ポジティブ

春は嫌いだった。
花粉症だし、服も選びづらいし。
何よりJR線の電光掲示板に「入学おめでとうございます！」とかって表示されやがる。なんだその祝福ムードは。お前が言うな。ご丁寧にビックリマークまでつけて。

ほろ酔いは心地良い。
舌触りの良い会話をして、目を瞑って、人の温度を近く感じて、口実ができる。
でも気をつけないと。口を滑らすと一気にシラけてしまう。ずっとこのままでいられれば…なんて文字にするだけでも痒い痒い。いつからでしょう。

今から一年ほど前、平行線を辿るのが怖くなって、ようやく二つのことを決めた。時勢のためだけではなく、おそらくそういう年齢でもあった。
それが正しい判断だったかは分からないけれど、正しいかどうかをこれから知るために、必要な決断だったんだと思う。

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今日はちょっと上品なランチに行った。ナイフとフォークを使って、羊肉を小さく切りながら口に運んだ。つけ合わせの野菜、これ何だろうねなんて話していたら、突然店内でWeezerのSay It Ain't Soが流れた。それまでは洒落たアコースティックのインスト曲が流れていたのに。羊なんてそっちのけで、シェフ、もしかして私たち気が合うかもな。

明日から4月で、私の生活スタイルも一変するらしい。
新年度を目前にギリギリまででっかい不安の最中だけれど、遠ざけていた場所ほど簡単に居心地がよくなるかもしれない。知ったかぶりは格好悪く、期待は大きいほど幻滅するんだ。

オーイェー、オーライ。