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労務×ITのスペシャリストに聞く!リモートワークで自慢できる会社にする方法。TECO Design様の取り組み大公開。

新型コロナウイルスが流行してから、企業を取り巻く環境は大きく変わりました。特に、働く環境はガラッと変わり、リモートワーク(テレワーク)を取り入れる企業が増えたと言われています。

リモートワークは、通勤時間の削減、家事・育児との両立を促進するといったメリットもある一方で、コミュニケーション量が減ってしまう・孤独になりやすいなどとデメリットを感じている方も一定数いらっしゃるようです。また、リモートワークの普及とともに、「リモハラ(テレハラ)」という言葉も生まれるなど、リモートワーク導入は良いことばかりではないようです。

企業の総務・労務担当の中には、今後リモートワークを継続すべきかどうか、またうまく活用するにはどうすれば良いのかを検討中の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回、人事・労務を中心にコーポレート業務のDX・効率化、生産性向上を支援する株式会社TECO Design 代表取締役社長の杉野様とうめもん様に、自社でのリモートワークの取組事例についてお伺いしました!
創業当時からリモートワークを取り入れ、今では約半数の方がリモートワークだという同社。slackの様子や、ルールについてご紹介します。

総務・労務担当の方はもちろん、リモートワークの導入・運用についてご関心、課題をお持ちの方はぜひご覧ください!

インタビュイー紹介


TECO Design株式会社 代表取締役社長 杉野慎 様
@shinson10
岡山県笠岡市出身。広島大学大学院 工学研究科 修士課程 修了。
医療系IT上場ベンチャー企業に就職。テレアポから営業トークまでを徹底的に分析して、マニュアル化。科学的な営業を取り入れ、トップセールスを継続達成。
中四国大手の社会保険労務士事務所に入社。実際に給与計算業務などに従事し、顧問先担当企業のIPO、M&Aも経験。同時にIT推進室室長として、社内のマニュアル整備、IT推進などに注力。またグループ内でコンサルティング会社を設立し、顧客データベースの導入・移行作業や、クラウド勤怠、クラウド給与等の導入、また、業務フローの見直しなどを含めたバックオフィスの業務設計を中心に実施。
これまでに、200社以上の給与・労務・勤怠サービスの導入支援業務を実現。

うめもん様
@Official_TECO
株式会社TECO Design立ち上げ当初からジョイン。クライアントへのコンサルティングに加え、同社の公式YoutubeやTwitterを手掛ける。
ある日突然、杉野様から「うめもんとしてTwitterやろうよ!」と声をかけられ、今では公式キャラクター的な立ち位置として発信。



リモートワーク導入の背景


ー本日はよろしくお願いします!うめもんさんは、杉野様とはお付き合いは長いんですよね。

杉野様:もともとは社労士事務所で10年ほど給与計算の担当、新規営業、導入担当などをしていました。当時は広島にいてグループ内でコンサルティング会社にいたりもしましたが、ありがたいことに東京でもお引き合いがありまして、それで東京に来てTECO Designを起業しました。
うめもんとは、そのコンサルティング会社で一緒に働いていたんですよ。

うめもん様:杉野さんと私の共通の知人がいまして、入力のお手伝いをする短期アルバイトを募集しているというFacebookの投稿を見まして、それで連絡したことから始まったんですよね。

ー素敵なご縁ですね!TECO Design様では、約半数の方がフルリモートで働いていらっしゃるんですよね。

杉野様:今日で逆転して、フルリモートで働いている人の割合のほうが多くなったと思います。今日から、北海道在住の方がメンバーに加わったんですよ。二回、三回くらいオンラインでお話しまして、一度もリアルではお会いせずに今日を迎えました。

うめもん様:今日入社した方を含めてメンバーは12人、7人がフルリモートで、残り5人が東京の神楽坂オフィスで働いています。

ーリモートワークはいつ頃から導入されているんでしょうか?

