珍しい症例になって股が全世界に発信された話

わたしが舐め犬を飼っていた頃のお話。
エロい話のようで全くエロくないので注意。
当時1週間から2週間に1回その舐め犬が家に来ていてのご奉仕して帰るのを繰り返していた。といっても4回で終わるんだが。
舐め犬には発言権は与えられてない。けれどもあいちゃん？みたいに話しかけてきたので不機嫌そうに返事をした。
『そのね、前回はなかった黒子が沢山ふえててちょっとどうしたのかなって‥』
え？と思い股を鏡に映しだしてみたら101匹わんちゃんのようなブチ斑点が股から尻にかけて大量にできてて静かに悲鳴を挙げた。そのスパンで前回はこの黒子みたいなのなかったのに‥やばいな‥進行が早いな‥見えないとこの黒子って癌かもっていうしな‥舐め犬にはすぐに帰ってもらいそこからインターネットを検索しまくった。私は何科にかかればいいか‥わからない…
まぁ股の事だから婦人科と判断したのだが念のため家から近くのプチ総合病院みたいなとこで皮膚科も併設してるとこにした。
婦人科から案の定わかんないと言われ皮膚科にまわされた。皮膚科混みすぎていて3時間待ちとかでその中に割り込みで私が入ったからとにかく待たされたし医師はひとめ私の股を見てその黒子の量が多くてびっくりした様子で
「生検しましょう！！！（組織をとって細胞を悪性か良性か検査するやつ）」て言ってその長蛇の列を遮って股に麻酔をかけて生検した。とてつもなく痛くて泣いた。
2週間後結果がでた。
ボーエン様丘疹症。え？なにそれ聞いた事ないけど。性感染症。ほっとくと予後が悪いから治療について考えなければいけなかった。医師は首を捻って液体窒素で凍結療法だと時間がかかりすぎるしレーザー治療しかないと思うんだけど‥ってモゴモゴにごしてきて、でも保険が効かないからどこに紹介する？って言われてこの大量の黒子全部癌の種だよ‥こわすぎる。しかも保険効かないとかマジで死ぬ‥貯金0円だけど‥
紹介状を書いてもらいどこにいけばいいかわからないまま一旦帰宅。今の時代でよかった。とにかくインターネットで探しまくった。
珍しい症例すぎるしプライバシー的な問題もあるのかどこにもヒントがない‥誰が股に黒いぶつぶつができたし話ブログに書くかよ‥
とにかく保険効かないレーザーとかいくらだと思ってんの？シミとるのとほぼ変わんない値段なのに広範囲とか高額すぎて泣ける。たぶん何十万円の単位‥。
それでこれはもう体当たりでぶつかっていくしかないと、職場でこの辺で良さそうな皮膚科を聞いた。主婦たちの口コミってほんと大事。わりとなんでもやってくれるっていう噂の皮膚科‥結構保険でやってくれるとこしってるよ！って言う同僚、神かとおもいました。
それでその皮膚科に行った。診察してこれは珍しいねぇ。と写真撮ってもいい？と言われ治るんならなんでもよかったので股の写真を撮られた。事前にこの皮膚科にレーザーがあることを調査してたので医師に相談したところ。レーザーでやってあげる。保険でやってあげるよ！って言われてマジで神！手術！保険点数！！保険診療！！ありがとう！！って思ったのも束の間。じゃあ手術になるから手術の日きてねって言われて別日に行ったわけだよ。
レーザーがどんなものかわからないからどのくらいの痛みかわかんなくて、表面麻酔→局所麻酔→レーザー照射だったわけだけど、局所麻酔が本当に痛すぎた。汗びしょびしょになりながら耐えたけど途中で痛すぎてもう無理なんです。もう本当に無理です！と泣いてしまった。多分今までの何よりも痛かったと思う。痛みで意識を消失するかと思うくらいだった。半分だけレーザーで焼いて1ヶ月後くらいに、のこりの半分やりましょうってなったので予約した。その手術の日あの痛みがもう一度かと思い、怖くて震えてたら、局所麻酔痛いから表面麻酔だけでレーザーしましょうって言われて。表面麻酔→レーザーやったら痛くなくて。あの痛みで死にそうだった時間返してよって思った。それでレーザー照射は3回くらいで無事に終わった。保険適応の手術だったから12000円くらいで済んだ。保険きかなかったらとおもったら恐怖でしかない。
それから再発はしていないと思う。私の股の101匹わんちゃんは消えた。多分。
それで保険でやってもらったのもあって
学会発表とか出しても良い？と言われて
股の写真が発信されたと言うお話。

どうか同じ悩みを抱えた迷える子羊に届きますように‥



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