに触る頃にはもう価値観は出来上がってしまっている者も多い。本人や周囲が苦痛を感じていないなら良いが、基本的にパーソナリティ障害はうつ病や統合失調症になりやすいと言われている。それは偏った思考回路による、脳内バランスの乱れによるものとされている。
 ひとつ声を大にして言いたいのは、パーソナリティ障害は本人の罪ではないという事である。「罪を憎んで人を憎まず」という言葉があるがまさにそれであり、生まれた場所の問題であって、もしかしたらあなたがパーソナリティ障害になっていた可能性だってあるのだ。しかし世の中は、パーソナリティ障害にやたら厳しい。これから、パーソナリティ障害への接し方を書くので、心して実践していただきたい。 
どんな人がパーソナリティ障害?
 パーソナリティ障害の判別は、割合簡単である。やたら勘違いしたり、やたら勘繰ってきたり、深読みしたり、変に同情的であったり、過剰に怖がりだったり、秘密主義だったり、自己完結気味だったり、やたら馴れ馴れしかったり、サイコパスだったり。とにかく「普通」「自然」に振る舞うことができない人達のことである。なぜできないのかと言うと、本人が「普通の価値観」ではないからだ。そのことに過剰に恐怖し、人と距離を取ることも多い。通称「コミュ障」と呼ばれるものである。
 ちなみに「発達障害」や「スキゾタイパル」は「コミュ障ではない」とよく言われるが、私は同じものだと考えている。生まれつきコミュ障か、後天的なコミュ障か、そして、コミュ障の種類の違いである。現に、後天的に発達障害のような症状になるパーソナリティ障害というのもあるのだ。 

理解してもらえない苦しさ

 パーソナリティ障害には二種類あると述べた。一つは典型的かつ単純なパーソナリティ障害で、思考の偏りが主な症状である。自己肯定が物凄く高いとか、低いとか、対人恐怖症とか、色々な「人格の偏り」がある。ちなみに発達障害やスキゾタイパルも、パーソナリティ障害、つまり環境要因も多少あると言われている。だから、同じように発達障害に生まれても、育て方で発達障害は緩和することもあるということだ。
 ここで大切なのは、そのような偏りは「治らない」のである。何せ、三歳四歳の頃の記憶であり、自己を形成する基軸であり、言ってみれば「物心」そのものなのだ。治すには物心そのものを消さなければならない。
 そう、「言っても意味がない」ことなのである。と言うより、逆効果なのだ。それを薄々分かっている人もいるのではないか。自信のない人を励ましても、「お世辞はやめて」と言われるだけで、むしろ逆効果なのだ。
「むしろ逆効果」。ここが大切だ。パーソナリティ障害に関しては、「否定しない」ことが何よりも大切である。逆上されないための自衛にもなるし、相手の人格がますます酷くなるだけなのだ。「パーソナリティ障害は治らない」。これが鉄則である。
 さて、パーソナリティ障害のもうひとつのタイプは、「理解されない」と嘆いているタイプである。彼らは単純なパーソナリティ障害と違い、様々な糾弾を受け続けてきたタイプである。パーソナリティ障害はいくら糾弾されても、それが完治することはなく、「なぜ、理解してもらえないのか」「どうせ誰からも理解されない」「どうせマイノリティなんだ」「孤独だ」と落ち込んでしまうだけなのだ。だから、パーソナリティ障害を批判してはならない。批判が許されるのは、せいぜい幼稚園程度である。
 彼らは自分が偏りを持つことをことさらコンプレックスに思っており、いつも周囲を恐れながら生きている。「一般人」に溶け込めている人もいれば、やりすぎなほど仰々しく隠している人もいる。「偏り」が、さらなる「偏り」を生んでしまっている、かなり悲惨な精神状況である。もし、例え一般人に成りすましていても、それは「仮面」に過ぎない。いつだって孤独な自分を内に秘めており、そのストレスたるや、常人には計り知れない。
 以上の事で、お分かりいただけたと思うが、パーソナリティ障害に「否定」は禁句なのである。それはより溝を深くするだけなのだ。男に、「なんで女じゃないんだよ。女になれよ」と言っているのと同じことである。安易なアイデンティティの否定は避けるべきだ。望む事なら、そういう人だと割り切ることが大切で、どうしても組織に不利益が生じるのであれば、穏便に退出してもらうしかない。パーソナリティ障害は不治の病である。これを忘れてはならない。
 但し、ひとつだけ、パーソナリティ障害を緩和させる魔法がある。これについては次章で説明しよう。

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