うめもん様:初期からですね。私はリモートワークをしたことがなかったんですよ!
PCなど機器類のセットアップ、初日の研修も全て資料を見ながら自分で進めていったのですが、それは少し戸惑いました。

杉野様:そう、初期からリモートワークを導入していましたね。僕自身もリモートワークはしたことはなかったのですが、前職のときは出張が多くてオフィスにいることがほとんどいなかったんです。ずーっと出張してて。リモートワークに最適化した環境ではなかったのですが、オフィスにいなくても仕事ができるというのは実体験としてあったんです。

導入のきっかけは、会社を作るときにどうしても働いてほしかった人がいたんですが、「どうしたら働いてくれますか?」と聞いたら、「フルリモートでフルフレックスだったら」と返事をもらったことですね。じゃあそういう制度にします!ということで、今に至ります。
そうしたら、同じ境遇の方を紹介していただいて、東京から離れた広島でも問題なく働けるんだなと言うことが分かりまして、うめもんにも声をかけたという経緯があります。

ー一緒に働きたい人がいて、そのためにリモートワークを導入されたんですね。導入時に不安などはありましたか?

杉野様:僕自身が社内にいないので、こちらから見てもメンバーから見ても、社内にいる意味がないんじゃないかと思っていたんです。

TECO Designは労務のクラウド化や導入支援を手掛けているのですが、僕が後仕事をできる後数十年位の期間でやりたいことは、社会と個人の接点をもっとなめらかにしたいということなんです。大雑把に言うと。僕自身、体調が悪くて仕事ができない時があって、在宅で一時間仕事して30分休むという働き方ならできたんですが、当時は出社しないといけなかったんです。
マイナーな病気だったので、ちょっと疲れてるんじゃないかとか、休んでる日は何してるの?と中々理解が得られなかったりして。休んだとして、社会との接点がなくなるし孤独だし、これってなんかおかしいなと思いました。

この体験から、働きたくても働けない人って多くいるんじゃないかと考えるようになりました。お金のため、生活のためだけじゃなくて、仕事を通じて家庭以外の場所を見つけたいとか、自己実現をしたい人もいるだろうし・・・と考えると、場所と時間という制約をフルリモートとフルフレックスで取り払えれば良いんじゃないかと。

ー育児、介護、ご病気などのご事情で、活躍できる機会を得られない方はきっと多いですよね。うめもん様は、リモートワークをされてみていかがですか?

うめもん様:とにかくフレキシビリティがあって良いですね。通勤時間が大幅に削減されるので、その分使える時間も増えますし。スクワットだってできちゃうし、ポテチだって食べられちゃいますから。通勤をしていたときと比べて、圧倒的に自由度が高いです。
いろんなところで働くことができますし、いずれ海外で働いてみたいな・・・なんて師範と話しています。

ーワーケーションですね!コロナが落ち着いたら行ってみたいですよね。リモートワークの良いところをお話しいただきましたが、リアルなコミュニケーションが無くて孤独に感じるなんてことはありましたか?

うめもん様:今のところ、無いですね。slackでのコミュニケーションが盛んなのと、Zoomで30分間雑談する、通称ティータイムをしているので、孤独感は無いです!

ーそれは良いですね!

リモートワークに便利なツール、slackの運用ルールなどをまとめた「TECO Designの掟」


ーフルフレックス・フルリモートを実現するために、他にどのようなツールを使われていますか?

杉野様:当社は、slackとBizer team(バイザーチーム)、Zoomをメインに使っていますね。

ーslackについては、運用のルールなどはありますか?

杉野様:明文化はしていませんが、暗黙のルールはあります。人も増えてきたので、それこそルールをうめもんに作ってもらっています。縛るのではなくて、最低限NGなことの共通認識を持つことが目的です。
この間、うめもんがTwitterに「TECO Designの掟」投稿していたよね。

うめもん様:では、「TECO Designの掟」言います!

「基本はBizer Teamを上からチェックしていけばできるようになっとる。」
「明るく楽しく、孤独にならんようにな。マイペースにやる。」
「個人的な隠しマニュアルを作るな。知識はシェアしんさい。」

これ、最後の特に重要ですよね。

杉野様:これは重要ですよ。みんな、良かれと思って自分でマニュアル作ってしまうことがあるのですが、それよりもみんなで考えたほうが良い方法を見つけられるんですよ。それに個人マニュアルを作ってしまうと属人化して休めなくなりますし。なので、これは重要度高いですし、NG事項にしています。

うめもん様:数少ないNG事項ですね。TECO DesignのNG項目は、隠しマニュアルと「業務内容でのDM禁止」の2つだけなんです。

杉野様:slackって、オープンでのやり取りとDMでのやり取りの比率を見られるんですよ。それでDMでのやり取りがあまりに多くなっていると、気をつけたほうが良いかなと思っています。その基準も決めて、モニタリングもしています。誰かが悩んでいるなら解消したいし、個別のやり取りが増えすぎてしまうとみんなが安心して働けないので。

ーちなみに基準はどのあたりでしょうか。

杉野様:10%ですね、基本的に一桁台なのでほとんど超えません。一部業務ではDMを使っていたりもしたのですが、それもチャンネル化してDMでのやり取りを無くしました。入社、健康診断の時期にはDM率が伸びるのですが、でもそれくらいですね。15%までいくと、何かあったんじゃないかと思うでしょうね。

ーオープンなコミュニケーションが活発なのは、心理的安全性が高いということの表れでもあると思います。メンバーがオープンでいられるように、心がけていることなどありますか?

