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失恋したけど前向いてこ?

去年の夏 Charaのtiny dancerを聞いていた時
8月のうだる様な暑さで 小花柄のキャミソールワンピを着てたくましい腕を振り回しながら生きていたあの頃 めっちゃ恋してたし 楽しかった
シャボン玉みたいにパチン!ってすぐ割れて、
「あれって一体なんだったの??」と我に返ったときすごく切なかったけど

電話口で告白された時「その言葉を待ってたのよ」と言ってしまいそうになるくらい感情がダダ漏れで嬉しくて でも怖くて「本気で言ってるの?」なんて聞けずに「お酒飲んだでしょ?」ともいえず

確認できなかった なんでこんなに弱気なんだろう
でもすごく嬉しかった

夏が終わる頃私達も終わり

そろそろサマーニットも寒いよな、なんて季節に
tiny dancerをまた聞いた

「あの人は気がついていたのかな 愛したことは真実」

彼を愛した期間は短かったかもしれないし
片手間の恋愛だと思われるかもしれないけど
でも自分の中で「愛したことは真実」なんだよな

あの人は絶対に気づいてないと思う。
今頃私の事を忘れてギターに明け暮れてることだと思うし。

帰り道さんざん道に迷って「なんで同じ道にしなかったの」と言うと
「こっちから帰ったらタワマンの夜景が見れるから  ひかりちゃんに見せたかった」と、普通のトーンで言うところ

悪いことしたら「ごめん」「すみません」じゃなくて「ごめんなさい」って体小さくして言うところが子供みたいなところ

あれ弾いてよ、って言ったら「その曲知らん、、」って言いながら3秒後に完璧に弾くところ

2時間かけて極寒の海まで行って岩に座って2人でタバコ吸って「さみーよ」と叫びあったこと

ベランダでキャンプして火が大きすぎて火事になりかけて本気で焦ったこと

めちゃくちゃで最低なところも沢山あるけど私にとっては何もかも刺激的で素敵で最高だった

女の子の影が見える度に本気で泣いて本気で病んで
タバコ吸いまくって喉風邪ひいた
鼻血まで出て、鼻にティッシュ詰め込んでマスクして出勤。
パイナップル柄の可愛いワンピースに、似ても似つかないマスク姿に死んだ魚の目の私。
あの時はほんとに死んでたし毎日灰色だった。

お友達の集まりがあって、深夜12時くらいに帰路に向かってた。1月から晴れて一人暮らしをして、いつもとは違う道を自転車で走っていた。
その日はとても外気が冷たい日で、マスク越しでも白い息が出る。
オートプレイでイヤホンから流れてきた

アヴリル・ラヴィーンのtomorrow

この曲の歌詞はよく分からないし
特別好きな曲というわけでもなかった

しかしその日はその曲がやけに沁みた。
私は「独り」なんだ、と思った。
それは孤独であることへの絶望とか落胆などではなく、元々「独り」である、という事が腑に落ちたという感覚だった。

「やっぱり、私は独りなんだ」
と、落ち着くべき場所に落ち着いた気分。

そう思って、ハンドルを持つ手が少し強くなる。
私はこうやってまたひとつ強くなるんだなと思った。

彼との出会いは私を大きく変えた。
悪い遊びも沢山教わったし、それ以上にこの地球でここまでピュアな魂があるのかという衝撃も貰った。

悲しい過去を知る度に私が彼以上に感情移入して、せっかくのドライブなのに何も喋れなくなり、「暗い話やめよー」と言わせてしまう始末。

友達の前では「あんなめちゃくちゃな人いないよ」とたくさんディスった。ディスって失ったあの人の隙間を何とか埋めようとした。それはその場しのぎにはなって、まあまあ良かった。
本当に埋められる何かなんてそうそう見つかるものでもないし、人生なんて短いからその場しのぎ位で辻褄が合うのかも

今言える真実

彼が大切で、彼が大好きだった。

今そう言えるくらいこの出来事はもう過去になった。
また好きになったらとことん傷ついて ボロボロになるのだろうけど 未来の私がどう出るかは、今の私には想像もつかない。

私は独り。私たちはみんな独り。
元々2人なんだと思うから寂しい。

でも、やっぱり寂しい。
でもみんな独りだから。

孤独や不安 人間の持ちうるマイナスな感情を上手く嗜めるようになったら大人なのかな、などと思う。

tomorrowを聞いていたあの日、半月くらいの中途半端な月だったけどパリッとしていてすごく綺麗だった。

色んな夜をこえて、これからも生きていこう。



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