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‪「第四回山奥で同人即売会」レポート in中辺路町近露

はじめまして。あるいは、お世話になっております。やしま佐次郎(すけじろう)です。
漫画を描いたり、旅をしたりして生きています。普段は和歌山の歴史や民俗に関する創作をしつつ日々を過ごしています。

2024年8月25日(日)、和歌山県の田辺市中辺路町近露にある‪「N.S.カフェ」さんで行われた‪「第四回山奥で同人即売会」に参加してまいりました。備忘録も兼ねて、レポートしたく思います。


「山奥で同人即売会」


同人即売会とは何か?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。簡単にいえば、個人(あるいはグループ)で作った漫画や小説、グッズなどを頒布するイベントです。
夏休み、年末に行われる‪「コミックマーケット」が有名な例ですね。サークル(頒布側)参加者、一般(買う側)参加者の両方から作り上げるイベントです。
そんな即売会が和歌山県の中辺路で行われるというのです。しかももう第四回。毎年、2月と8月に定期開催されているとのこと。

そして開催場所、「中辺路」がどういうところか。
土地勘のない方にご説明しますと、和歌山県の南部かつ山地にある場所です。
世界遺産‪「紀伊山地の霊場と参詣道」、通称‪「熊野古道」のメインルートである‪「中辺路」が通る場所です。
この即売会は‪「山奥で同人即売会」というイベント名になっておりますが、まさに山奥です。
大自然と歴史が織りなすこの中辺路で、即売会が行われる……。和歌山に関する創作をしている身として、こりゃあ出なきゃいけない!と浮き足立ちながら申し込みをしました。

当日のお品書きはこんな感じでした


いざ会場へ向かう

当日、私は自宅から会場まで自家用車で移動しました。即売会の主催さんが田辺市に要請し、会場近くにある旧近露小中学校の駐車場を借りてくださったそうです。すごい。スケールがでかい。
中辺路あたりはよく通るので、特に問題なく車を走らせ駐車場に辿り着きました。

広すぎんだろ

駐車場。目の前にあるのは大自然。美しい青々とした山が広がっていました。のどかな風景、これぞ和歌山の山です。
蝉が鳴く中、夏の青と緑が描いた美しい風景にじんわり泣きそうになりながら、車を停めて会場に移動。
駐車場から会場までは徒歩2分程度でしたが、この時、頒布する本たちを直接搬入していたので(大きめのダンボール一箱分、だいたい10kgはあったと思います)、ちょっと汗をかきました。

少々歩いて、会場につきました。
写真を撮り忘れたので、N.S.カフェさんのXポストを引用させていただきます。

見てください、この素敵な会場。
今まで経験したことのない、ここでしか味わえない即売会の風景。
私は即売会に出始めて5年ほど経ちますが、屋外かつ山の中というのは初めてでした。多分全国的に見ても、そうそうない例だと思います。
サークル参加者は10時からの入場でしたが、10時20分ごろに着くともうすでにたくさんのサークルさんが準備されていました。みなさん張り切っておられましたね。


開場

カウントダウンが始まりました。ドキドキワクワクの声。
そして11時を迎え、一斉に拍手が山奥に響き渡ります。これぞ即売会、という風景です。
待ちに待った一般入場開始時刻。

当日の設置状況

想定していた一般参加者数よりずっと多かったです。
みなさん散り散りになり、お目当ての本を入手されていました。サークルさんとも楽しげに会話されており、とても和やかな空気でした。
個人的にすごく良かったな、と思った点はお子さんを連れられた方がいらっしゃったことです。普通同人即売会ではかなり混雑しており、かつ年齢制限がある場合も多いため、お子さんは見かけることがあまりありません。
ですが、今回の「山奥で同人即売会」は全年齢向け、かつ混雑も(山奥なので)少なく、和気あいあいとした雰囲気でした。それ故か、お子さんたちも楽しまれていた様子でした。‪
隣のサークルさんが机に‪「推しの子」のかなちゃんのフィギュアを飾られていて、お子さんが‪「推しの子だー」とはしゃいでいたのが美しかったです。子どもはいいですね。