杉野様:そこはもう、うめもんに任せてます!

うめもん様:うーん、これといって・・・無いですが・・・良い意味で力を入れないで仕事をしているというのはあるかもしれません。

杉野様:言語化できてない思いを書ける場所があるんですよ。「給湯室」というslackチャンネルなんですが、みんな思い思いに書いて、それを既読スルーしても良いんです。反応しなくても良い。

うめもん様:みんな長所をみつけたり、良いことがあったりするとすぐに取り上げて「給湯室」にぼそっと書いたりしていて、ほっこりします。「こういうところが師範の神の導き」、「TUNAは〜するところがガーサス」とか。

ーそれ、嬉しいですよね!slackが社内Twitterのような役割もしているのですね。

杉野様:そうですね、今日から新しい人も増えたので、やっていこうかなと思っています。人数が増えるほど、個人にかけるコミュニケーションの量が減っていくので、「それ聞いてません」というようなことがないようにしたいなと。
僕が今考えていることとか、こういうことやりたいと思っているとか、こういうことした良いんじゃないっていうことをガーっと書いていこうかなと。

いろんなことを思いついたり考えたりするのですが、それがいきなり一個のことになると周りがびっくりすると思うので、プロセスも共有できるようにしたいなと考えています。


TECO Designの組織の特徴


ーフルリモート・フルフレックスでも前向きなコミュニケーションができているのは、お二人の工夫もあると思うのですが、採用段階でTECO Designに合うかどうかを判断しているということもあるのでしょうか。

杉野様:それは大いにあります。ただ、明確な基準があるというよりは・・・うーん正直そんなに考えてないんですよ。例えば、二人でご飯行けるかとか。

ー大事ですよね。ちなみに、TECO Designのメンバーの方にある共通項って何かありますか?

うめもん様:ずーっと無言でいる人はいないと思いますね。話したがりほどではないけど、給湯室で発言しない人はいないですね。

杉野様:良く言えばこだわりがある人というか、頑固な人多いかも。

うめもん様:ああ、それはありますね!マイワールド、マイスタイルがあるというか。

杉野様:組織の調和の保ち方についても頑固なので、困ってる人がいたら助けなきゃと思う前に反射的に動いてくれたり。負けず嫌いの人も多いかもしれませんね。

うめもん様:この間、師範がYoutubeのROUMUトーークで話してたんですが、「できないと言いたくない」!と。このスケジュールどう?この仕様できる?と聞かれて、できないと言いたくない、どうにかしてできるようにしたいという気概のある人が多いと思います。

【公式】TECODesign_Channel


ROUMUトーーーク#3 feat.師範・よしべえ



杉野様:チャレンジが好きな人も多いですよね。
採用段階では、これからも勉強しなきゃいけないことも理解していただいたり、いい話ばっかりじゃないということも伝えています。売上や事業はもう一回やり直したり伸ばす方法もいくつかありますが、組織文化は不可逆性ですし、毎日のコミュニケーションが積み重なってできる差別化要因だとも思っています。
そういう意味でも、密度が高いメンバーが集まっていると思います。

ーなるほど。リモートワークでは、労務管理ー働きすぎや深夜労働の管理が難しいという話も聞きます。メンバーの方達の労務管理は何か工夫されていますか?

杉野様:そうですね、深夜だとか早朝には働かないでねと伝えています。健康を害したら元も子もないので。ただ、本人が勉強したい、仕事したいという思いは尊重したいと思っています。そこを強制的に制限して、どうだクリーンな会社だろ、なんて言いたいとも思って無くて。なので、やりたい人はやって、今は家庭を大事にしたいという状況にいる人がいるなら、そうすればいいと思います。
もちろん勤怠管理はしてはいますが、健康を害さない限り本人の状況や意思を尊重したいですね。

ー勤怠の内容を見て注意されることもあるのでしょうか?

