人に投資を勧める人こそ投資に向いていないという話

 なんだか逆説的タイトルではありますが、引っかかりを持たせる為このようなタイトルにしてみました。

 今は市況が厳しいのであまり見かけませんが、トランプラリーの初期やコロナバブルの時期は「投資をしないこと自体がリスクだ」、「働いて貯められる貯金などタカが知れているので、投資をしないと将来に備えられない」といった言説が随分流行りましたし、多分また次の強気相場では同じような言説が流行ると思います。

 そして投資を始めたての頃は世の中を今まで知らなかった別の角度から見られる新鮮さや、労働から解放される切符を手に入れたような錯覚で全能感を得られるのは恐らく多くの人が経験していると思うのですが、その勢いから周りの人に上記のような言説で投資を勧める人も一定数出てきて、間違いなく本人は良かれと思ってのことなのですが、この「良かれ」が投資に向いてない判断感覚だと私は考えます。

 私が考える投資というのは取ったリスク以上にリターンを得られる行為のことだと考えており、友人知人に投資を勧めるという行為は、
・勧めて損した場合恨まれるリスクがあるが得られるリターンがない
・勧めて儲かった場合更に儲けを出そうと時間やエネルギーを拘束しても次の儲かる方法を聞いてくるリスクがあるが、そのリスク以上のリターンがない
の2パターンに収束する可能性が高い為、投資として「人に投資を勧める行為」は割に合わないというわけです。

 先に書いた通り今はこのエントリーが役に立つことは少ないと思いますが、また浮かれた季節にこのエントリーが響く人が一人でも出てくるのならば投資として成功です。(リターンはいいねくらいなものですが。)