開場してから、お知り合いの方にもお越しいただき嬉しかったです。普段は違う目的でお会いしていたり、Xで最近繋がり初めてお会いできた方もいたり、とても有意義な空間でした。
普段インターネット上でしか繋がりのない人々も、こうして直接顔を合わせてお話できるというのは、画面の向こうに実体をもった人間がいると再度認識する貴重な時間です。


楽しい即売会も終わりに近づいてきました。
終盤になり、主催さんがヘロヘロになりながら参加者の本をゲットしに回っていたのが印象的でした。暑い中運営をひたすらこなしておられ、頭が上がりません。本当にお疲れ様です……!

そして無事即売会が終了し、再度拍手で会場が包まれました。みなさん楽しげな一方で、やり切ったのか暑さなのか放心状態に近い方もいらっしゃいました。しかしみなさん共通して、晴れやかな笑顔でした。

少し泣きそうになりました。
人間の‪「良さ」に触れた気がしました。

と、こんな感じの即売会でした。


魅力に感じた点

【移動が楽】※個人の感想です
移動手段が自家用車であったため、のんびりしながら向かえました。運転は苦でないほうなので、行きも帰りも車内でひとりジャイアンリサイタルを開きながら運転していました。
基本、大規模な即売会(ビッグサイトやインテックス開催のものなど)は、公共交通機関での来場が推奨されており、私もそれに則り電車で移動しますが、個人的に電車に長時間乗るのが苦痛で、毎回行きの時点で体力をかなり消耗してしまいます。
ですが今回は自家用車で自由に移動でき、体力の消耗は最低限で済みました。市に駐車場を借りていただいた主催さん、本当にありがとうございました。

【お昼ごはんが美味しい】
付近に食料を買う場所がないので、サークル参加者にはお昼にお弁当が配られました。まずお弁当つきの即売会ってどういうこと??至れり尽くせりでは??という感想がまず来るのですが、まあこのお弁当が美味しいわけです(がっついてたので写真撮り忘れました。すみません)。
出来立てのほっかほかのお弁当。お肉もお米もひたすら美味しい。こんなに優しくされていいのでしょうか。ありがたくいただきました。

【うるさくない】
普段スペースにお越しくださった方とお話をするのですが、声が聞き取れないことが多々あります。人で混雑しており、さらに館内放送などもあるので、お話したい人の声がよく聞こえないのです。充分に聞き取れない場合にアハ〜……と苦笑いでごまかしてしまうこともよくあります(すみません)。
しかし、即売会は静かな山奥、かつサークル数も30なのである程度の静かさが保たれています(とはいえ、即売会ならではの熱気があります)。
ですのでスペースにお越しいただいた方と難なくお話できました。いつもちゃんとコミュニケーションができていないな……と少し悩ましかったので、今回本当によかったです。

【犬がいる】

くまちかくん

犬がいます。看板犬のくまちかくんです。
暑さで少しだれていたくまちかくんでしたが、参加者のみなさんにかなり可愛がられていました。かくいう私も、ワ〜!!!!と駆け寄ってしまいました。かわいいねえ、かわいいねえと声をかけられ、まんざらでもなさそうなくまちかくん。そしてニコニコの参加者さん。即売会と直接関係ないのですが、大変心癒された要素だったので挙げておきます。


以上、第四回山奥で同人即売会のレポートでした。次回は来年2月に開催されるそうです。是非また参加させていただきたいな、と思います。

たくさんの素敵な人々でつくりあげられたこの即売会が、末長く愛されるようになってほしい。
そしてこのN.S.カフェさんを起点に、紀南の地域がもっと盛り上がってくれたら。そう願っています。


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