[論説] スマート農業普及課題の克服農家視点で 2020.02.19 日本農業新聞社 3頁 総合3面12版遅 (全1,151字)

 日本農業新聞の調査で、国が進めるスマート農業に対する生産現場の課題が浮き彫りになった。ロボット農機や設備、装置が高価で、中山間地など「地域の壁」も立ちはだかる。“夢の農業”への期待度は高いだけに、現場視点をしっかり反映していく必要がある。  調査は、農水省が2019年度から始めたスマート農業実証プロジェクトに参加する全国69グループにアンケートを実施、52グループが回答した。  実証の成果では「労働時間が短縮した」「農作業の疲労度が軽減できた」が最も多かった。北海道の大規模水田作では、自動給水栓の導入で毎日の水管理がなくなったと評価。ドローン(小型無人飛行機)防除で作業時間が短縮したとの声もあった。自動運転で常に作業に集中し続ける必要がなくなり、軽労化につながったという感想も多い。トラクターに装備された運転補助システムの効果が大きい。  一方、思ったほどの労力軽減・省力化の効果がなかったとの意見もあった。無人運転でも安全のため常時監視が必要で拘束されるためだ。農場間の移動に人員が必要だったり、自動運転に必要な移動基地局を設置したりする手間がかかる。  スマート農業は安倍政権が掲げる「攻めの農業」に位置付けられ、実証関連予算は初年度が66億円、2年目の20年度は実証地区を増やし予算案で80億円近い大型プロジェクトだ。現場の課題を丁寧に吸い上げ、克服に取り組まなければならない。  課題の一つが費用対効果。収量コンバインや無人トラクターは1000万円以上、自動給水栓は十数万円、他に通信費もかかる。アンケートでは機械や資材の価格引き下げを求める声が多い。農機が高価で中山間地では導入が難しいと指摘する。リースやシェアリングなど共同利用の仕組みが求められる。  スマート農業は作業や収量などを記録し、経営の“見える化”で増収、高品質化、作業を効率化する。アンケートでは新たに加わったデータ入力作業の負担感が強かった。音声入力など新技術の実用化が急がれる。  農水省は、スマート農業で労力不足を解決し、熟練者や篤農家の技術を若手農家に継承でき、規模拡大と高度な農業経営が可能になると描く。しかし、技術を導入すれば現状の課題が全て解決するわけではない。先端技術の普及には大区画化などの基盤整備を進めていかなければならない。新たな技術を使いこなせる農家の育成、JAや普及指導機関の体制も欠かせない。中山間地などの条件不利地がスマート農業から取り残されないことも大切だ。  課題は山積だが、新規就農者や多様な担い手の育成、若年世代の取り込みなど地域農業の活性化につながる技術として期待が高い。地域農業が魅力的になるよう農家は、課題や要望を行政やメーカーなどに伝え、自ら育てていかなくてはならない。日本農業新聞社

食料自給率のわな(十字路)2020/02/19 11:30 日経速報ニュース 760文字

 2000年に閣議決定された食料・農業・農村基本計画は、食料自給率(カロリーベース)を当時の40%から10年間で45%に引き上げる目標を立てた。以降、政府は20年間もこの目標を掲げているが、目標に近づくどころか実際には37%へ下がっている。
 今年は基本計画の5年ごとの改定を迎える。実は自給率目標には農林族議員から、否定的な意見が出ている。これだけ時間をかけても目標が達成されず、地元有権者から批判が出ているからだ。
 もちろん農協や農林水産省は自給率目標を下ろしたくない。食料自給率は同省にとって最高のプロパガンダである。食料の60%以上を海外に依存していると聞くと国民は不安になり、農業保護への支持が高まる。逆に自給率が高くなると困る。これはわなだ。閣議決定までされた目標を達成できなくても、省内にうなだれる職員などいないし、責任をとった幹部も皆無だ。
 食料自給率とは国内生産を輸入も含めた消費量で割った値だから、飽食と言われる今の消費を前提にすると自給率は下がる。飢餓が発生した終戦直後の自給率は、輸入がなく国内生産が消費量に等しいので100%だ。金額ベースでも同じだ。食料自給率は食料の安定供給の指標として適切ではない。
 自給率目標が正しいとしてもこれを下げたのは農政だ。1960年以降、米価を上げ麦価を据え置いた。国産米の需要を減らし、輸入麦が中心である麦の需要を伸ばす外国品を優遇する政策をとれば自給率は下がる。今では米を500万トン減産する一方、麦を800万トン輸入している。戦前、農林省の減反案を陸軍省がつぶした。減反は食料安全保障に反するからだ。減反を止めて国内消費以上に生産して輸出すれば自給率は上がる。本気で自給率を上げたいなら減反をやめるべきだ。
(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 山下 一仁)