杉野様:それだけでは判断しませんね。slackだとか日々のコミュニケーションを通じて、行き詰まっていそうだなと思ったら声をかけるようにしています。

ーなるほど。お話をお伺いしていると、杉野様がメンバーの方とコミュニケーションを取ることに費やす時間はかなり多いんじゃないかと思うのですが、その辺りいかがでしょうか?

杉野様:うーん、定期的な1on1だとかも意味があるのかなと思ったりしているんですよね。みんな、僕と話すよりメンバー同士で話したいだろうし。

うめもん様:そんなことないですよ!

杉野様:え、そう?ふふふ。

うめもん様:結構な頻度で、社長と話しますよ!稼働日の半分は話していますよ。

杉野様:うめもんと師範には、意識的にコミュニケーションの時間を割いています。
それは、やっぱり組織を作る上でボトムアップより、上をぐっと上げたほうがついてくるんですよ。二人は、業務、文化についてもよく理解してくれているし、この人達がTECO Designなんじゃないのと思うくらい。

ーエバンジェリスト的な役割を期待されているのでしょうか?

杉野様:期待するのがセオリーだと思うのですが、僕が期待する前にやってくれていましたね。僕のほうが勉強になりました。二人共、同じようなことを経験してたのかな。

うめもん様:師範は経験豊富なんで、同じような経験はあるかもしれませんね。私は会社員時代から、後輩がいたことがないんですよ。自分がいつも下という立場が多かったので、新しく入ってきた方の教育は初めてのことが多いです。

ーそうなんですね!リモートワーク環境において、経営層の考えを吸収して、自発的に動ける方ってとても貴重であり希少だと思います。

杉野様:いや、本当にそうなんですよね。

うめもん様:なんかこそばゆい!社長と師範を見て、ああこうしたら良いんだなと思ったことをしているだけなんですけどね。

杉野様:周囲にスタイルを見せるのも役割、ですよね。組織化して、リーダー職・マネジメント職を作ったとしても根本は変わらないと思います。入社した人が、「ああこれで良いんだ」と思えるまでに数ヶ月はかかりますよね。
これはこうするのがよくて、これはよくないな、とかが組織の自浄作用としてあるべきで、だからこれはやって良いんだよというような声がけは積極的にしています。

うめもんだって、最初は戸惑ったこともあるんじゃないかな。僕がお願いします、とslackに投稿したら「OK牧場」とか「承知」とかスタンプつけてくれるくらいになりましたよね。
さっきも三人でミーティングしていて、僕が遅れて入ったんですが、「ああ来た来た」とかって言われましたから。僕も僕で、「すいません遅れました・・・」とか言って。

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(提供:うめもん様)

ーその雰囲気、すごく良いですね!

杉野様:こうありたいっていうのをみんなで持ち寄って、そういう組織があるとかコミュニティがあるのは自分たちも嬉しいし、そういうことをやりたいって言っている自分たちができてないのもおかしいし。
TECODesignの採用面接の話なんですが、半分の人が騙されていると思っていたらしいですよ。そんな会社があるわけがない、と。実は裏があるんじゃないの、と思っていたとか、そんな噂を聞きます。

うめもん様:働きやすくて、フルフレックスで、経験がない人を雇って・・・そんなうまい話は無いと思っていたりね。

杉野様:家族に相談した人もいるって聞くね。もっともっと良い会社にして、もっと胡散臭いと思ってもらえるようにします。

ー以前のインタビューで、「ママ友に自慢できる会社にしたい」というお話を伺いました。ママ社員は何人くらいいらっしゃるのでしょうか。

杉野様:半数くらいですね。フルタイム社員は3人しかいないので。

ーいわゆるワーママ・パパ社員は、時間的な制約だったり家族の都合でお休みする場合があると思うんですが、そこにご不安はありましたか?

杉野様:いや、僕は不安はありませんでした。一人で働いているより余裕が生まれるのは間違いないですし。逆についていけなくなるのが不安ですね。
それに、家族の都合だったりで休むことは悪じゃないんですよ。年間5日は休んでねということは伝えてるし、全員段取りがうまいですよね。メンバーも、誰かが休むことがあれば反射的に引き受けて「休んでも大丈夫だよ」と言ってくれていますし。

うめもん様:オンボーディング資料にも、思いやりについては書いてますよね。

ーオンボーディングの話が出たのでお伺いしたいのですが、リモートワークのお悩みを検索してみると、新たに入社する人が馴染みにくいなんていう話がありました。TECO Designでは、リモートワークだからこその工夫はされていますか?

