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The Eighth Sense:DAZEDKOREA 監督インタビュー【日本語訳 意訳誤訳有り】

<8番目の感覚>を演出した2人の若い男。彼らが創造した作品の中には限界のない感覚がわたしたちを待っていた。

ペク・イヌ監督
ヴェルナー・ドゥ・プレシス監督

3月29日、映画「8番目の感覚」が韓国で公開されました。簡単に紹介をお願いします。
ペク・イヌ:トラウマがある復学生ジェウォンと上京したばかりの新入生ジヒョンというキャラクターの関係性を扱った映画です。

BLジャンルです。
ヴェルナー・ドゥ・プレシス(以下ヴェルナー):BLジャンルにわたしたちを合わせるのではなく、わたしたちが言いたかった話をBLジャンルに合わせたかったのです。特にメインキャラクターだけにフォーカスを合わせるのではなく、作品に登場するすべてのキャラクターに叙事を入れました。深みのある話をやりたかったんです。また、アジア文化圏ではなかなか語られないうつ病やトラウマのようなテーマも取り上げたいと思いました。

水槽に閉じ込められた魚と心理相談センターにいるジェウォンの姿で映画が始まります。
ヴェルナー:オープニングシーン自体がシリーズ全体のメタファーです。なぜなら魚は水槽に閉じ込められていて、ジェウォンもある意味どこかに閉じ込められている存在なんですよ。

精神的ストレスと心理的不安で絡み合った現代人の姿が見えました。
ペク・イヌ:韓国はうつ病のようなテーマをなぜ扱わないのか、という疑問を皮切りにこの場面を構想しました。わたしも韓国で心理相談センターを訪れたことがありますが、薬局という感じしかしないんですよ。それで、わたしたちの作品では海外のようソファーに座り楽に相談する場面を演出しました。

従来のBL作品と違って<8番目の感覚>でしか感じられないものは何ですか。
ペク・イヌ:
クオリティ。衣装、サウンドトラック、美術などあらゆる部分に心血を注ぎました。
ヴェルナー:BLというジャンルに限られるよりは、キャラクターとストーリーに集中した努力が違う点だと思います。そして美術、照明、撮影などすべての部分を繋げて映画を製作しました。
ペク・イヌ:ストーリーに必要な内容なら既存のBLジャンルでタブー視される内容も入れました。例えば主人公の元カノに関する内容がありますね。

<8番目の感覚>は五感、六感を越えて新しい感覚を指す意味と解釈されます。タイトルを通じて暗示したいメッセージはありましたか。
ヴェルナー:数字の8を90度に回すと無限大記号に変わります。わたしたちはタイトルを通じて8番目の感覚を指すのではなく、無限大の感覚を表現したかったんです。友達、愛する人、嫌いな人などすべての関係と人の感覚は無限だという意味が込められています。つまり、他人と疎通しながら感じる感覚と個人的に感じる感覚をタイトルから感じられるよう意図したものです。
ペク・イヌ:実はGVでも多くの方から聞かれた質問です。無限大記号が核心です(笑)

<8番目の感覚>はサーフィンサークルを通じて話がさらに劇的に展開されます。映画を貫く素材は水だと思いますが、シナリオを書いたり演出したりする時に気遣った部分はありますか。
ヴェルナー:人生を貫く最高のメタファーが海だと思いました。海水の満ち潮と引き潮のように人生も一貫していないじゃないですか。そして人生は海のように深く入るほど、そこには何があるのか分からないじゃないですか。
ペク・イヌ:<コウモリ>、<お嬢さん>の衣装を担当したキム・ウンヨン衣装監督が映画衣装を引き受けてくれました。ジヒョンが着たサーフィン服も海を象徴する青色で製作し、メタファーを入れるほど衣装にも気を使いました。

ジェウォンはジヒョンに自分の深い話を打ち明けますが、ジヒョンはジェウォンの言葉を問い詰めずに傾聴します。この映画の最大の魅力は、主人公たちが刺激的ではなくさっぱりしているという点でしょう。
ペク・イヌ:ジェウォンの場合、カウンセラーにさえ本音を打ち明けません。弟の死後、世の中との疎通を断絶しました。実際、これは惨事で家族を失った人々へのメタファーです。韓国社会が惨事による犠牲者、またはその家族の声をどれだけ聞いているのかを聞いてほしいという願いでシナリオを書いていきました。結局ジヒョンは犠牲者と遺族の声を聞く社会の役割を果たしたのです。

「ヒョン、僕たち上手くいくかな?」「やってみきゃ、不安か?」「少し」「怖くても何でもやってみなきゃ、どうなるか分からないじゃん。一緒にやってみよう、怖くても。」エンディングシーンはジェウォンとジヒョンが一緒にトンネルを抜けながら交わす対話で終わりますが、どんな悩みの末にエンディングが完成しましたか。
ペク・イヌ
:エンディングシーンのセリフが結局作品の核心メッセージのようです。新しいことへの挑戦を迷ったり怖がったりする方に伝えたいメッセージでした。ジェウォンとジヒョンの関係性では、ジェウォンがとてもリードする場面です。これを通じてジェウォンがトラウマを克服したということを言いたかったんです。