立憲・国民などWT設置 自給率、担い手不足、農地確保安倍農政を検証 基本計画にらみ提言へ2020.02.19 日本農業新聞社 3頁 総合3面12版遅 (全634字)

  立憲民主、国民民主両党などの共同会派は、安倍政権の農政の検証に着手する。作業部会を新設して集中的に議論。食料自給率や担い手、農地、輸出などについて、政府目標と照らし合わせながら問題点を検証する。3月末の食料・農業・農村基本計画の閣議決定に合わせて今後必要な施策を盛り込んだ提言をまとめる。  18日の農林水産部会で、作業部会として「安倍農政検証ワーキングチーム(WT)」を設けることを決めた。座長には無所属の重徳和彦氏が就いた。事務局長は国民民主党の徳永エリ農林水産部門長が務める。  政府は、農林水産業・地域の活力創造プランで、輸出や農地集積、新規就農など政策ごとの数値目標を掲げる。  共同会派では、数値目標に達していない政策の問題点を検証する。さらに、目標設定が実際に担い手、農地の確保・定着など幅広い生産基盤の強化につながっているかを分析する方針だ。  野党側はこれまで、安倍政権の農政を産業政策偏重だとして批判し、地域政策の充実を訴えてきた。今回の検証結果を踏まえて、農政の柱に掲げる戸別所得補償制度をはじめとした所得政策、農村集落や条件不利地の独自の支援策などを打ち出し、政府・与党との違いを鮮明にする狙いもある。  各党の農林幹部らが集まるWTで、検証や提言の基盤をつくる。政府・与党の基本計画を巡る議論をにらみながら、農林水産部会で議論を進める。  提言を踏まえて会派内でさらに議論を深め、次期衆院選に向けた農政公約の土台にすることも視野に入れる。 日本農業新聞社

宮城被災農地 全復旧へ/20年度末 計1万3710ヘクタール2020.02.19 河北新報記事情報 1頁 河北新報 (全750字) 

 東北農政局は、東日本大震災の津波で被災した宮城県の農地1万3710ヘクタールについて、復旧工事が2020年度末までに完了し、全て営農再開が可能になるとの見通しを示した。岩手の被災農地(550ヘクタール)が18年度で復旧工事を終えており、農政局は21年度以降、東京電力福島第1原発事故の影響が残る福島の営農再開を急ぐ。
 宮城は被災農地1万4340ヘクタールのうち、工業用地などに転用する630ヘクタールを除いた農地で営農再開を目指している。18年度までに99.3%に当たる1万3610ヘクタールで復旧した。
 残る100ヘクタールについては、19年度内に石巻、気仙沼、東松島3市の60ヘクタールで工事を終える見込みで、20年度末までに石巻市の40ヘクタールを手掛ける。宮城では11年度に復旧工事が始まり、仙台市東部の大区画化圃場整備事業(1900ヘクタール)などを進めてきた。
 福島は転用する910ヘクタールを除く4550ヘクタールで営農再開を計画する。19年度は南相馬市、新地町、浪江町の210ヘクタールが復旧し、71.4%に当たる3250ヘクタールで整備を終える見込み。
 未整備の1300ヘクタールのうち、1070ヘクタールは相馬、南相馬、浪江、富岡4市町。20年度には約200ヘクタールを手掛け、残りは21年度以降にずれ込む。原発事故に伴う避難指示区域内にある双葉、大熊両町の230ヘクタールは21年度以降の営農再開を目指す。
 岩手、宮城、福島3県の被災農地は計2万530ヘクタールで、転用分の1720ヘクタールを除く計1万8810ヘクタールで復旧工事を実施。19年度までに92.9%に当たる1万7470ヘクタールで整備を終える見通し。河北新報社

農業用水確保へ ダム貯水前倒し 道、少雪受け方針=北海道2020.02.19 東京朝刊 28頁 (全346字) 