杉野様:うーん、いや特には。というか、オンラインでもオフラインでもやるべきことは本来同じだと思います。その、馴染めない状況は、リモートワークになる前からあったんじゃないかな。

個人的には、オフラインよりオンラインのほうがやりやすいですけどね。だって、オフラインだといろんな自分を見られちゃうじゃないですか。リモートは、その場その場の僕しか映らないけど、オフラインだと「あ〜暑い〜」とか「今日はだめ、もう吐きそう」とか言ってるかもしれないじゃないですか。

ー確かに、気を抜いた姿も見られちゃいますよね。

杉野様:そうなんですよ。
話を戻すと、オンボーディング資料はしっかり作り込んでますよ。やってもらうこと全部手順に書いてますし、節目で僕が声をかけてミーティングしています。

あと、馴染みやすいようにということで、初出社の日は「はじめましての会」を開いています。全員Zoomでつないで自己紹介をして、それからはっきりとしてはいませんがバディもいます。
ある程度馴染むまでは、その人に聞いてもらうという。

ーメンター制度のようなものですね。

杉野様:あ、制度にはしてはいないですね。なぜかと言うと、制度化するとそのバディになった人以外に聞きづらいだとか、それ以外の人が教えにくいということになってしまう危険性があるので。

うめもん様:だって、今朝の今朝ですよ。今日入社した人、うめもんよろしくしても良いかな!って言われたの。そのくらいふわっとしています。

ーそれで対応できるうめもん様もすごいですよね。

うめもん様:OK牧場です!

杉野様:牧場だよね。後は、リモートメンバーにはオフラインでに参加していただいたり、入社前に師範に会っていただいたりと、馴染むために機会を作ることは心がけています。


リモートワークで起こりがちな課題

ーここからは、リモートワークで起こりがちな問題・課題について、お二人のご意見をお伺いしたいと思います。まずは、「孤独を感じやすい」「コミュニケーションが減る」という課題、こちらいかがでしょうか?

杉野様:ああ、雑談は雑談するモードを作っていますね。給湯室とか、あとあしたのチームさんの交換日記を全員でやっています。これで、普段話す機会があまりない人も人柄を知れるようになりましたね。写真か動画が必須で、「TECOstagram」と呼んでいます。

うめもん様:回ってくるのは月一回くらいかな。新しく買ったものとか、お花を生けましたとか、趣味の話が多いですね。

杉野様:そうすると、またコミュニケーションが生まれるんですよね。この人これが好きなんだ、とか、こんな情報ありましたよ、とか。「私の話なんか」と言う人には、いやこれはみんなのためなんですと。周りの人が安心するために、自分はこういう人ですと出していかないと。

ーなるほど、2つ目。コミュニケーションが少ないからこそだろうと思うのですが、「プロセスが見えないし、どこまで突っ込んで聞いて良いのかわからない」、つまり「オンラインだとプロセスが見えなくて不安だ」という課題についてはどう思われますか?

杉野様:Bizer Teamを見て進捗把握してますし・・・。それって、リモートのせいにしてるんじゃないですかね。本質的に違う部分はあると思いますが、オフラインでできてたのかな?と思いますね。

ーなるほど。オンラインだから、リモートだからダメなんだ・・・ではなくて、オフラインでできていなかったことがはっきりしたのでは?ということですね。

杉野様:オンラインでもオフラインでも、人間関係が構築できているかどうかなんじゃないかんと思いますね。

ー人間関係に関連して3つ目。リモートハラスメント、という言葉があるのですが、ご存知でしょうか。チャットで強い言葉で繰り返し指摘をするだとか、しつこくDMを送るとか、リモートだからこそ発生するハラスメントのことだそうです。
TECO Designでは起こり得ないことだと思うのですが、もしも社内でslackの表現がきつい方がいたら、どうされますか?

杉野様:うーん、いじるんじゃないですかね。言い方、キッツ〜みたいな。

うめもん様:それか、コメントしなくても「圧です」スタンプを押すとか。茶化すかんじになるんじゃないかな。

杉野様:「圧です」スタンプ、良いですよね。やっぱり、なんでやってないのとか、いつやるのとか、あるんですよ。でも、それはもう「圧です」が押されるんですよ。

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(提供:うめもん様)

ーシリアスになりにくくて良いですね。文字に文字で返すと悪化しそうですよね。

杉野様:ですね、それにその案件に直接関連していない通りすがりの人がスタンプを押すから、一対一にならないですね。こういうことは大事にしていることだし、同じ目標に向かっていればやることは同じだと思うので、後は一緒に働く人に配慮できるかどうかかなと。

ー良いですね、聞けば聞くほど、働きやすそうです。

 TECO Designはどんな会社?


