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水深3000m 未知の深海で海を拓(ひら)くROV (海洋エンジニアリング様 特別インタビュー記事)

皆様、こんにちは!愛三電機です。
今回のnoteは、特別企画✨
なんと!海洋エンジニアリング様へ、特別インタビューをさせて頂き、noteを執筆させて頂く事となりました!
宇宙よりも広い?!深海の秘密について迫ります。

今回のnoteは妹尾様との、共同執筆でお送り致します。

◾️妹尾博樹 様 プロフィール
国内、海外大手電線メーカーを経てROVトップシェアSAAB Seaeye社を取扱うマリメックス・ジャパン株式会社に勤務。
現在は海洋ジオラマ製作、鉄道写真撮影を行う すずらんフォト代表。

宇宙より遠い場所


ROV レパード

皆さん宇宙より遠い場所というのをご存じですか、アニメのタイトルにもなったこの言葉、それは深海を指します。
太陽系の外まで探査衛星を飛ばし、38万キロ離れた月面に立った人類ですが、最も海の深い場所であるマリアナ海溝は10.9キロの深さながら特殊な潜水艇で数人が到達したのみで、潜水服で海底を探査するなどは夢のまた夢なのだそうです。

その理由は水の存在で、水深10000mともなると地上の1000倍の圧力となりプレス機で圧縮されるような圧力を受けます。
現在日本が持っている有人探査艇「しんかい6500」でも6500mまでしか、潜ることができません。更に水は光や電波を吸収する性質があるため、宇宙の様な電波による探査ができず、深海の姿は宇宙より知られていないのが現状です。

ROVと愛三電機


レパードの母船 第一開洋丸
第一開洋丸から降ろされるレパード

そんな未知の世界である深海は、主に無人の遠隔潜水機械ROVによって調査されます。
海洋エンジニアリング社様が所有する自重2tクラスのROV「レパード」は2015年に導入されました。
レパードは3000mまで潜れ、各種の科学調査機器と2本の腕のようなマニュピレーターを装備し、あらゆる調査や作業に対応することができます。
その専用の母船となる第一開洋丸には多くの当社取扱品を採用していただきました。


配線工事の様子

ROVから送られてくる映像は第一開洋丸のROVオペレーター室から船内のブリッジやキャビンなどに配信されます。こちらには同軸ケーブルや同軸コネクタが採用されました。

同軸コネクタ
同軸コネクタ用工具
同軸ケーブル

船内にはレパードに搭載された各種調査機器類からの情報を変換、表示する装置や記録する装置が搭載されています。こちらには制御ケーブルやキャブタイヤケーブルが採用されました。

制御ケーブル 多芯ケーブル
キャブタイヤケーブル 2PNCT

またレパードからの映像信号は光ケーブルで送られて来ます。
こちらには光パッチケーブル(ゴリラケーブル) 光パッチコード OTDR 可視光源 各種清掃具が採用されました。
ゴリラケーブルは過酷な側圧にも耐えられ、耐油・耐薬・耐水・耐摩耗性にも優れた強靭な光ケーブルです。
ゴリラケーブルは結束バンド(インシュロック、タイラップ)で直接固定することができ。従来のフレキ管(可撓電線管)に光パッチコードを通線する方式から大きく省力化することができました。
また、ゴリラケーブルの他にもピコケーブル(金属管光ケーブル)といった高耐久性の光ケーブルも取り扱いをしております。

OTDR EXFO
可視光源
各種 光清掃用品

苦労

船内に配線された光通信コネクタ部は、潮風がかからない様に密閉型のボックスなどに収納したそうですが、洋上での運用が始まるとそのボックスの短時間の開閉の際に、潮風が入り込み光通信の信号強度が落ちていたことがあるそうです。

その為、定期的に光コネクタの端面を専用の顕微鏡で観察し、清掃または予備の光パッチコードに、交換することにされたそうです。

光ファイバーの光信号が伝送される範囲は約9μmと非常に小さく、僅かな汚れ・異物でも光通信の信号強度は落ちてしまいます。弊社でも多様な光コネクタに対応した清掃用具を販売しております。


ROV のマニュピレーターにより海底から
回収される調査機器

海のスペシャリスト

海のスペシャリストである、海洋エンジニアリング様より、今回貴重なお話の数々を伺わせて頂きました。
「深海」という未知の領域へのチャレンジは、文字通り「未知」が詰まっており、中でもトラブルへの対処方法のお話に、とても心打たれました。

海上という過酷な環境下において使用する機器は、潮風等の影響において、部品の劣化が早く、タイミングを見極めた交換やメンテナンスが重要となっていきます。
船の出航前のメンテナンスは勿論ですが、海上において起きた、急なトラブルへの対応も行う必要があります。しかし、海上は地上と違い、急な部品調達が出来ないため、様々なトラブルを予め想定しておき、急な事態に対応できるような部品調達を、出航前に行うそうです。

「海底に潜る、調査する」はまるで、「宇宙を調査する」ような事であると感じ、とても神秘的な気持ちになりました。まだまだ解明されていない海底。未知の場所に挑戦し続ける「海洋エンジニアリング様」への敬意と共に、noteを締めさせて頂きます。

大変貴重な資料をこうしてnoteにて、公開出来ます事を、大変嬉しく思います。
改めまして今回、取材を快くご承諾下さいました、海洋エンジニアリング様。ご縁を繋げて下さいました妹尾様。本当にありがとうございました。


■海洋エンジニアリング株式会社
所在地: 東京都台東区台東4丁目28番11号

私たちは海洋環境の総合コンサルタントとして、沿海から沖合の大海洋までの海にかかわるトータルエンジニアリングを提供しています
事業内容は、「沖合域海洋調査」「沿岸域海洋調査」「海洋コンサルタント」「水産施設設計」「環境機器事業」と、多岐に渡ります。


■愛三電機株式会社
所在地:東京都千代田区外神田1-12-3

光通信部材・ネットワーク機器・電線・配線パーツ等の販売を行っており、
多種多様な製品を店舗在庫として取扱っております。
必要な製品が、必要な時、必要な人にご提供出来るよう心掛けております。

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