 記録的な少雪を受け、道は18日、JAや北海道開発局など関係機関と営農課題を話し合う会議を開いた。雪解け水の減少が想定されることから、ダムの貯水開始を前倒しして農業用水を確保する方針を確認した。
 会議では、札幌管区気象台が、道内で累積降雪量を観測している118地点のうち、16日現在で美瑛を除く117地点で今期は平年を下回っていることが報告された。
 道の担当者によると、農業用ダム105施設のうち22施設で1~2か月ほど貯水を早める予定。今後、ダム管理者と河川管理者が協議を進める。
 また、越冬作物に関して、〈1〉凍結被害を受けたナガイモを収穫時に混同しない〈2〉昨秋に種をまいた小麦や牧草の畑で深刻な土壌凍結が生じた場合は、ローラーをかけ根を土に密着させる--などを注意する重点項目として確認した。読売新聞社

22ダム貯水前倒し*開発局と道*農業用水 少雪で備え2020.02.19 北海道新聞朝刊全道 4頁 朝N (全460字) 

 開発局や道は、今冬の少雪による農業用水の不足に備えるため、道内の農業用水ダム105カ所のうち22カ所で貯水開始時期を例年より2週間~1カ月半早める。道内各地は2月上旬に大雪に見舞われたものの、1月までの記録的な少雪の影響で、降雪量は平年を下回っている。
 18日に道庁で開かれた「雪不足に対する営農技術等連絡会議」で報告された。貯水開始を早めるのは農業用水ダムが多い空知、上川地方が中心。各ダムの貯水開始は通常おおむね3~4月だが、今年は既に2月上旬から貯水を始めているダムもある。
 雪の下で保管するダイコンやキャベツなどは少雪の影響が懸念されていたが、道の担当者は会議で「2月上旬の大雪で一定の積雪があり、大きな被害は今のところない」と報告。今後も平年より高温傾向が続くと予想されており、雪解けが早まれば、秋まき小麦や牧草などの根が土壌から浮いてしまう可能性があるとして、ローラーで踏み固め、根を土壌に密着させるなどの対策が必要と説明した。(徳永仁)

記録的少雪の大崎平野/夏の水不足 米どころ恐々/雪解け水減 ダム枯渇恐れ/関係者「元々綱渡りなのに…」
2020.02.19 河北新報記事情報 14頁 河北新報 写有 (全863字) 

 記録的な暖冬少雪に伴い、県北部の米どころ大崎平野で、農業用水の不足に対する懸念が広がっている。春先の雪解け水が極端に少なければ、夏以降にダムの貯水が枯渇して稲作に支障が出る可能性があり、農業関係者らは早くも危機感を募らせている。
 17日、鳴瀬川上流にある漆沢ダム(加美町)を囲む山は、黒い地肌が所々あらわになっていた。例年ならば約150センチの積雪で真っ白になっているが、今季は深い場所でも25センチ程度にとどまる。県大崎地方ダム総合事務所が管理する加美町と大崎市にある他の4カ所のダムも状況は同じだ。
 山の雪は春の訪れと共に解け始め、4月下旬~5月上旬、田植え前の代かきに使われる。この時季に雪解け水が少なく、川の流量が不足した場合、ダムからの放水で補うことになる。
 同事務所は放水量を絞り、ダムの貯水率を上げて事態に備えている。今年は暖冬で雪解けが早いこともあり、17日現在の貯水率は二ツ石、化女沼、上大沢の各ダムで満水となり、漆沢は87%、岩堂沢で77%と十分な水準にある。
 春に代かき用で放水した後、梅雨にまとまった雨量がなければ、ダムの水位は下がり続け、稲作で最も水を必要とする8月上旬の出穂期の水管理に深刻な影響が及ぶという。
 同事務所の佐藤和博技術次長は「代かきの時期からダムの貯水を放出することになれば、初のケースとなる。近年は雨量の少ない梅雨が続いており、利水者との調整が必要になる事態も想定される」と話す。
 鳴瀬川流域の土地改良区の関係者も深刻に受け止めている。
 加美郡西部(加美町)の担当者は「夏の水の心配を冬からするのは初めてで、危機感がある。用水の掛け流しをしないなど農家に節水を呼び掛けることになりそうだ」と推測する。
 大崎平野の南端に当たる美里東部(美里町)の担当者は「ここ5年、少雪ではなくても下流側の用水は綱渡り状態だった。渇水対策本部の設置など、行政は早めに手を打ってほしい」と訴える。河北新報社

