見出し画像

AI 技術の発展が人類滅亡の方向に行かないように 非営利で公開することで AI 技術の独占を牽制しようとした OpenAI だったが…「AI の開発、6ヶ月間 待った!」問題の背後にあるもの

ChatGTP の出現によって、人類は、インターネット出現以来の大転換期を迎えています。

その ChatGTP をリリースしたのは、GAFAM のようなメガテック企業ではなく、OpenAI という組織でした。

OpenAI は、先日、来日した CEOのサム・アルトマン、LinkedIn の共同創業者リード・ホフマン、PayPal の共同創業者ピーター・ティール、そして、あのイーロン・マスクという、そうそうたるメンバーによって創設されました。

そんな OpenAI は、AI が賢くなりすぎると、人類に対する脅威になるという危機感から作られた組織だったようです。

普通に考えれば、莫大な資金と優秀な人材を独占する、GAFAMのような一部のメガテック企業が、AI技術を独占する可能性が高いことは、容易に想像できることだと思います。

実際に、OpenAI の GPTシリーズも、2017 年に Google が発表したTransformer(トランスフォーマー)と呼ばれる深層学習の手法を用いた言語モデルです。

Google などの一部のメガテック企業だけが、AI 技術のような大きすぎるパワーを独占することは、人類に対する大きな脅威になり得ます。

Google 一強の世界を望ましく思っていない人も、多いことでしょう。

OpenAI は、イーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏などの天才が、AI 技術の可能性を100% 信じているが故に、その脅威を見据えて、AI 技術の発展が人類滅亡の方向に行かないように、非営利で公開することで、AI 技術の独占を牽制していこうという意図で作られたようです。

OpenAI がリリースした ChatGTP は、わずか1週間で100万人のユーザーを獲得、約2か月で1億人のアクティブユーザー数を記録するという、衝撃のサービス開始となりました。

さらにその2ヶ月後には、GPT-4 へのアップデートが行われ、さらなる衝撃を世の中に与えることになりました。

そして、まもなく提供される ChatGTP プラグインや、近いうちに必ずくる GTP-5 へのアップデート…

それらの、あまりにも早すぎる展開を受けて、非営利組織 Future of Life Institute(FLI)は、急成長するAI システムの開発は社会にリスクをもたらす可能性があるとして、GPT-4より強力な AI システムの開発を、少なくとも、6ヵ月間停止するよう提案するという公開書簡を発表しました。

書簡には、OpenAI の創業にも関わっているイーロン・マスク氏や、アップルの共同創業者で、「ウォズ の魔法使い」と称される天才プログラマー、スティーブ・ウォズニアック氏など、1300名を超えるテック業界の重要人物が署名しているとされています。

OpenAI には、Microsoft が巨額の出資を行っており、自社のウェブブラウザ「Edge」や、検索エンジン「Bing」、アプリケーションツール「Microsoft 360(Office 365)」などに、GTP-4 と自社開発の Prometheus(プロメテウス)を組み合わせた AI ツールを、矢継ぎ早に 実装しています。

ChatGTP をリリースしたのは、OpenAI ですが、わずか数ヶ月のうちに、Microsoft が AI 競争のトップに躍り出た印象があります。

しかも、いまのところ、Google や Meta(Facebook)などのメガテック企業が、その勢いを止める気配はありません。

それが、「AI の開発、6ヶ月間 待った!」の背景にありそうです。

たしかに、いまの流れで行けば、Microsoft が OpenAI(ChatGTP)を利用して、世界を支配することもあり得る話です。

それは、OpenAI を旗揚げした イーロン・マスク氏にとっても、想定外だったかもしれません。

そのため、AI の開発を 6ヵ月間停止するよう提案する公開書簡に、イーロン・マスク氏も署名しているのではないでしょうか。

OpenAI は、Microsoft からの出資を受け入れすぎたような気もしますが、時既に遅しなのかもしれません。

ここしばらくは、GAFA の最後に、かろうじて追加されていたようなポジションだった M(Microsoft )の逆襲が成功して、今後の世界を支配することになるのか。

「AI の開発、6ヶ月間 待った!」問題は、AI の開発競争に出遅れた企業が集まって、時間稼ぎのために声を上げているのでは?という単純な話ではなく、人類が真剣に考えなくてはいけない重要な問題なのかもしれません。

一般の人たちも、ビューが取れるからと、毎日のようにリリースされる最新の AI 情報を、我先にと発信しています。

ただ、「その AI ツール、確かに すごいけど、いったいそれ、なにに使うの?」みたいなものもたくさんあるように思います。

画像生成 AI で可愛い女の子を作ることに、いったい、どのような意味があるのでしょうか。

もっといえば、AI 技術が発展することが、ほんとに私たち人類の幸せにつながるのでしょうか?

「AI の開発、6ヶ月間 待った!」問題、あなたは、どう思いますか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?