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#2|運ばれて気づく、真の願い

前回の記事で、自分は実は何を願っているのか、わかっていないものなのだということに触れました。「自分の願い=形レベルで具現化したいこと」だと思いがちなのです。

けれども、ほんとうの願いというのは、内なるガイドに導かれることによって、「ああ、わたしはこれを望んでいたんだ」と気づけるようになっています。経験してみる(受け取る)ことによって、「これだったんだ!」と、ハッとするのです。

わたしは、私学の中高一貫校で勤めていたことがあるのですが、教鞭を執る傍ら、心理カウンセラー養成スクールに通っている時期がありました。不登校の女子生徒との出会いを通して、教師も心のことを学ぶべきだと感じたからでした。

阪神淡路大震災の影響で、スクールカウンセラーという言葉は、この頃にはよく聞かれるようになっていました。当時、「心理カウンセラー」や「スクールカウンセラー」という単語でネット検索し、色々調べていたのだったと思います。

そしてたどり着いたのが、大阪にある、民間の心理カウンセラー養成スクールのサイトでした。今思えば、全部運ばれていたとしか言いようがありません。すべて“完璧”(わたしの想像をはるかに超えた道)だったのです。


サイトを見つけたわたしは、無料で講座を体験できることを知り、申し込みました。以前から箱庭療法に興味を持っていたのですが、28講座あるうち、ちょうどその箱庭療法の講座の日に参加させてもらえることになりました。

このスクールの講座は体験型で、講義を聞くこと(知識を増やすこと)よりも、経験することに重きを置いていました。どの講座もワーク(セラピーや傾聴など)を実際に体験/練習することができるのです。

教室に入って、最初は確か後ろのほうで座っていたのだったと思いますが、その場の空気(静かで、優しくて、不思議な感覚でした)を感じていました。講座が始まり、少し講師からの話があった後で、教室の横に並べてあるぬいぐるみの中から「気になる子を1つ持ってきてください」と講師が言い、一人ずつ、そのぬいぐるみがどんな子か話していくワーク(「投影技法」を用いたワークです)の時間が始まったとき、わたしの中で何かが拡がってゆく感覚がありました。

どういうワークをするか聞いたときは、戸惑いました。大人がぬいぐるみを選んで、どんな子か話すってどういうこと?恥ずかしくない?、と。けれども実際、順番に受講生の方が自然と「この子は〜〜」と話していくのを聞いているときに、何かが蘇るような感じがしたのです。

その場にいる誰もが、話している人を受容していました。誰も裁かず、静かにあたたかいまなざしで見守って聴いており、話している人は、何も気にせず素直な心で、浮かんでくるものをそのまま隠さず表現していました。

この開かれた状態、優しい雰囲気、すべてを受容する空気に触れて、わたしの内側からぱぁっと、何かが拡がり出る感覚がし、「ああ、わたしがしたかったのはこれだ」と思ったのです。「わたしは人々と心の交流がしたかったんだ」と。とても嬉しい気持ちになっていました。「ああ、見つけた!」という、驚きと喜び。「これだ!」という確信がありました。

人々との、心の交流を経験したい。こうやって、お互い相手が何を話してもジャッジせずに受容の心で聴いて、一緒に解放され、一緒に歩んでいくこと。これがわたしの望んでいることだった。ああわたしは、人が好きだったんだ……!

確か24歳のときでした。わたしは自分の奥にあった真の願いを思い出せるよう運ばれたのです。学校の教師になりたいという夢(「先生になりたい」というのは3歳の頃からの夢で、中学生のときに教師になると決意しました)、その形レベルの奥にあったものは、生徒たちをただ愛したいという想いであり、真の心の交流がしたいという願いだったのです。生徒たちだけでなく、年齢や性別によらず、人々と、みんなと真に関わりたいというのが、わたしの心からの、本当の願いだったのです。

内なるガイドは、「君の願いはね、〇〇なんだよ」と言葉で説明するというよりも、閃きや直感、自然な流れを通してわたしたちを運んでくれて、実際に経験することによって、気づけるように、受け取れるようにしてくれます。

この世界のものを使って(形レベルのものを道具にして)、形レベル・肉体レベルを超えた、心の深いところにあるものを“見せて”くれます。経験させてくれるのです。

経験すること、受け取ることによって、気づきが生まれ、信頼と確信が深まっていきます。それまで見えていなかったものが、”見える”ようになるのです。今まで自分は見落としていた、気づいていなかった、何もわかっていなかったんだと、爽やかに認めることができ、与えられた贈り物に心から感謝することができます。

わたしには何もわかりません。どうぞ教えてください。どうぞ導いてください。どうぞ、経験させてください。

静かに祈る心を保ちたいものです。静かにしていれば、誰の中にもいるガイドが、一歩一歩を導いてくれているのだとわかるようになります。わたしたちの人生の物事を動かすことによってではなく、この世界のあらゆるものを道具に使い、わたしたちの心に働きかけることによって。

心に働きかけてくれていることに気づいていたいですね。そのためには、やはり、静かにしていることだと思います。次回は、静かにすることに関して書いてみますね。

Blessings,

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