◎新幹線環境アセス 地下水への配慮を 敦賀市審議会が答申へ2020.02.19 朝刊 24頁 (全312字) 


 敦賀市環境審議会の会合が17日夜、敦賀美方消防本部であり、北陸新幹線で未着工となっている敦賀-新大阪間の環境影響評価(アセスメント)の方法書に関する渕上隆信市長への答申内容をまとめた。工事で生活・農業用水に問題が出ないよう、地下水や河川への影響について十分な予測、評価を求めた。
 市内の水道水源を地下水に依存している状況を踏まえ、地下水による消雪を行わないよう要望。金沢―敦賀間を含めた先行事業の知見反映、トンネル工事などで発生する土砂の流出・濁水対策、高層建物を考慮した騒音調査の必要性を指摘した。
 市は答申を踏まえ、2月中に市長の意見として県に回答する。(西脇和宏)福井新聞社

諫早湾干拓事業:諫干請求異議訴訟、21日に差し戻し審 漁獲量、増えたのか 「海の変化、知るのは漁業者」2020.02.19 西部朝刊 24頁 社会面 写図有 (全1,452字) 

 長崎県の国営諫早湾干拓事業(諫干)を巡り、潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決(2010年)の無効化を国が求めた請求異議訴訟の差し戻し審が21日、福岡高裁で始まる。和解協議を求める漁業者側に対し、国側は有明海の漁獲量の変化など「事情の変更」や、非開門とする判決が続く近年の司法判断などを主張して改めて無効化を訴える構えだ。【池田美欧、足立旬子、宗岡敬介】
 差し戻し前の請求異議訴訟で国側は、排水門閉め切り後の有明海で漁獲量が増加傾向に転じたなどと主張。福岡高裁判決(18年7月)は、漁獲量などについて判断せず、漁業者の共同漁業権は13年8月時点でいったん切れ、同時に開門請求権も消滅したと判断し、開門命令を事実上無効化した。最高裁は19年9月、漁業権の解釈に誤りがあるとして高裁判決を破棄し、差し戻した。
 今回も国側は、漁獲量の回復などを事情の変化として主張するとみられる。だが、長崎県島原市の漁業、中田博文さん(60)は「国が漁獲高が増えたと言うのは、あちこちで(魚介類の種苗を)どんどん放流しているからだろう」と反論する。
 ワカメ養殖を主に、夏はクルマエビ、冬はヒラメなどを狙う。15歳で漁を始めたころはさまざまな魚が取れた。1997年の潮受け堤防閉め切り後は、潮流が弱まったうえ、堤防内の調整池から大量に淡水などが排出され「海が駄目になってしまった」と実感している。19年、クルマエビの水揚げは前年の3分の1だった。
 農林水産省九州農政局によると、97年度に3万3793トンだった有明海全体の漁獲量は、17年度には1万2574トンまで減少。ノリは同期、39億8552万枚から29億2075万枚に減った。特産の高級二枚貝「タイラギ」はほぼ取れなくなった。農政局は取材に対し、増加傾向にある魚介類については「訴訟の前なので回答を控えたい」と明らかにしなかった。
 諫早湾に近い佐賀県太良町の漁業、大鋸(おおが)幸弘さん(63)は「タイラギは全くいなくなり、ノリも諫干の近くは赤潮が頻発して取れていない。海の変化は経験のある漁業者じゃないと分からない」と異変を訴える。
 一方、諫干を巡っては開門の確定判決と非開門を命じる判決が並立するねじれが生じているが、最高裁は19年、二つの訴訟で漁業者側の上告を棄却し、いずれも非開門とする判決を確定させた。国側はこれらの司法判断も考慮するよう求める見通しだ。
 ◇「前提なしの和解協議を」
 差し戻し審で漁業者側は、前提条件のない和解協議を求めていく方針を示している。諫早湾干拓事業を巡る訴訟では過去にも長崎地裁と福岡高裁で和解案が示されたが、いずれも潮受け堤防の排水門を「開門しない」ことが前提条件にあり、漁業者側の反発で成立しなかった。
 長崎地裁は2016年1月、開門差し止め請求訴訟の中で和解を勧告した。和解協議で国は、100億円を拠出して有明海の資源保護など漁業振興に使える基金を創設する案を提示した。沿岸4県(福岡、佐賀、長崎、熊本)の漁業団体側に基金の運営を任せる仕組みだったが、非開門が前提だったため17年3月に決裂。地裁が翌月、開門を認めない判決を出したことを受け、国は「司法制度で統一判断が出るとは限らない。開門によらない基金による和解を目指す」とする農相談話を発表した。
 福岡高裁は18年3月、差し戻し前の請求異議訴訟でも和解を勧告したが、開門しない代わりに基金を設けることを「唯一の現実的な方策」としたため、解決に結びつかなかった。【宗岡敬介】毎日新聞社