個人的にエンディングシーンのセリフが一番好きです。
ペク・イヌ:わたしの母もそうです。実はエンディングシーンのセリフは、母との会話からインスピレーションを受けました。父が早くに亡くなったのに、母は恋愛をしなかったんです。それでわたしが母に「母さん、もっと恋愛しないとじゃない?なんで恋愛を恐れるの?」と聞いたのがエンディングのセリフとして使われるようになりましたね。
ヴェルナー:わたしは海辺のキスシーンで「ヒョンにトラウマを抱かせようと思って」というジヒョンのセリフが一番好きです。このセリフがジヒョンの進むべき方向を示す道しるべの役割をすると思うんですよ。

映画のすべてのシーンが大切ですが、一番好きなシーンはありますか。
ペク・イヌ:ジュンピョがジヒョンの携帯電話を奪いジェウォンに送ったメッセージを盗み見る場面。ジヒョンがジェウォンを好きだということをジュンピョが知る瞬間です。実はこの場面は10代の性少数者に対する排斥を減らすための「It gets better」キャンペーンからインスピレーションを受けました。アイデンティティの混乱があってもいつも勇気を失わず、あまり苦労しないでほしいという気持ちを込めて撮影しました。そして、そのシーンは階段で撮影しました。個人的に階段は憩いの場として機能すると思います。階段では座って休めるじゃないですか。あなたたちには休む空間があり、世の中は良くなっているということを見せたかったんです。
ヴェルナー:映画の中盤2人で漢江で時間を過ごしている途中、ジェウォンがジヒョンをタクシーに乗せて送る場面があります。ジヒョンがタクシーに乗る直前、ジェウォンがジヒョンを眺める短い瞬間、わたしはその場面が一番好きです。ジェウォンがなぜ混乱を感じるのかについてのメッセージが込められていますが、詳しい理由はノーコメントにします。ジヒョンを見つめるジェウォンの目つきを見れば、その理由が解釈できると思います。

脚本と演出を共同作業し、ペク・インウ監督は企画を、ヴェルナー・ドゥ・プレシス監督は編集を追加で担当しました。お互いを補完するという感じを受けましたが作業方式が気になります。
ヴェルナー:わたしたちはお互いに性向が正反対です。わたしは社交性が不足し芸術的なことを追求する反面、ペク・イヌ監督は社交性が高く商業的なことを追求します。だから自然とバランスがよく取れるんだと思います。
ペク・イヌ:わたしはPD出身で、ヴェルナー監督は演出を専攻しました。ヴェルナー監督は照明の色味にもディテールにメタファーを入れるほど演出能力が優れています。そしてお互いに影響を受けた監督を見てもどれだけ違うかが分かります。わたしは岩井俊二監督に、ヴェルナー監督はスタンリー・キューブリック監督に影響を受けています(笑)

主人公役を演じたイム・ジソプ、オ・ジュンテク俳優のケミストリーが目立ちました。彼らをどのようにキャスティングしたのか知りたいです。オーディションを受けたのか、それとも他のビハインドストーリーがありますか。
ペク・イヌ:ジヒョンを演じたジュンテク俳優はカロスキルで偶然発見しました。その時は新型コロナウイルスの時期だったためジュンテク俳優はマスクをしていましたが、一目ですぐ目に入りその場で即キャスティングされました。そしてわたしたちは500人以上のオーディションをしましたが、偶然にもジェウォンを演じたジソプ俳優のすぐ次の順番がジュンテク俳優でした。5次オーディションまで続いたんですが、その時が1次オーディションでした。その場で2人をくっつけてみたら息が良かったし、以後5次オーディションまで行ってもその2人のケミストリーを越える組み合わせがなかったんですよ。運命かのように近づいたみたいです。

「8番目の感覚」は30分の10部作ドラマシリーズだと聞きました。しかし、国内では120分の映画として公開されました。きっと分量を一気に圧縮したのでしょう。お見せできなかったシーンが多いと思いますが残念な気持ちはありませんか。
ヴェルナー:海外ではドラマ化されとてもありがたくも好評を博しています。ただ、韓国ではドラマの分量を映画に圧縮して公開したので、編集が途絶えるなど不親切な部分があると思います。そういった面がとても残念です。韓国でも必ずドラマバージョンを公開します。

最後に、話せなかったことがあれば自由に聞かせてください。
ペク・イヌ:ドラマに出てくる核心台詞ですが、恐れず好きなように生きてほしいです。
ヴェルナー:BLジャンルが好きな方は監督の演出意図やキャラクターの行動を分析します。わたしはこういった点がとても幸せです。BLファンたちに感謝の言葉を伝えたいです。わたしはBLファンが高く評価されなければならない観客層だと思います。

©︎dazedkorea

Editor Marco Kim
Photography Noh Seungyoon
Art Ha Suim
Hair & Makeup Choi Kyungmin

※機械翻訳含め素人翻訳につき、あくまで参考程度にご覧ください。また、意訳誤訳気になる点等ございましたらご指摘頂けますと幸いです。

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