ーうめもん様から見た、TECO Designや杉野様の良いところや好きなところは何かありますか?

うめもん様:このときはこうしろ、という細かい指示が一切ないのがすごいですよね。半分以上はフルフレックス、フルリモートで監視の目が無いわけなんですが、誰もサボってないのもすごいですね。

稼働時間の多い少ないは人によって違うんですが、それを意識することがあんまりないですね。あの人は正社員だからということもないし、あの人は稼働○時間だからということもなし。最初から多様性があるし、やることやってれば良い!というのが良いところだと思います。

最初は、意識が高い人に合わせて背伸びをしたくなる環境、と言おうと考えてたんですが、そうするとキラキラベンチャーっぽく見えちゃうなと思って。でもそれとは違うんですよ!

ーキラキラではないんですね!

杉野様:キラキラ、ではないよね。言葉にするのは難しいけど、ある程度満たされている状態があって、マズローの欲求5段階説でいうと下の方は満たされていて、マネーゲームとか地位とかじゃなくて「おもしろそうだからやろうよ」と思える人が集まっていると思います。
仮に違う事業をやったとしても、同じような雰囲気でできるんだと思いますね。

あと、僕が言うのもなんですが、文化教養レベルが高いと思います!歴史とか、文学、芸術、音楽とか。だから、文化なんですよね。事業とかっていう意識が日々薄れてきて、休みのほうがしんどいんですよ。

うめもん様:みんなと話せないから・・・?

杉野様:そう、slackに誰もいないから。

うめもん様:可愛いところある!あと、いわゆるITベンチャーっぽい人はいないですよね。

杉野様:そうそう、終わったらすぐエプロン着けてたり、もしくは着けたままかもしれないですよね。途中でおでんの火をみたりね、そしてそれをいちいち打刻しなくていいよと伝えています。

ー大人が多いんですね。

杉野様:うーん、いや・・・驚かせたりしたいとか思うような少年少女が多いと思います。

うめもん様:ひと笑い取ろうみたいな、サービス精神旺盛な人は多いですよね。

ー最後に、現在採用中でいらっしゃると思うのですが、どんな方と一緒に働きたいとお思いですか?

杉野様:そうですね、結局は人だと思うので、同じ思いを持った人と働きたいです。「We’re team」というスタンプがあるのですが、誰かが具合が悪くて休むとかっていうときに任せておいて、という意味で押したり。自己犠牲心というと大げさだし、自分もマイナスになるじゃんという発想なんですが、主語が自分ばっかりじゃなくて相手のことも考えられる人がいいですね。
自分が幸せになりたいばっかりじゃなくて、周りの誰かのために動いたときのほうが幸せが大きいと思っていただける方が良いですね。

うめもん様:私だったら・・・うーん、びっくりするくらい言葉にしづらいですね。今インタビューを聞いていて、社長の採用軸ってなんだろう?と思いましたね。絶妙なバランスで組織ができているなと。
合わない人、というのはすぐ浮かぶんですが。あまりに秘密主義とか、一人で囲っちゃう人はダメなんじゃないかな。

杉野様:うちに合う人、というよりも入って一緒に楽しめれば良いかなと思っていて。なんか入ったら面白そうじゃん、と思っていただける方かな・・・それが採用基準です。

うめもん様:ふわっとしてますよね!

杉野様:ふわっとするの得意なんでね。

うめもん様:その時は納得するんですけど、後からなんだっけ?ってなりますからね。

杉野様:投げ方!とか言われるよね。
まあ、最初からこの人がいいって形にはめるよりも、変化に強い人が良いかな。頑固な人が多い、ということと矛盾しているように聞こえるかもしれないけど。

ーお二人のやり取りを聞いていると、TECO Designでの雰囲気が伝わってきます!
今回はお時間いただいて、ありがとうございました。

・・・・

今回、TECO Design杉野様・うめもん様に、リモートワークの運用、組織のありかたやコミュニケーションについてお伺いしました。ご参考にしていただけたら、幸いです。


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