揚水機場など改修へ着工式 柿産地の五條・下市 /奈良県2020.02.19 大阪地方版/奈良 25頁 奈良全県 (全486字) 



 柿生産量全国2位の奈良県で、その約9割を占める樹園地(五條市・下市町)の水利施設を4年間で改修する国営施設応急対策事業「五条吉野地区」の着工式が18日、五條市であった。
 中山間地(標高130~500メートル)の樹園地1593ヘクタールは、1974~2001年度に造成され、一(いち)の木ダム(有効貯水量140万トン)のほか、揚水機場や水路などが整備された。水が安定供給され、急峻(きゅうしゅん)で危険な場所が少なく、生産者らに人気がある。耕作放棄地がほとんどない国営事業の「優良地区」とされ、全国から視察者が相次ぐ。
 ただ、基幹水路で漏水が起きるなど施設が老朽化。農林水産省が22年度までに9億7200万円をかけ8カ所の揚水機場などを改修し、管理施設の情報処理機器も更新する。
 五條市市民会館での着工式には約50人が出席。生産者約1200人が加わる五條吉野土地改良区の寺本保英理事長(75)は「需要の多い農地。国はそこを評価してくれていると思う」と取材に述べた。
 (福田純也)朝日新聞社

農地・水・環境保全向上へ ドローン活用など紹介 亀岡市で研修会2020.02.19 日本農業新聞社 15頁 ワイド1近畿 (全480字) 

 【京都】京都府農地・水・環境保全向上対策協議会は17日、南丹ブロック研修会を亀岡市で開いた。ドローン(小型無人飛行機)を使った農地や施設の維持管理の紹介、「京力農場プラン」の実質化への説明があった。約280人が参加した。  同対策協議会は、府や関係市町村、JA京都中央会、府農業会議などで構成。多面的機能支払交付金や中山間地域等直接支払交付金による農地や施設の保全活動などを進める。  ドローン撮影クリエイターズ協会(京都市)の上原陽一代表理事が、ドローンの活用による地域再生と災害時対応の運用システムなどを紹介。農地管理への利用事例として、「農薬散布以外にも、カメラ画像による農作物の生育管理や、有害獣の夜間行動の把握、すみかの特定などに使われている」と説明した。今夏発売予定で、農業用ため池の保全管理にも利用が見込まれる水中ドローンの紹介もあった。  国の補助事業を活用するための「京力農場プラン」の実質化の説明もあった。農地の所有者や利用者、将来の担い手が農業委員などが地域で話し合い、中心となる経営体への農地集約化へ向けて将来方針の作成が必要とした。日本農業新聞社

農地の情報管理学ぶ ICTシステム研修会 JA青森中央会2020.02.19 日本農業新聞社 14頁 ワイド2東北 (全485字) 

 【青森】JA青森中央会は12日、営農ICT情報システム研修会を開いた。地図情報システム(GIS)の概要と活用事例について紹介。県内JAの他、関係団体から約30人が出席した。  (株)ローリスの山下剛史代表が、GISを利用した農業向けクラウドサービス「LORIS CLOUD」の概要を説明。「農地の区画情報と台帳や管理簿データを連動させることで、分散していた台帳の情報と位置情報を一元管理し、地図上でさまざまな情報を可視化できる」と述べた。  他県JAの活用事例も紹介し「農地の集積・集約の他、圃場(ほじょう)図ごとの作業状況の把握、手作業で行っていた防除マップの作成なども必要な情報を抽出することで作成できる。作業の効率化を図ることができる」と活用を呼び掛けた。  JA相馬村農業振興課の齊藤大貴さんは、チャットアプリ「Telegram」を使った情報発信の事例を紹介。窓口での情報提供やちらしの配布など、従来の情報発信源に加え、SNS(インターネット交流サイト)を活用したことで「最新の情報を最速で組合員に配信でき、各部会ごとでの情報共有も可能」とメリットを紹介した。日本農業新聞社

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